有田ポーセリンパーク

18世紀に建てられた現存するドイツの宮殿を模した建造物

テーマパークの顔はドイツの宮殿を模した壮麗な建物

有田ポーセリンパークのシンボルはドイツ・ドレスデンのツヴィンガー宮殿を模した建築物だ。スケールも大きく、装飾の細かなところまで再現され、その姿は訪れる者を圧倒する。名称になっているポーセリンとは英語で磁器のこと。ヨーロッパ風の公園には、有田焼の里にふさわしく磁器をテーマにした有田焼のギャラリーをはじめ、食事やショッピングの施設もあり、有田の魅力が存分に味わえるようになっている。波佐見(はさみ)有田ICから車で3分。有田市内に向かう県道沿いの丘陵地にあり、敷地に隣接する酒蔵の見学や有田焼工房での陶芸体験も人気だ。※店舗により休業あり

宮殿前に広がる伝統的なヨーロッパ風の庭園

有田とドイツとの300年に及ぶ文化交流

焼きものの里にドイツの宮殿を模した巨大建物を中心とした公園を造る計画は、1970年(昭和45)までさかのぼる。有田の人たちは、有田焼の歴史を調べるうちに、当時、東ドイツだったドレスデン博物館が古伊万里や柿右衛門様式の有田焼の膨大なコレクションを所蔵していることを知った。17世紀、オランダの東インド会社は盛んに有田磁器をヨーロッパに輸送、当時の王室や貴族の間で大流行した。有田焼を通じて日本とヨーロッパの交流の歴史を知るため、有田の人たちは渡欧を試みるが、冷戦下の共産主義国であった東ドイツとの交流には高いハードルがあった。それでも有田町は地道な活動を続け、1975年(昭和50)にはドレスデン博物館秘蔵の有田磁器の展覧会開催に成功。1979年(昭和54)にはドレスデンと姉妹都市となり、有田ポーセリンパークの構想が実現した。

庭園を散策しながら上質なひとときを

ここだけはぜひ見ておきたい

ツヴィンガー宮殿の右ウイングには、江戸から明治の最盛期にいたる、有田焼や古伊万里、柿右衛門様式などの銘品が展示されている。17世紀以降、ヨーロッパの王侯貴族に愛された有田焼は、世界の陶磁器に影響を与えたという輝かしい歴史がある。展示品のうちひときわ目をひく大花びんは、400年に及ぶ有田焼の歴史のハイライト。高さ182cm、明治時代にウィーン万博で展示されたものだ。その華麗な装飾と迫力あるサイズ感のおかげで、「有田焼」の名が世界中に広まった。宮殿の中央入り口を通り抜けると、広大なバロック庭園が広がる。クラシカルなヨーロッパ様式の庭園を再現しており、シンプルなデザインが特徴だ。ここでゆったりした時間を過ごすことができる。

日本にいるのを忘れてしまいそうな宮殿の景色

食事や買い物も楽しめる有田の定番スポット

パーク内には、季節に応じた料理を楽しめるバイキング形式の山海酒房「のんのこ」や、蔵元が運営する地元の食材とお酒を提供する和食処・旬鮮酒房「蔵」がある。郷土料理から和食メニューまで豊富にそろっていて、地酒とのペアリングを楽しめる。また、土産店では有田焼をはじめ九州各地の特産品や銘菓を販売。隣接する宗政酒造では酒の試飲もできる。有田の高級陶磁器メーカー・香蘭社のギャラリーショップもぜひ訪れたい。食器や花器、雑貨まで、生活を豊かにする陶磁器を展示・販売している。また、有田焼工房では、絵付けのほか手びねりやろくろといった、初心者も気軽に参加できる陶芸体験も実施する。スタッフのサポートを受けながら、旅の思い出に手びねりやろくろでオリジナルの有田焼を作ってみよう。※店舗により休業あり

隣接する宗政酒造の「有田蔵」は予約制で見学可能

蔵元見学と合わせてパーク内の土産店で試飲も楽しめる

有田焼をはじめ九州の土産物がそろうパーク内のショップ