東尋坊

国の天然記念物に指定される北陸屈指の景勝地は迫力満点

約1kmにわたって続く断崖絶壁と巨大な柱状の奇岩群。大地と海が1000万年以上の時をかけてつくり出した東尋坊の絶景は、訪れる人をひきつけてやまない豪快さと美しさに満ちあふれている。

柱を隙間なく並べたような岩壁が特徴

えちぜん鉄道三国駅から京福バスで約10分、「東尋坊」バス停で下車後300mほど歩いた先に、断崖に打ち付けられた白波がしぶきを上げるダイナミックな景観が見えてくる。崖の手前まで足を踏み入れることができ、足がすくむほどの迫力を味わえる。サスペンスドラマや映画のロケ地としても知られ、見覚えのある人も多いだろう。ちなみに地名は、平泉寺(勝山市)の僧侶・東尋坊に由来する。民衆に悪事を働く東尋坊を快く思わなかった僧たち、または、同じ女性を巡って対立していた恋敵の手によって、現在の東尋坊の崖から突き落とされたという伝承が残っている。

東尋坊は越前加賀海岸国定公園内にある国の天然記念物

青く広がる水平線と無骨な岩肌のコントラストに目を奪われる

東尋坊を特徴づけるのは、縦長に五角形や六角形の亀裂がいくつも走る柱状節理(ちゅうじょうせつり)と呼ばれる岩壁だ。約1300万年前、地表近くまで上昇したマグマがゆっくり冷え固まる際に柱のような割れ目を規則正しく形成し、その後の地殻変動で海面に露出。波の侵食によって現在の形となったと考えられている。火山岩でできた東尋坊の柱状節理の横断面の大きさは4m以上のものもあり、日本国内では最大級を誇っている。高低差25mの大絶壁・大池(おおいけ)や、平らな岩場がステージのように広がる千畳敷(せんじょうじき)なども併せて見てまわろう。大自然の奇跡に感嘆するほかない。

足場が悪い場所や風の強い日もあるので、歩きやすい靴で訪れよう

絶景をさらに満喫するには、東尋坊観光遊覧船がおすすめ。ガイドによる解説を聞きながら奇岩奇勝を楽しめる、約30分間の海上観光だ。東尋坊では遊歩道も整備されているので、潮風を感じながら散策してみよう。また、越前海岸や雄島などが一望できる地上55mの東尋坊タワーにも上ってみたい。最後は、飲食店や鮮魚店、土産物店、カフェなどが軒を連ねる東尋坊商店街へ。新鮮な海の幸がたっぷりと載った海鮮丼のほか、イカやホタテの浜焼き、商店街名物のソフトクリームなど魅力的なメニューが味わえる。

東尋坊への行き帰りで通る商店街