橋杭岩

太古の昔に形作られた唯一無二の奇岩群に圧倒される

串本から沖合の紀伊大島にかけて、約850mにわたり連なる大小40もの奇岩群。火成活動と波による侵食がつくり上げたダイナミックな景観は古くから見る者をひきつけ、弘法大師(空海)にまつわる伝説を生むことにもなった。

紀伊大島を借景に、天に向かって立ち並ぶ橋杭岩} 紀伊大島を借景に、天に向かって立ち並ぶ橋杭岩

マグマと黒潮が生み出した造形美

本州最南端の潮岬(しおのみさき)から那智勝浦・新宮方面へ車を15分ほど走らせると、否が応でも目を奪われる不思議な光景が展開する。海に向かって、柱のような岩が直線状に規則正しく林立するその景勝地は、まるで橋の杭を思わせることから、橋杭岩と名づけられた。起源はおよそ1500年前。地下から上昇したマグマが、熊野層群と呼ばれる砂や泥でできた地層に貫入、冷えて固まったあとにやわらかい泥岩部が黒潮により侵食され、硬い火成岩が残ったことで現在の形になったという。

ほかにない奇石の数々は、見ていて飽きない} ほかにない奇石の数々は、見ていて飽きない

干潮を狙って訪ねれば、より近くから楽しめる

干潮時であれば、橋杭岩のちょうどなかほどに位置し、蛭子大明神が祀られている弁天島まで徒歩で渡ることができる。その道すがら、岩の列から大きくはずれた位置に散らばる巨石が目に入るはずだ。これらは、1707年(宝永4)の宝永地震による津波で動いたものと推定されており、その証拠として1700年代に死滅した生物の化石が表面に付着していることが確認されている。大自然のエネルギーを間近に体感できるのも、橋杭岩散策の醍醐味のひとつだろう。

近くで見て、触れて、橋杭岩を体験しよう} 近くで見て、触れて、橋杭岩を体験しよう

弘法大師伝説が息づく文化的な側面も

国の天然記念物にも指定される橋杭岩は、同時に文化的な横顔を合わせもつ。なかでも有名なのが、橋杭岩は弘法大師が橋を架けようとした名残だとする伝説だ。その昔、天邪鬼と旅をしていた大師は、串本から対岸の紀伊大島まで、ひと晩のうちに橋を架けられるか競おうと持ちかけられる。誘いに乗った大師は早々と橋の杭を完成させるが、これを見て旗色が悪くなったと感じた天邪鬼は、鶏の鳴きまねで対抗。朝が来たと勘違いさせ、大師が勝負をあきらめた結果が、現在の橋杭岩だというのだ。ほかに類を見ない奇勝は、見る人の想像力をもかき立てたのである。

岩が美しく列をなす姿は、確かに橋のようにも見える} 岩が美しく列をなす姿は、確かに橋のようにも見える

本州最南端の道の駅が憩いの場に

橋杭岩のたもとには、本州最南端の道の駅「くしもと橋杭岩」があり、ロングドライブが続きがちな紀南エリアの補給地としての機能を果たしている。軽い食事や地場産品の購入はもちろん、館内には串本の見どころを紹介するギャラリーも。展望デッキからは橋杭岩の偉容を手に取るように眺められる。岩と岩の間から昇る朝日、そして夕景の美しさでも知られる橋杭岩。広々とした駐車場が完備された環境は、奇岩と太陽とが織りなす束の間の感動を味わうのにもぴったりだ。

道の駅は橋杭岩の目の前。ぜひ立ち寄りたい} 道の駅は橋杭岩の目の前。ぜひ立ち寄りたい

「和歌山県朝日夕陽百選」にも選ばれている} 「和歌山県朝日夕陽百選」にも選ばれている

スポット詳細

住所
和歌山県東牟婁郡串本町橋杭 map map 地図
電話番号
0735625755
時間
[道の駅くしもと橋杭岩]9:00-17:00
駐車場
あり
喫煙
不可
滞在目安時間
30-60分
車椅子での入店
乳幼児の入店

情報提供: ナビタイムジャパン

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アクセス

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最寄り

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