勧修寺

寺院

閑雅なる貴族庭園に王朝の優美を感じる山科の古刹

醍醐天皇ゆかりの古寺で、高い格式をもつ門跡寺院。江戸時代初期の復興に際して賜った、明正天皇の御殿が典雅な雰囲気を醸し出す。「氷室の池」を中心とする庭園は、平安時代の雅を今に伝え、四季折々の風景が美しい。

山の緑を背景にして建つ瀟洒な観音堂} 山の緑を背景にして建つ瀟洒な観音堂

平安の歴史が息づく皇室ゆかりの古刹

地下鉄東西線の小野駅から西へ向かい、山科川に架かる勧修寺橋を渡ってさらに西へ進むと、勧修寺の駐車場に行き当たる。そこから続く長い白壁の築地塀に沿って歩いてゆけば、入り口となる山門が現れる。駅から歩いて約10分の道のりだ。真言宗山階(やましな)派の大本山で、900年(昌泰3)に第60代・醍醐天皇が母・藤原胤子(ふじわらのいんし)の供養のため、宮道弥益(みやじのいやます)の邸宅をお寺にあらためて創建したという。兵火で衰退するが皇室や徳川家からの援助で再興、鎌倉時代から代々法親王が住職を務める門跡寺院として長い歴史を刻んできた。移ろいゆく季節に合わせて咲く花々が、優美に彩る名勝の庭園も散策できる。

白壁が続く道。春には桜が美しい} 白壁が続く道。春には桜が美しい

天皇の旧御殿と徳川家からの贈りもの

山門を入り、拝観受付をして隣の中門をくぐると、右手には端正な姿の宸殿がたたずんでいる。隣接する書院とともに1697年(元禄10)に第109代・明正天皇の御殿が移築されたもので、王朝の品格を漂わせている。書院前の平庭には、徳川家から寄進された貝型手水鉢の「半月水盤」が配されており、かつて書院の天井や障子に、月姿を映して楽しんだというから風流だ。また、水戸光圀の寄進と伝わる「勧修寺型灯籠」も必見。大きな笠が特徴的で、雪見型灯籠をアレンジして創作されたものだとか。

門に設置されているボタンを押すと、お寺の音声案内を聞くことができる} 門に設置されているボタンを押すと、お寺の音声案内を聞くことができる

優美なたたずまいの宸殿。正面に「明正殿」の額が掲げられている} 優美なたたずまいの宸殿。正面に「明正殿」の額が掲げられている

眠る龍のような古木に咲く可憐な白梅

書院前の樹木にも注目したい。手水鉢のそばで横たわるのは「臥竜(がりゅう)の老梅」。京都御所から移植された樹齢約300年の白梅だ。親木の根から子と孫が生え、親と子は枯れてしまったが、孫は今も凛とした花を咲かせる珍しいもの。「勧修寺型灯籠」に覆いかぶさるように枝を広げる低木の偃柏槙(はいびゃくしん)は樹齢約750年。一面すべて1本の木だという。境内いちばん奥の本堂は、第112代・霊元天皇の旧殿であり、安置される本尊は、醍醐天皇の等身大といわれる千手観音菩薩立像だ。続いて五大堂、そして観音菩薩を祀る観音堂へ。さらに、京都で最も古いとされ、平安時代に造られたという「氷室(ひむろ)の池」へと向かおう。

「勧修寺型灯籠」は水戸光圀の寄進。「偃柏槙(はいびゃくしん)」は常緑で冬でも青々と美しい} 「勧修寺型灯籠」は水戸光圀の寄進。「偃柏槙(はいびゃくしん)」は常緑で冬でも青々と美しい

平安の雅が香る池のほとりを散策

勧修寺の庭園は、平安の貴族趣味の面影を残すとして「典雅の極致(てんがのきょくち)」と称されるほど。その中心になるのが「氷室の池」で、平安時代には貴族たちが舟遊びに興じたとも。毎年正月になると池に張った氷が宮中に運ばれ、その厚さによってその年の五穀の豊凶を占ったということから、「氷室の池」と呼ばれるようになったという。池のほとりが最も華やぐのがハナショウブやスイレンの咲き誇る季節だが、四季を通じて優美な景色を楽しむことができ、時折羽を休める水鳥の姿も見られる。勧修寺の東方向には平安の歌人、小野小町の伝説が残る隨心院もあるので、合わせて訪ねてみたい。

「大悲閣(だいひかく)」とも呼ばれる観音堂} 「大悲閣(だいひかく)」とも呼ばれる観音堂

バードウォッチングの名所でもある氷室の池} バードウォッチングの名所でもある氷室の池

スポット詳細

住所
京都府京都市山科区勧修寺仁王堂町27-6 map map 地図
電話番号
0755710048
時間
9:00-16:00
休業日
無休
料金
[拝観料]大人400円、小中学生200円
駐車場
あり(30台)
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
不可
Wi-Fi
なし
コンセント口
なし
喫煙
不可
英語メニュー
あり(パンフレットのみ)
滞在目安時間
0-30分
車椅子での入店
乳幼児の入店
ペットの入店
不可
備考
※庭園内飲食は不可です。

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 四季を通して絵になる庭園
    4.0 投稿日 : 2022.05.21
    醍醐天皇が生母のために創建した平安時代からの古刹です。皇室や藤原氏との縁が深く、門跡寺院として繁栄したことから、通称「山科門跡」。境内の半分程を占有し、京都一の古池と言われる氷室池を中心とした池泉回遊式庭園は、季節の花々に彩られることで知られています。訪問時は桜や藤も終わり、菖蒲の見頃には少々早く、カキツバタや睡蓮がポツポツと言ったところでしたが、時折、ギャーと大きな声で鳴く子育て中のアオサ...
  • 桜に包まれた観音堂
    5.0 投稿日 : 2020.04.15
    市内の中心部から離れているので、静かに散策できるお寺です。桜に包まれた観音堂はとても美しく雅やかで、門跡寺院ならではの格調高さを味わえる景観でした。御朱印は隣の佛光院でいただくことができて、季節限定の御朱印がありました。
  • 観音堂と桜を見にいきました
    3.0 投稿日 : 2020.04.08
    四季折々の花が楽しめる「勧修寺」。桜と「観音堂」の景色が見たくて初めて行きました。小野駅から徒歩10分弱の所にあります。行くとまず目に飛び込んでくるのが真っ白な塀と桜の絶景に大興奮!満開の桜と塀、そして、反対側には満開の枝垂れ桜の光景はまさに春真っ盛りの景色でした。拝観料は400円かかりますが、御朱印は別場所で頂けるので拝観料払わずに御朱印を頂けることが出来ます。私は「観音堂」と桜...

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アクセス

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最寄り

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