春日大社

神社

神様はシカの背に乗り、この千古の杜、御蓋山(みかさやま)に降り立った

興福寺と猿沢池の間を東西に貫く三条通りは平城京の三条大路にほぼ重なり、表参道でもある。一之鳥居をくぐり、社殿までの約1.3kmは深い緑や鳥の声、シカたちの出迎えに心がなごみ、心が整う道のりとなるだろう。

世界遺産の神社は神聖な森を背景に建つ} 世界遺産の神社は神聖な森を背景に建つ

御蓋山は古より神聖な山

この地の神山である御蓋山に、平城京鎮護のため武甕槌命(たけみかづちのみこと)を常陸国(茨城県)から勧請したのを始まりとする。その際、武甕槌命が白いシカの背に乗りやってきて、この地に降り立ったと伝えられている。その後、768年(神護景雲2)、武甕槌命、経津主命(ふつぬしのみこと)、天児屋根命(あめのこやねのみこと)、比売神(ひめがみ)の4棟の本殿が造営され、祀られた。1200年以上続く3月13日の「春日祭」は、現在も宮中より天皇の勅使が参向され、国家・国民の安泰を祈っている。

二之鳥居と世界遺産の石碑} 二之鳥居と世界遺産の石碑

全国の春日神社の総本社へ

まずは本殿に参拝しよう。本殿は回廊に囲まれており、回廊には釣燈籠が所狭しと下がっている。回廊の南側には朱塗りで2階建ての南門がある。南門をくぐると左手に幣殿(へいでん)・舞殿(ぶでん)が、右手に受付が見える。ここより先に進むには受付にて拝観料を払おう。先に進み、東回廊の影向門(ようごうもん)をくぐり左に進むと、突き当たりに遥拝所(ようはいしょ)がある。ここは御神体である御蓋山に参拝できる神聖な場所だ。次に回廊内に戻り、中門に向かおう。中門の奥には本殿である春日造(かすがづくり)の4棟の社殿が東西に並んでおり、本殿への参拝は中門から行う。参拝を済ませたら、藤浪之屋に向かおう。藤浪之屋では暗闇のなか多数の釣燈籠に明かりが点され、春日大社の一大行事「万燈籠(まんとうろう)」が再現されている。おごそかな雰囲気のなかで幽玄の美を体験しよう。

大杉の緑に壮麗な朱塗りの中門が映える} 大杉の緑に壮麗な朱塗りの中門が映える

技術を伝承していく御造替

春日大社は創建以来、だいたい20年おきに、本殿などを修繕し、新しく造り替える「式年造替(しきねんぞうたい)」を行ってきた。つねに春日大社の社殿は清らかとなり、また古代の建築や工芸技術が次の世代へときちんと継承されることとなる。第60次式年造替は2007年(平成19)に一之鳥居から着工し、9年後の2016年(平成28)の正遷宮にて完了となった。
2021年(令和3)12月は春日若宮おん祭で知られる摂社の若宮で20年に1度の御造替が始まっており、こちらはおよそ1年半の期間を経て2022年(令和4)秋に完了する予定。御造替中の若宮の御祭神、天押雲根命(あめのおしくもねのみこと)様は本殿回廊内の御仮殿(移殿)にいったんお移ししているそうだ。仮住まいが終われば新しい建物にというのは人間だけのことではないようだ。

本殿と同じ春日造の若宮の社殿} 本殿と同じ春日造の若宮の社殿

境内には植物園や国宝殿も

境内案内図を眺めてみると、摂社や末社だけでなくさまざまな施設が配されていることに気がつく。なかでも「萬葉植物園」と「国宝殿」の2か所には、ぜひ訪れてほしい。さまざまな季節に見頃となる樹木や草花が植栽されているだけでなく、『万葉集』に詠まれた植物の本物に触れることができる。また、国宝殿に納められた美麗な宝物は広く深く信仰を集めた証といえる。
さらに社家町である高畑界隈から春日大社の神職が通った道は「禰宜道(ねぎみち)」と呼ばれ、自然のなかを歩く。ほぼ平行して延びる3本の道のうち、特に下の禰宜道は「ささやきの小径」と呼ばれ親しまれている。参道や禰宜道にひょっこり姿を現すシカたちは、今日も多くの人の参拝を待っているだろう。

参道からちらりと見える萬葉植物園} 参道からちらりと見える萬葉植物園

国宝殿の手前のケヤキは奈良公園で最大級} 国宝殿の手前のケヤキは奈良公園で最大級

神の使いはいつものんびりとしている} 神の使いはいつものんびりとしている

スポット詳細

住所
奈良県奈良市春日野町160 map map 地図
電話番号
0742227788
時間
[3月-10月]6:30-17:30
[11月-2月]7:00-17:00
[本殿前特別参拝]9:00-16:00
休業日
年中無休
[御本殿前(特別参拝不可日)]3/8頃-3/13、12/20-1/7、成人の日
料金
【本殿前特別参拝】
[初穂料]500円

【国宝殿】
[一般]500円
[大学生・高校生]300円
[中学生・小学生]200円

【萬葉植物園】
[大人]500円
[小人]250円
駐車場
あり(100台)
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
不可
Wi-Fi
あり(nara free wi-fi)
コンセント口
なし
喫煙
可(駐車場の喫煙スペースでのみ可)
滞在目安時間
30-60分
車椅子での入店
乳幼児の入店

情報提供: ナビタイムジャパン

このスポットを紹介している記事

クチコミ

  • 神主さんがご案内
    5.0 投稿日 : 2023.02.21
    ツアーで、特別拝観しました。神主さんのご案内で、要所要所の説明を聞きながら、じっくり見学しました。個人だと、見て、説明を読んで、ふーーんで終わりですが、詳しい説明を聞きながらなので、その時代のことや裏話なども聞け、楽しくためになりました。
  • 世界遺産 奈良市に行けば必ず行くべき
    4.0 投稿日 : 2023.02.12
    世界遺産。藤原氏の神社。もちろんみんなだいすきな鹿は、たくさんいます。有名武将が寄進した吊り灯篭が見られます。有料ゾーンに入らないと見られません。その他、後醍醐天皇ゆかりの神社や、年末のお祭りがある若宮、などたくさんあります。個人的には国宝館が一番好きです。5月の藤は、萬葉植物園で見られます。
  • 山の中に朱塗りの社殿
    4.0 投稿日 : 2022.12.09
    第2鳥居から歩きましたが、第1鳥居から歩くと1キロ以上も坂道を上ることになり、結構しんどいです。参道の両側には石灯篭が並び、独特の雰囲気です。朱塗りの社殿が美しく、厳かな感じを受けます。回廊にはびっしりと吊り灯篭がつるされていました。

TripAdvisorクチコミ評価

もっと見る

アクセス

map map 地図

最寄り

          周辺の駅はありません。 周辺のバス停はありません。 周辺の駐車場はありません。 周辺のインターチェンジはありません。

          このスポットを共有

          back

          クリップボードにコピーしました