錦天満宮

ずらりと並ぶ提灯。夕暮れどきからはいっそう幻想的な雰囲気に

街なかにある「錦の天神さん」

錦天満宮は、錦市場で有名な錦小路通の東の突き当たりにあたる新京極通に位置する。この辺りは観光客や地元の人でいつも賑わうエリア。錦天満宮は、そんな商店街に溶け込むようにたたずみ、地元の人たちからは「錦の天神さん」として親しまれている。天満宮の名のとおり、祀るのは菅原道真公。平安時代に学者や政治家として活躍した人物だ。

道真公を祀る本殿。唐破風の屋根が印象的だ

全国の天満宮のなかでも由緒ある神社

錦天満宮は、道真公の父である菅原是善(これよし)の旧邸・菅原院と深く関わっていることから、道真公を祀る天満宮のなかで由緒の深い25社を選んだ「菅公聖蹟二十五拝(かんこうせいせきにじゅうごはい)」の第2番に位置づけられている。菅原院は、菅公亡きあと歓喜寺となるが、六条河原院への移転や神仏分離の歴史のなかで「歓喜光寺」と「天満宮」に分かれ、以来、錦天満宮として現在の地で親しまれてきた。

道真公ゆかりのご利益がいっぱい！

境内には、道真公ゆかりの牛や梅にまつわるご利益がたくさん。門をくぐればすぐ右手には、「撫で牛」が横たわっている。勤勉・慈愛・健康の象徴であり、なでればご利益があるとされる。

道真公は丑年生まれであるなど、牛とゆかりが深い

境内の奥では、木々に丸いお守りのようなものが結ばれていることに気がつく。これは「大願梅」と呼ばれるもので、願い紙に願い事を記して大願梅の中に入れて木栓で封じ、境内の「大願梅の樹」に結んで奉納するか、持ち帰れば、願いが叶うとされるもの。ご奉納した大願梅は、月次祭でお焚き上げをしてもらえる。

まるで梅の実がなっているかのような大願梅の樹

気軽に楽しくお参りができる

境内には、良質な名水として知られる「錦の水」があり、割烹や喫茶店等の周辺のお店や地元の人が毎朝汲みにくるのだとか。また、からくりおみくじや紙芝居ロボットなど、ユニークな仕掛けで参拝者を楽しませてくれる工夫が散りばめられている。これはもともとエンジニアであった大和政夫宮司の手づくりなのだそう。安産の神様である塩竈神社や、子授けのご利益である白太夫神社、商売繁盛のご利益として信仰を集める日之出稲荷神社など、摂社や末社のお参りもお忘れなく。

錦の水はまろやかな味わいと評判

ボタンを押すと動き出す紙芝居ロボット。錦天満宮の歴史をわかりやすく学べる

鳥居の形が珍しい日之出稲荷神社