浜野浦の棚田
海から駆け上がるように連なる造形美が目をひく棚田
時の流れとともに姿を変える美しい棚田
福岡市から車で西へ1時間ほどに位置する玄海町。同町に流れる浜野浦川(はまのうらがわ)の下流に景勝地として知られる「浜野浦の棚田」がある。棚田とは、山の斜面や谷間の傾斜地に階段状に作られた水田のこと。浜野浦地区は玄界灘に面しているため、まるで海岸から駆け上がるように水田の階段が続いている。特に、4月下旬から5月上旬は田んぼに水を張ってならす代掻き(しろかき)が始まり、夕暮れどきは水田がオレンジ色に美しく染まる。2011年(平成23)には県内でも美しい地区として「佐賀県遺産」に認定され、2007年(平成19)には佐賀県から唯一「恋人の聖地」に認定された。あらゆる世代が美しい景色を楽しんでいる。
棚田の美しさを支えている戦国時代の技術
浜野浦の棚田は、戦国・江戸時代から受け継がれてきた歴史ある棚田だ。棚田を支える石垣は「野面積み(のづらづみ)」といわれる技術で、同県にある豊臣秀吉築城の名護屋城(なごやじょう)の石垣と特徴が類似しており、自然石を使って巧みに積まれている。海と山の自然に恵まれた立地から、江戸時代は漁に出るかたわら農業をしながら暮らしを立てる「半農半漁」の村でもあった。時を経た現代も、対馬暖流の影響を受ける全国有数の漁場を生かした漁業があり、さらに、佐賀牛の肥育やハウスみかん・イチゴ栽培など、立地の特徴を生かした多角的な産業も行われている。今も昔も豊かな自然の恩恵を受けている地だ。
五感で堪能できる浜野浦のお米づくり
浜野浦の棚田の見どころは、田植えから稲刈りまで米づくりの過程で変化していく美しい眺望だ。4月中旬は水田が夕日に映え、6月には青々とした稲が伸び始める。さらに、早春には菜の花、秋には彼岸花など四季折々の風景を楽しめるのも魅力のひとつだ。棚田ではおもに「コシヒカリ」が栽培されている。玄界灘の潮風と美しい夕日が育んだ、浜野浦ならではの特別なお米だ。海の潮風にあたるためミネラルが豊富で、粘りが強い。2020年(令和2)には宮中行事のひとつである「新嘗祭(にいなめさい)」の献上米に選ばれたほど。こんな自然の恵みをたっぷりと受けた浜野浦のお米をぜひ1度味わってみたい。
カップルから家族連れまで一日楽しめる町
浜野浦の棚田を一望できる展望台には、ハート型のモニュメント「エターナルロック」が設置されている。幸せの鐘として地元で親しまれており、ぜひ大切な人と一緒に鐘を鳴らしてみたい。玄界灘沿いにある「仮屋湾(かりやわん)遊漁センター」では、天然の釣り堀で海釣りを体験できる。釣り竿の貸し出しがあり、観光客でも気軽に釣りを楽しめるのがうれしい。また、露天風呂付きの家族湯や佐賀牛を楽しめる温泉施設「玄海海上温泉パレア」で温まるのもおすすめ。多様な施設と壮大な自然のおかげで、カップルから家族連れまで一日中じっくりと堪能できるエリアだ。
スポット詳細
- 住所
- 佐賀県東松浦郡玄海町浜野浦 地図
- エリア
- 唐津・呼子・玄海エリア
- 電話番号
- 0955522112
- 休業日
- 無休
- 料金
- [見学料]無料
- 駐車場
- あり(39台)
情報提供: ナビタイムジャパン