五ヶ瀬ワイナリー

ワイナリーを代表する白ワイン「ナイアガラ」1815円(写真中央)をはじめ、個性豊かなワインがそろう

地元産にこだわった、五感を潤す五ヶ瀬ワイン

宮崎県の北西部、九州のほぼ中央に位置する五ヶ瀬町。九州山地に抱かれた自然あふれる町で、阿蘇の外輪山に沈む美しい夕日を眺められることでも知られる。この地でブドウの栽培が始まったのは1996年(平成8)のこと。そして町内の農家が収穫したブドウをすべて買い取り、おいしいワインを造ることで町を元気にする取り組みをしているのが五ヶ瀬ワイナリーだ。ブドウ栽培にとって重要なのが、土壌と気候、日照時間や降雨量など。標高600m前後に丘陵地が広がる五ヶ瀬町の年間平均気温は約12℃。昼夜の寒暖の差が大きく、また美しい水に恵まれていることから、糖度と酸味のバランスが絶妙で良質なブドウが生み出される。五ヶ瀬ワイナリーでは、地元農家が厳しくも豊かな自然と向き合いながら育てたブドウを100％使用。収穫したてのブドウから造られるワインは、みずみずしさあふれるフルーティーな味で、各ワインコンクールで高い評価を受けている。

のどかな農村風景に囲まれた、標高660mの丘の上に立つワイナリー

ワインをはじめ宮崎のお土産を販売するショップを併設している

気軽にテイスティングできる試飲コーナーも

五ヶ瀬ワイナリーへは、宮崎市から車で約2時間30分、観光地として人気の高千穂町からは約30分。また九州の中央に位置するため、熊本や大分、福岡などからのアクセスも便利だ。ワイナリーにはショップが併設され、試飲して好みのワインを購入できるのがうれしい。定番のワインは5種類。赤ワインは、やわらかな酸味と渋みが調和し飲みやすい「夕陽」。白では清涼感のある香りと爽やかな酸味をもつ辛口の「シャルドネ」、キンモクセイのような華やかな香りで甘口の「ナイアガラ」、柑橘系の香りと酸味がすっきりとした「デラウエア」。また「キャンベルアーリー」は、ほどよい酸味と甘味のバランスがとれたロゼワインだ。なかでも人気ナンバーワンは「ナイアガラ」。女性が審査する国際的なワインコンペティション「サクラアワード」で、2022年(令和4)度に「ナイアガラ」がゴールド賞を、また「デラウエア」はシルバー賞を受賞している。

赤・白・ロゼのほかスパークリングワインを生産。オンラインショップもある

数種類のワインを試飲して、好みの味を見つけよう

絶景レストランで旬の料理とワインを楽しむ

ショップではワインのほかにも、ワイングッズやワインを使ったお菓子、地元の名産品などを販売している。五ヶ瀬ワインで造られたビネガー、ナイアガラのブドウ果汁や宮崎県産の日向夏をブレンドしたビネガードリンクもお土産に好評だ。また醸造施設の見学コースがあり、時期によっては摘みたてのブドウを搾汁したり、ワインをフィルターで濾過してビン詰めする様子など、ワイン造りの工程を見ることができる。

ワインビネガーはサラダのドレッシングやマリネに最適

ワイナリーの魅力のひとつが、ここから眺める雄大な風景。西側には熊本の阿蘇五岳がそびえ、天気がよければその右手に九重連山、左手に雲仙普賢岳まで見渡すことができる。宮崎県にいながらにして熊本・大分・長崎の山々を一望できる絶好のロケーションだ。この眺めだけでもわざわざ立ち寄る価値があるが、時間があえばぜひ併設のレストラン「雲の上のぶどう」でランチを味わってみたい。ガラス張りの開放的な店内で絶景を眺めながら、旬の野菜や地元の食材を使った料理をワインとともに楽しめる。

ワイナリーから見る阿蘇五岳。仏様が寝ているように見えることから「涅槃像(ねはんぞう)」と呼ばれる

ビュッフェスタイル(冬期はオーダー形式)で食事を楽しめる「雲の上のぶどう」