大江教会

教会

丘の上に建てられた白壁が印象的なロマネスク様式の教会

﨑津教会がある港町から車を5、6分走らせると、丘の上に真っ白な大江教会(おおえきょうかい)の建物が見えてくる。周辺の集落を見守るような姿のこの教会には、どこか南国の明るさのようなものも感じられた。

緑によく映える大江教会の白亜の建物} 緑によく映える大江教会の白亜の建物

南国の植物に囲まれて

大江教会は丘の上に建っていて、遠くからでもよく目立つ。白亜の建物はすがすがしさを感じさせるほど。﨑津教会が町並みのなかにひっそりと溶け込んでいるかのような姿であるのに対し、大江教会はその明るさが印象的だ。丘を上がり教会に近づくと、さらに明るさの印象が強くなった。教会を取り囲むソテツやヤシなど南国の木々や草花は、建物の白さを際立たせている。ロマネスク様式の建物そのものも、しゃれた造りに感じられる。丘の上からは、集落の景色と緑の濃い山並みを一望できる。この立地も﨑津教会とは対照的だ。だが、﨑津教会と大江教会は深い関係にある。現在、司祭は兼任しているが、実は1892年(明治25)に大江教会に司祭として赴任したガルニエ神父も、1927年(昭和2)にハルブ神父が﨑津教会に赴任するまで、両教会の司祭を兼任していた。

大江教会の周りは南国の植物に囲まれている} 大江教会の周りは南国の植物に囲まれている

大江の集落は世界遺産に登録されてはいないが、﨑津集落同様に潜伏キリシタンにとって重要な場所だったとされている} 大江の集落は世界遺産に登録されてはいないが、﨑津集落同様に潜伏キリシタンにとって重要な場所だったとされている

天草弁を話したガルニエ神父

ところで、このガルニエ神父という人物は気さくな人だったらしい。信者たちと天草弁で話し、説教も天草弁だったという。フランスで生まれ、1885年(明治18)、25歳で来日したガルニエ神父は、京都で日本語を学び、その後長崎でいくつかの教会に赴任し、1892年(明治25)、32歳のときに大江教会に司祭として赴任。1941年(昭和16)、82歳で亡くなるまで、天草で質素な生活を続けた。「ぜいたくしたら人は救えない」が口癖だったとされる。貧しかった天草の信者たちと同じものを食べ、つぎはぎの司祭服を着ていたという。信者たちからは「パアテルさん」と呼ばれ、慕われていた。「パアテル(Pater)」とは神父のことだ。

入り口の扉周りのステンドグラス。こちらも明るく彩られている} 入り口の扉周りのステンドグラス。こちらも明るく彩られている

ステンドグラスにもガルニエ神父の気さくな人柄が反映されているのだろうか} ステンドグラスにもガルニエ神父の気さくな人柄が反映されているのだろうか

ガルニエ神父に会いにきた5人

1907年(明治40)の夏、「パアテルさん」ことガルニエ神父に会いにきた人物たちがいる。雑誌『明星』に集った若き詩人、北原白秋、平野萬里、太田正雄(木下杢太郎)、吉井勇の4人と与謝野寛(鉄幹)だ。彼らは九州を旅し、「五人づれ」の署名で旅先から東京の新聞に紀行文を送っていた。現在、岩波文庫の『五足の靴』(五人づれ著)で読むことができる。5人が大江教会を訪ねると、「パアテルさん」が出てきて慇懃に彼らを迎えた。飯炊男の茂助とともに住んでいた「パアテルさん」は、茂助に「『水を汲(くん)で来なしゃれ』と飯炊男に水を汲んで来させ、それから『上にお上がりまっせ』と懇(ねんご)ろに勧め」(『五足の靴』)、いろいろな話を5人にしてくれたという。「パアテルさん」についての文章は短いものの、その人柄がよく伝わってくる。なお、大江教会も祈りの場であることは﨑津教会と同じ。拝観のマナーにはくれぐれも注意したい。

スポット詳細

住所
熊本県天草市天草町大江1782 map map 地図
エリア
天草エリア
電話番号
0969222243
時間
9:00-17:00
休業日
無休
※教会行事やミサなどが行われる際は、臨時休館する場合があります。
料金
無料
駐車場
あり(10台)
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
不可
Wi-Fi
なし
コンセント口
なし
喫煙
不可
平均予算
【昼】10,000円以上
滞在目安時間
0-30分
車椅子での入店
可(教会の敷地は斜面なので同伴者がいれば可能、天主堂内へのスロープは無し)
乳幼児の入店
ペットの入店
不可
備考
※電話番号は天草宝島観光協会に繋がります。
※カーナビで検索する場合には住所検索をご利用ください

情報提供: ナビタイムジャパン

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アクセス

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最寄り

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