巾着田

その他の花の名所

清流の風景と季節の花々を楽しむ。秋は彼岸花が見事

埼玉県日高市にある巾着田(きんちゃくだ)は、日本最大級の彼岸花の群生地として知られる。豊かな自然のなかに雑木林や散策路、花畑などが整備され、近隣の人々の憩いの場として親しまれている。

曼珠沙華(まんじゅしゃげ)とも呼ばれる彼岸花。約500万本が高麗川(こまがわ)の岸辺を真っ赤に染める} 曼珠沙華(まんじゅしゃげ)とも呼ばれる彼岸花。約500万本が高麗川(こまがわ)の岸辺を真っ赤に染める

高麗川の流れがつくり出した巨大な巾着

日高市内を流れる高麗川が円を描くように大きく蛇行した内側の平たい土地が巾着田だ。直径約500m、面積は約22万平方メートル。昔はすべて水田だったが、現在はごく一部が残っているのみで、ほとんどは休耕田となっている。形が巾着に似ていることから、この名で呼ばれるようになった。近くにそびえる日和田山(ひわださん)に登ると、その全容を見渡すことができる。ところで、日高市では高麗という地名や名称をよく目にするが、これは古代朝鮮半島を支配した王国、高句麗(こうくり)と歴史的に深いかかわりがあったことを表している。日本では高句麗のことを高麗と呼び、朝鮮半島から渡来した高麗人(こまびと)も暮らしていた。716年(霊亀2)、大和朝廷は武蔵国に高麗郡をおき、東国7国の高麗人1799人を移住させた。高麗郡の郡司を命ぜられた高句麗の王族・若光(じゃっこう)は、土地を開拓して産業を興すなど、人々の生活を安定させたという。

日和田山から見た巾着田の全景。巾着のような形がよくわかる} 日和田山から見た巾着田の全景。巾着のような形がよくわかる

緑に覆われた巾着田。その向こうにそびえるのが日和田山} 緑に覆われた巾着田。その向こうにそびえるのが日和田山

秋の彼岸花をはじめ、季節を彩る花の風景

巾着田は秋に咲く彼岸花が有名。高麗川に沿って広がる林に約500万本もの彼岸花が咲き乱れ、まるで真っ赤な絨毯を敷きつめたかのような光景は圧巻のひと言。例年9月中旬から10月上旬まで「曼珠沙華まつり」が開催され、屋台も出て大勢の人々で賑わう。巾着田の彼岸花は、植栽したものではなく、自然に生えてきたもの。昭和40年代後半、当時の日高町が用地を取得して竹林やアシに覆われた土地を整地したところ、9月に彼岸花がいっせいに花開き、注目を集めるようになった。春は桜と菜の花、初夏にはガクアジサイ、夏はキツネノカミソリ、秋はコスモスなど、季節の花々が迎えてくれる。夏は木々の緑が目に涼しく、川原でピクニックや水遊びを楽しむ人々の姿も。また野鳥観察ポイントとしても知られ、カワセミをはじめ珍しい野鳥にも出合える。

6月から7月にかけては遊歩道に沿って咲くガクアジサイがきれい} 6月から7月にかけては遊歩道に沿って咲くガクアジサイがきれい

高麗川に架かるドレミファ橋。夏は川遊びを楽しむ親子連れなどで賑わう} 高麗川に架かるドレミファ橋。夏は川遊びを楽しむ親子連れなどで賑わう

約3.4万平方メートルにわたって彼岸花の赤い絨毯が続く。見頃は公式サイトでチェックしよう} 約3.4万平方メートルにわたって彼岸花の赤い絨毯が続く。見頃は公式サイトでチェックしよう

日高市のシンボル、日和田山から巾着田を望む

巾着田を訪れたら、日和田山ハイキングも楽しんでみたい。巾着田の入り口から登山口へは徒歩10分ほど。山道はすべりやすいところもあるので、スニーカーなど歩きやすい靴で行こう。登山口から10分ほど歩き、金刀比羅(ことひら)神社の一の鳥居をくぐると、道がふた手に分かれている。右は女坂、左は男坂へ。男坂はロッククライミングさながらの岩場や急坂が続くので、体力に自信がない人はゆるやかな女坂を進もう。どちらを行っても20分ほどで二の鳥居に到着する。神社の前に立つと視界が開け、高麗川の流れに抱かれた巾着田を一望できる。さらに日高と飯能(はんのう)の市街をはじめ、天気がよければ新宿の高層ビル群や東京スカイツリー、さいたま新都心から富士山まで広がる大パノラマを楽しめる。景色を眺めるならここで十分だが、余力があれば神社から10分ほど登ると標高305mの山頂に至る。

女坂と男坂を示す標識。行きと帰りで異なるルートをとるのもおすすめ} 女坂と男坂を示す標識。行きと帰りで異なるルートをとるのもおすすめ

二の鳥居が立つ金刀比羅神社前は、巾着田を見下ろす絶好の展望台} 二の鳥居が立つ金刀比羅神社前は、巾着田を見下ろす絶好の展望台

スポット詳細

住所
埼玉県日高市高麗本郷125-2(巾着田管理事務所) map map 地図
エリア
西部エリア
電話番号
0429820268
時間
8:00-17:00
休業日
年末年始(12/29-1/3)
駐車場
あり

情報提供: ナビタイムジャパン

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