詩仙堂
閑雅なる洛北の庭園に、「鹿おどし」の音が響き渡る
文化人に好まれた静かな山麓の地へ
「えいでん」の通称で知られる叡山電鉄の一乗寺駅で下車、曼殊院道(まんしゅいんみち)を東へ約15分歩いたところに詩仙堂はある。道は山に向かって次第に上り坂となり、青々とした「一乗寺下(さが)り松」を越えて進んでゆけば、右手に山門の「小有洞(しょうゆうどう)」が迎えてくれる。ひっそりとしたたたずまいの門をくぐるとすぐ石段があり、生い茂る竹が覆う参道は、まるで幽玄の世界へと誘ってくれるかのよう。石段を上がり、石畳の小路をゆくと次の門「老梅関(ろうばいかん)」へたどり着く。門を入り、瀟洒なたたずまいの詩仙堂の玄関口を上がったところが拝観受付だ。
文人に転身した丈山の風雅な草庵
正式には詩仙堂丈山(じょうざん)寺といい、1966年(昭和41)に曹洞宗の寺院となった。馬郎婦(めろうふ)観音を本尊として祀る。ここは、江戸時代初期に文人の石川丈山が隠居所とした山荘であった。徳川家康の家臣として活躍した丈山だが、大坂夏の陣を境に武士を辞め、文化人として四季の風情を楽しむ生活を始める。現在地を隠棲の地に定めたのは、1641年(寛永18)のことだ。山麓のでこぼことした土地に立つ庵であることから、「凹凸窠(おうとつか)」といわれた。丈山が選んだ中国の詩人、36人の肖像画を狩野探幽が描き、そこに丈山みずからも各詩人の詩を書いて掲げたのが「詩仙堂(詩仙の間)」。この一室の名が寺名の由来となる。
白砂と植栽が織りなす風雅な庭園
開け放たれた書院の前には、丈山好みという唐様(からよう)庭園が広がっている。丸く刈り込まれたサツキが白砂を囲むようにしてあり、すぐ奥の渓谷にはカエデが林立している。凹凸の地形から、書院から眺めるカエデは目の高さにあり、山麓の景色に溶け込んでいる。庭は創建当時のままではなくとも、丈山の美意識が今も漂う名園だ。時折、静寂を破るかのように聞こえる「コーン」という音は、庭園に設けられた「鹿(しし)おどし」(僧都(そうず)とも)。田畑に侵入する鹿や猪を脅かすためのもので、丈山がこの庭園に配したという。
歩いて体感する凹凸の地形
書院の隣が詩仙の間で、続く縁側から庭園に下りて凹凸の地の庭園を散策することができる。3段に分かれた庭は石段でつながり、山からの清水が流れる場所に「鹿おどし」がある。庭から見上げる瀟洒な詩仙堂も美しい。春のサツキや秋の紅葉でよく知られるが、国の史跡に指定される境内には季節ごとに美しく花が咲き誇り、いつ訪れても違った表情を楽しむことができる。儒学を修め、禅を学び、詩や書に親しみ、庭も作るという多彩な才能を発揮した丈山。この世を去るまで過ごしたこの洛北の詩仙堂で、江戸初期の文人に思いを馳せたい。また、すぐ東隣には八大神社が、近くには金福寺、圓光寺などが点在するので、散策しながらのお参りも楽しい。
スポット詳細
- 住所
- 京都府京都市左京区一乗寺門口町27 地図
- エリア
- 一乗寺・修学院エリア
- 電話番号
- 0757812954
- 時間
- 9:00-17:00(最終受付16:45)
- 休業日
- 5/23
- 料金
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【拝観料】
[大人]500円
[高校生]400円
[小中学生]200円 - 駐車場
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なし
※近隣有料駐車場あり - クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- なし
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 英語メニュー
- あり(その他、中国語・韓国語あり)
- 滞在目安時間
- 0-30分
情報提供: ナビタイムジャパン
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クチコミ
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- [詩仙堂]の美しさは 建物と庭園の組み合わせで 美しさを感じさせてくれていること実感しました
- 2023年5月23日参詣時 こちらの入口に 当日は[丈山忌法要の為 庭園の拝観のみ]となっており 建物内部への出入りは不可、庭園を散策するも 庭園内の石段の下から 上への登段出来ずの状態でした(こちらのホームペーシを閲覧すると 5月19日付で5月23日は庭園のみとのお知らせが掲載されていました)。庭園のみの鑑賞なので 拝観料は無料でしたが[詩仙堂]の美しさは 建物と庭園の組み合わせで 美しさを...
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- 僧都の音が一層静けさを引き立てていました
- 一乗寺にある寺院です。元々は寺院では無く、隠棲した武士が江戸時代に住居として建てたものです。周囲には詩仙堂や金福寺、宮本武蔵とゆかりの深い八大神社や一乗寺下り松もありますので、セットで訪問されると良いと思います。一乗寺地区では圓光寺と並んで紅葉の名所として知られる場所ですが、今回は雪景色を見てみようと思い訪ねました。紅葉の時期とは違って人気も無く、ひっそりとした詩仙堂は雪景色の所為もあって、清冽...
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- 圓光寺の近くです
- 美しい紅葉で有名な圓光寺を訪問するため、1時間500円の近くの駐車場に車を停車しました。その時に情緒ある門が目に入りました。それが詩仙堂の入口でした。時間が無くて中に入れませんでしたが、門の向こうに石の階段が伸びている様が神秘的でした。次回は庭を見学したいです。
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