天使の聖母 トラピスチヌ修道院

教会

日本初の女子観想修道院で、おごそかな空気に触れよう

トラピスチヌ修道院は「修道院はすべての人の祈りの家である」という考えのもと、来訪者の祈りの場として小聖堂が設けられている。旅の途中、ゆっくり自分に向き合う時間を過ごしてみては?

手前が司祭館。中央の丸くなった場所が聖堂。修道院の中心となる場だ} 手前が司祭館。中央の丸くなった場所が聖堂。修道院の中心となる場だ

日本で最初の女子観想修道院として誕生

トラピスチヌ修道院の停留所でバスを降り、そのまま進行方向に歩いていくとすぐに、レンガ造りの美しいアーチが見えてくる。ここが修道院の入り口だ。前庭や資料館は訪問客に開放されている。門をくぐると、大天使の聖ミカエル像が迎えてくれる。奥に見える大きなレンガの建物が修道院だ。「天使園」と呼ばれるトラピスチヌ修道院は、1898年(明治31)に創立された日本初の女子観想修道院。修道院は「世の生き方」から離れ、神の価値観や愛を学ぶ場である。

門の近くに見学時の注意事項が書かれた看板がある。確認してから入ろう} 門の近くに見学時の注意事項が書かれた看板がある。確認してから入ろう

神の招きに応えた修道女が明治期より暮らす

トラピスチヌ修道院は、祈りと労働を主要な手段として神々と人に奉仕する「厳律シトー修道会」に所属する。今では世界遺産として知られるフランスのシトーだが、かつては荒地だった。その荒地でシトー修道会は創立された。「トラピスチヌ」の名は、修道会の改革の中心となった、ラ・トラップというフランスの修道院に由来する。北海道にキリスト教を伝えようとしていたベルリオーズ函館司教は「日夜祈りに励み、労働の尊さを世に証(あか)しするシトー修道会の精神的な援助が必要だ」と考え、シトー会総会やフランスの各修道院に修道女の派遣を依頼する手紙を送った。それに応え、フランスのウプシー修道院からやって来た8名の修道女によって修道院は設立された。

フランスから贈られた聖ミカエル像。さらに奥には聖母マリア像がある} フランスから贈られた聖ミカエル像。さらに奥には聖母マリア像がある

トラピスチヌ修道院で見学できるのは……

ここは敬虔な祈りの場である。まずはそのことをしっかりと心に留めて、静かに見学しよう。入って左手には「旅人の聖堂」があり、誰もが祈りを捧げることができる。そこから階段状になった順路に沿って庭園を進もう。岩場にいるマリア像は「ルルドの泉」。1858年(安政5)、フランスのルルド地方にある洞窟で、少女の前に聖母マリアが現れた。そして病を治す奇跡の泉を示したという。ここのルルドの泉も、このエピソードになぞらえたものである。さらに階段を上がると、修道院の外壁だけが見える。この奥では、修道女が日々祈りを捧げている

紀元2000年(平成12)の「大聖年」を記念して建てられた12角形の「旅人の聖堂」} 紀元2000年(平成12)の「大聖年」を記念して建てられた12角形の「旅人の聖堂」

ルルドの泉を発見した少女ベルナデッタは、1933年(昭和8)に聖人の位に上げられた} ルルドの泉を発見した少女ベルナデッタは、1933年(昭和8)に聖人の位に上げられた

「おいしい」と評判のマダレナをお土産に

出入り口近く「旅人の聖堂」のちょうど反対側に、資料館と売店がある。資料館ではふだんは決して見ることのできない、修道院での生活が写真やパネルで紹介されている。美しく整えられた中庭や礼拝堂の写真はぜひ見ておこう。売店では、修道院で手作りされたホワイトチョコレートやジャムが並ぶ。とりわけ有名なのが「マダレナ」だ。修道院創立当初から変わらないレシピで作られるマドレーヌで、食品添加物不使用。とてもやさしい味がする。手作りのロザリオやペンダントは繊細な仕事が光り、ここでしか買えない特別なものだ。トラピスチヌ修道院へは、函館空港や函館駅からバスでアクセス可能。函館空港にも近いので、遠方からの来訪であれば、空港への行き帰りに合わせて立ち寄ると良いだろう。

正面にあるのは、中国、北京から贈られた祭壇だ。1968年(昭和43)まで修道院の聖堂で使われていた} 正面にあるのは、中国、北京から贈られた祭壇だ。1968年(昭和43)まで修道院の聖堂で使われていた

写真のロザリオのほかに、ビーズで編まれたアクセサリーなども販売している} 写真のロザリオのほかに、ビーズで編まれたアクセサリーなども販売している

スポット詳細

住所
北海道函館市上湯川町346 map map 地図
エリア
函館エリア
電話番号
0138573331
時間
【売店・資料館】
[3・4・10・11月]8:30-16:30
[5-9月]8:30-17:00
[12-2月]9:00-16:00
休業日
年末年始(12/29-1/3)
料金
[入場料]無料
駐車場
なし
※市民の森駐車場(有料、徒歩3分)
クレジットカード
電子マネー/スマートフォン決済
可(※一部利用できないものあり)
Wi-Fi
なし
コンセント口
なし
喫煙
不可

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 自給自足生活してます。
    5.0 投稿日 : 2023.05.05
    函館空港に着いて、ツアーバスに乗って15分ほどで着きました。日本初の女子修道院で、60人-70人ほどの修道女が、祈りと労働をしています。起床が3:30就寝が19:45と早寝早起きの、自給自足生活をしています。桜が大変美しかったです。
  • 「マダレナ」は既に完売。残念だった。
    4.0 投稿日 : 2023.04.25
    明治31年、フランスのウプシー修道院から派遣された8人の修道女によって創立された、厳律シトー会の女子修道院が、函館市郊外にある天使の聖母トラピスチヌ修道院。トラピスチヌ修道院と通称され、マダレナ(ケーキ)やクッキーが有名ですが、現在も70人ほどの修道女が朝3:30に起床。夜19:45就床という厳格な生活を営んでいます。聖堂の内部の見学はもちろんできませんが、前庭から建物外観や、修道院の歴史を紹介す...
  • 静寂の空間
    4.0 投稿日 : 2022.09.03
    函館市街地から少し離れていますが、空港行きのシャトルバスで修道院入口の目の前まで行くことができます。敷地内では静寂の空間が拡がり、厳かな雰囲気です。建物の中には入れませんが、手入れの行き届いた庭を歩くだけでも心が洗われます。桜の季節はとても綺麗だそうなので、機会があればまた足を運びたいと思います。

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アクセス

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