鳴門市ドイツ館

資料/郷土/展示/文学館

鳴門の人々とドイツ兵俘虜の交流を伝える資料館

第一次世界大戦時、鳴門市大麻町にあった板東俘虜(ふりょ)収容所。鳴門市ドイツ館では、そこに収監されたドイツ兵たちの活動や地元の人々との交流の様子を展示している。「奇跡」と呼ばれた歴史の1ページを確かめてほしい。

中世ドイツ建築様式を取り入れた左右対称のデザインが美しい} 中世ドイツ建築様式を取り入れた左右対称のデザインが美しい

「とくしま88景」に選定された美しい建物

神戸淡路鳴門自動車道からは鳴門北ICで下車。鳴門市ドイツ館が隣接する道の駅「第九の里」へは、国道11号を経由して県道12号を池田方面へ向かう。鳴門市ドイツ館は、鳴門市大麻町に第一次世界大戦時のドイツ兵俘虜を収監した板東俘虜収容所があったことから、1972年(昭和47)に創設された。現在の場所へと移転したのは1993年(平成5)。中世ドイツ様式を取り入れ、随所にバロック調の装飾をあしらった美しい建物は「徳島県優秀建築設計コンクール優秀賞」を受賞しているほか「とくしま88景」に選定されている。また、前の広場には、鳴門の地でベートーヴェンの『第九(交響曲第9番 ニ短調 作品125)』が初めて演奏されてから100周年を迎えたことを記念し、2018年(平成30)に板東俘虜収容所の所長、松江豊寿(まつえとよひさ)陸軍大佐の銅像が建立された。

鳴門市ドイツ館までは看板も多く、まず迷うことはない} 鳴門市ドイツ館までは看板も多く、まず迷うことはない

『第九』初演から100周年を記念して建立された松江豊寿の銅像} 『第九』初演から100周年を記念して建立された松江豊寿の銅像

「奇跡」と称された収容所の歴史を鑑賞

「世界のどこに、バンドーのようなラーゲル(捕虜収容所)があったでしょうか。世界のどこに、マツエ大佐のようなラーゲル・コマンダーがいたでしょうか」と、俘虜の1人が語ったように、板東俘虜収容所は、世界でもまれにみる人道的な待遇が受けられた施設だった。ドイツ兵たちの人権を尊重し、できるかぎり自主的な活動を認めていたため、演劇や音楽、出版など、さまざまな活動に取り組むことができたという。鳴門市ドイツ館では、残された貴重な史料や数々の証言から、板東俘虜収容所の暮らしや地域住民との交流などをわかりやすく展示。精巧に作られた収容所やバラッケ(兵舎)のジオラマ、ベートーヴェンの『第九』初演エピソードを映像とロボットで再現した「第九シアター」など、見どころが多い。

史料展示室には収容所などをリアルに再現した立体展示も} 史料展示室には収容所などをリアルに再現した立体展示も

「第九シアター」は開館から閉館まで1日13回上映} 「第九シアター」は開館から閉館まで1日13回上映

音楽や演劇、出版など、多彩な活動が許されていたという} 音楽や演劇、出版など、多彩な活動が許されていたという

アジアで初めて『第九』が演奏された鳴門

鳴門市ドイツ館の敷地はきれいに整備されており、天気のいい日は散策にも適している。建物を背にして右側の小さな広場には、ドイツ人彫刻家ペーター・クッセール氏により制作されたベートーヴェン像が立っている。これは1997年(平成9)に鳴門市制施行50周年を記念して建てられたもの。アジアで初めて『第九』が演奏されたのは、1918年(大正7)の6月1日、板東俘虜収容所のドイツ兵楽団が開催したコンサートだったという。以来、鳴門市では、この日を「第九の日」と定め、6月の第1日曜に演奏会を開催している。鳴門市ドイツ館でも、定期的にクラシックのコンサートやドイツにまつわるイベントが開かれているため、訪れる前にはウェブサイトでスケジュールを確認しておきたい。また、隣接する道の駅「第九の里」の物産館は、国の登録有形文化財である板東俘虜収容所のバラッケを移築・再利用したもの。軽食コーナーでは、ライ麦パンにドイツの白いソーセージを挟んだ「第九ホットドッグ」を注文できる。日本とドイツの歴史に思いを馳せながら食べてみるのもいいだろう。

鳴門市制施行50周年記念で制作されたベートーヴェン像} 鳴門市制施行50周年記念で制作されたベートーヴェン像

農産物の直売所や軽食コーナーなどがあり、多くの観光客が足を運んでいる} 農産物の直売所や軽食コーナーなどがあり、多くの観光客が足を運んでいる

スポット詳細

住所
徳島県鳴門市大麻町桧字東山田55-2 map map 地図
電話番号
0886890099
時間
9:30-17:00(最終受付16:30)
休業日
第4月(祝の場合は翌日)、12/28-12/31
料金
【入館料】
[一般]400円
[中学生]100円
[小学生]100円
駐車場
あり(100台)
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
不可
Wi-Fi
あり
喫煙
不可
滞在目安時間
30-60分

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • やっと板東に
    4.0 投稿日 : 2019.12.28
    ベートーヴェンの第九のアジア初演の鳴門板東収容所の捕虜だったドイツ兵によるものですどうしてもここへ来たかったので良かった当時の生活のことがよくわかりました私が思っていた以上に多くの演奏会が開かれていたことに驚きです当時の資料も買いましたけど当時の印刷技術とかすごいなと思いました音楽好きとしては当時プログラムを印刷したクリアファイルのお土産も良かったです
  • 歴史
    5.0 投稿日 : 2019.11.11
    鳴門にドイツの捕虜の人がいたことは知っているけれど、詳しくしりませんでした。勉強になります。当時のことがよくわかります。
  • もっとメジャーになって欲しい
    5.0 投稿日 : 2019.10.23
    バルトの楽園(がくえん)という松平健主演の映画をビデオで観てから行ったので、バックグラウンドが良く分かりました。こんなに人道的な人がいたんだと感動!

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アクセス

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