旧芝離宮恩賜庭園

庭園

石の表現が見事な大名庭園

徳川幕府統治下の江戸で、参勤交代のために大名たちの屋敷が建てられたことから発展した「大名庭園」。臨海部にある旧芝離宮恩賜庭園は、都内に残る大名庭園としては、小石川後楽園と並び、最も古い歴史をもつ庭園だ。

国の重要な文化財として1979年(昭和54)「名勝」に指定された} 国の重要な文化財として1979年(昭和54)「名勝」に指定された

オフィス街にある緑の庭園

JR浜松町駅北口から徒歩1分、門をくぐり、庭園に入ると、都心にいることを忘れてしまうほど緑豊かな日本庭園が現れる。開園面積は約4万3175平方メートル。広大な池の周囲に園路をめぐらせた池泉(ちせん)回遊式庭園で、屋敷に招かれた客の気分になって、景色を愛でながら散策を楽しみたい。園内には、200本を超える松を中心に、四季折々の花を咲かせる樹木が植えられている。オフィス街をぬけてほっとひと息つける、オアシスのような場所でもある。同じく都立文化財庭園のひとつである浜離宮恩賜庭園は徒歩圏内にあり、合わせて訪ねるのもいいだろう。

眺めを楽しみながら30分ほどで一周できる} 眺めを楽しみながら30分ほどで一周できる

幕府老中の邸内に造られた庭

旧芝離宮恩賜庭園のある一帯は、もともと海であったのを江戸時代に埋め立ててできた土地。1678年(延宝6)、この地を拝領した老中大久保忠朝(おおくぼただとも)が、屋敷を建てる際に作庭したのが、庭園の始まりだ。「楽壽園(らくじゅえん)」と名づけられた庭は江戸湾に面し、当初は池に海水を引き入れていた。潮の干満とともに風景が変化する様子も観られたという。淡水池となった今も、海水取り入れ口の名残を見ることができる。明治時代には宮内庁管轄の「芝離宮」となり、洋館が建てられたが、関東大震災で焼失した。1924年(大正13)、昭和天皇のご成婚を記念して東京市(都)に下賜(かし)され、「旧芝離宮庭園」として一般公開、現在にいたっている。

海水を引き入れた時代には、干潮時水面に現れたという「磯渡り」の飛び石} 海水を引き入れた時代には、干潮時水面に現れたという「磯渡り」の飛び石

楽壽園時代に造られた「根府川(ねぶかわ)山」} 楽壽園時代に造られた「根府川(ねぶかわ)山」

石で表現された風景を楽しむ

回遊式庭園を巡る要となるのが、約9000平方メートルの広さをもち,「大泉水(だいせんすい)」と呼ばれる池。中央に浮かぶ中島(なかじま)と浮島(うきしま)、砂浜を模した水辺など、海と湖を思わせる造りとなっている。見どころはすべてこの池の周辺にあるので、ぐるりと一周してみよう。池の中央に浮かぶ中島に渡ることもできる。中国で不老不死の理想郷とされる「蓬莱山(ほうらいさん)」を模した石組(いしぐみ。複数の石を組み合わせる日本庭園の造園方法)があり、島と庭をつなぐ「西湖の堤(せいこのつつみ)」とともに、庭園を構成する重要な要素となっている。このほか、大久保忠朝が藩地小田原から運び入れた石で築いた「根府川山」や、流れ落ちる滝を石組で表現した「枯滝(かれたき)」など、石組の力強い表現をじっくり味わいたい。

古代中国の神話に登場する、不老不死の象徴「蓬莱山」に見立てた石組} 古代中国の神話に登場する、不老不死の象徴「蓬莱山」に見立てた石組

中国の杭州(こうしゅう)市にある「西湖の蘇堤」を模した堤} 中国の杭州(こうしゅう)市にある「西湖の蘇堤」を模した堤

「枯滝」の流れに沿って歩けば、園内で最も高い「大山(おおやま)」に出る} 「枯滝」の流れに沿って歩けば、園内で最も高い「大山(おおやま)」に出る

スポット詳細

住所
東京都港区海岸1 map map 地図
電話番号
0334344029
時間
9:00-17:00(最終入園16:30まで)
休業日
年末年始(12/29-1/1)
料金
[入園料]一般150円、65歳以上70円
駐車場
なし
電子マネー/スマートフォン決済
可(Suica、PASMO、iD、楽天Edy、PayPay、LINE Pay、ALIPAY)
Wi-Fi
あり(Tokyo WiFi)
コンセント口
なし
喫煙
不可
ペットの入店
不可
備考
混雑時には入場制限となる場合があります。詳細はホームページをご確認下さい
https://www.tokyo-park.or.jp/park/format/about029.html

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 浜松町駅近くにある池泉回遊式庭園
    3.0 投稿日 : 2022.09.18
    浜松町駅からすぐのところにある都立庭園。国名勝。入園料は150円。江戸幕府老中であった大久保忠朝上屋敷の庭園「楽寿園」が始まり。その後、紀州徳川家、有栖川宮家、宮内庁などを経て、1924年に昭和天皇ご成婚記念として東京市に下賜され一般公開された。大きな池「大泉水」を中心とした池泉回遊式庭園。当初は海岸に面しており、池にも海水を取り入れていたとのこと。その後の埋め立てにより海を望むことはできなくな...
  • 素晴らしい庭園
    4.0 投稿日 : 2021.10.20
    こちらは、JR浜松町北口より徒歩1分のところにあり、入園には整理券が必要で、事前にインターネットで申し込む必要があります。入園時整理券を提示して150円を支払い入ります。この庭園は、小石川後楽園と共に、今東京に残る江戸初期の大名庭園の一つ、回遊式泉水庭園の特徴をよくあらわした庭園で、池を中心とした庭園の区画や石の配置は、非常に優れているそうです。園内は綺麗に整備されており素晴らしいです。弓...
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    4.0 投稿日 : 2020.04.17
    先日、家族で行ってきました。この場所は、都内のど真中に贅沢な大きさのものがあります。この場所が自分の庭だったらと、羨む感じでキレイでした。

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アクセス

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