草枕温泉てんすい
漱石も眺めた有明海と島原半島の雄大な風景を満喫する温泉
絶景を眺めつつ
眼下に広がるのは、みかん畑。その遥か向こうには有明海がきらきらと輝いている。背景に島原半島の雲仙普賢岳が威容を誇っている。この雄大な風景をひとり占めできるのが、草枕温泉てんすいの露天風呂だ。だが本当の絶景は夕暮れ。沈んでいく夕陽に、海も山もみかん色に染まるという。そのぜいたくな時間を求めて、毎夕、大勢の客がこの温泉を訪れる。もちろん、滝のように湯が流れる大浴場や季節の楽しみとなっているみかんの湯なども大きな魅力だ。100%の天然温泉がどの浴槽からもあふれ出ていて、シャワーの湯も温泉水が利用されている。なお、温泉受付前にある50段のらせん階段を上がると展望台へ出ることも可能。より高い場所から絶景が楽しめる。もっとも、1階テラスからでも広大な景色が見渡せるので、高いところが苦手な方にはこちらがおすすめ。64畳という広々した無料の休憩所をはじめ、休憩スペースも用意されているので、湯上りにのんびりしたい。
小天温泉を訪れた漱石
1897年(明治30)の年末、夏目漱石は小天温泉を訪ねている。漱石は1896年(明治29年)4月、29歳のときに第五高等学校(現、熊本大学)の英語教師となった。その前年は、のちに『坊ちゃん』の舞台となる愛媛県尋常中学校(松山中学)で英語教師をしていた。漱石の小天温泉旅行については、『漱石がいた熊本』(村田由美/風間書房)に触れられている。年始客が多いことを嫌った漱石は正月には旅に出ることにしていた。小天では年末年始の1週間近くを過ごしたという。「小天に春を迎へて」と前書きして「温泉や水滑らかに去年(こぞ)の垢」という句がある。漱石の熊本から小天までの旅のルートについては、いろいろな研究書などが出ているが、それらが出版される以前に『草枕』の舞台となった場所を読者が訪ねていたらしい。漱石は『草枕』の舞台について明言していないようだが、作品の舞台とされる場所が人気なのは、昔も今も変わらないようだ。
漱石からみかんまで多彩な土産物
ちなみに漱石は、1900年(明治33)に英国のロンドンへ留学するまで4年間ほどを熊本で過ごした。ロンドン在住の漱石が、孤独などから精神を病んだことはよく知られている。2年後に帰国した漱石は、1905年(明治38)、38歳のときに『吾輩は猫である』を発表。その翌年4月に『坊ちゃん』、そして9月に『草枕』を発表した。「草枕温泉てんすい」の入り口を入ったところにある広々とした物産館の壁には、漱石はじめ、ゆかりの人物のパネルが展示されている。「漱石ようかん」「漱石まんじゅう」といった漱石関連の土産物も多い。季節によるものの、地元の名産品である「天水みかん」や朝摘みの新鮮な野菜はすぐに売り切れてしまう人気商品となっている。天水町ならではの「みかんもち」も定番人気で午前中になくなってしまうことも珍しくないという。そのほかにも物産館にはさまざまなお土産が並ぶが、四季折々の野菜が充実しているのはここの大きな特徴となっている。
スポット詳細
- 住所
- 熊本県玉名市天水町小天511-1 地図
- エリア
- 玉名エリア
- 電話番号
- 0968824500
- 時間
- 10:00-21:00
- 休業日
- 不定休
- 料金
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【入浴料】
[大人]600円
[小人(4才-中学生)]220円 - 駐車場
- あり(300台)
- クレジットカード
- 可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、銀聯、DISCOVER、Diners Club)
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 可(Suica、PASMO、QUICPay、iD、nanaco、WAON、楽天Edy)
- Wi-Fi
- あり
- コンセント口
- あり
- 喫煙
- 不可
- 滞在目安時間
- 60-120分
情報提供: ナビタイムジャパン
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クチコミ
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- お食事処の評価です
- 草枕温泉てんすいを訪れ、入浴後にランチを食べました。お食事処は「観海亭」翠微といい、温泉の入口から中庭を挟んだ反対側にあります。畳の席が中心で、いくつかテーブル席もありました。屋根が高く開放感もあります。うどん類は600円くらい-、丼もの、定食類は800円前後くらい- 御膳ものは1000円代前半-くらいの価格帯になります。今回は日替わりのアジフライ定食(500円!)とデミグラスハンバーグ定食...
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- 有明海が見える温泉
- 有明海が綺麗に見える温泉で昼間も良いですが特に夕焼けの時間帯がとっても綺麗で最高です。露天風呂にも洗い場があるので便利ですが冬場はさすがに寒いので中の洗い場しか利用できませんね。
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- できれば夕日を見られる時間帯に
- 移動の関係で日没よりかなり前に利用しましたが、夕方がオススメです。有明海と島原を望む高台にあり、ぬる目の露天風呂にゆっくりつかって夕日を眺められたら、どんなにリフレッシュできるか、と思います。露天風呂のほか、内風呂、電気風呂、薬草風呂、サウナと揃っています。館内には果物やお土産などが並ぶ大きな売店もあります。連休だったからか、休憩所ではハワイアンやフラの出し物をやっていました。残念だったのは、連休...
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