浅草神社

神社

別名「三社様」は浅草周辺の神社の中心

浅草寺本堂に向かって右側にある石造りの鳥居。お寺の境内にある鳥居を奇異に感じる人がいるかもしれないが、もともと浅草寺と浅草神社は一体のものとして、長年多くの人からあつく信仰されてきた。

浅草神社の鳥居と社殿} 浅草神社の鳥居と社殿

神仏分離令で浅草寺と分かれた神社

創建は平安時代末期から鎌倉時代初期。長い間神仏習合の慣習によって浅草寺の本尊と一緒に神社創建にかかわった三柱の神が祀られてきたが、明治の神仏分離令により1868年(明治元)に「三社明神社」として名前を変えた。さらに5年後の1872年(明治5)に浅草神社に改名。現在は浅草周辺にある8つの神社の兼務社となっており、まさに浅草の神社の中心だ。

神社でいただける御朱印と参道の狛犬。社殿前にもう一対の狛犬がいる} 神社でいただける御朱印と参道の狛犬。社殿前にもう一対の狛犬がいる

浅草神社のことはよく知らなくても、毎年5月に行われる、神社の例大祭である「三社祭」は聞いたことがあるだろう。198万人(2019年)もの人出を数える東京で最も賑やかな祭りのひとつで、人込みのなかを豪奢な神輿が練り歩く姿は、東京の初夏の風物詩だ。

三社祭の正式な名前は「浅草神社例大祭」。町中を神輿が練り歩く} 三社祭の正式な名前は「浅草神社例大祭」。町中を神輿が練り歩く

賑やかな浅草寺から静かな境内へ

石造りの鳥居をくぐると拝殿に向かってまっすぐ延びる参道。まずはお参りしてから見どころの多い境内を見学したい。朱塗りの社殿は徳川第3代将軍家光により1649年(慶安2)に寄進建立された国の重要文化財。江戸時代の度重なる火災、関東大震災、そして第二次世界大戦の空襲の被害からも逃れた貴重な建物だ。1994~1995年(平成6~7)の修繕で鮮やかによみがえった状態が今も保たれている。注目したいのは拝殿の壁面に描かれた極彩色の鳳凰、麒麟、飛龍などの霊獣の壁画だ。見ることはできないが、本殿に祀られている神様は、土師真中知命(はじのまなかちのみこと)、檜前浜成命(ひのくまのはまなりのみこと)、檜前武成命(ひのくまのたけなりのみこと)の三柱。浅草寺の創建にかかわった人物が神として祀られている。

社殿の壁に描かれている鮮やかな飛龍と麒麟} 社殿の壁に描かれている鮮やかな飛龍と麒麟

興味深い境内の数々の石碑

参拝が終わったら、石造りの鳥居まで戻って境内を見てみよう。まず鳥居の右手、木立のなかに赤い番傘を掲げた一対の狛犬がある。普通狛犬は参道を挟んで向かい合っているが、こちらは仲良くくっついて並ぶ「夫婦狛犬」。江戸時代初期に造られたもので良縁、夫婦和合、恋愛成就のご利益があるとされている。鳥居のすぐ左手の木立にある2つの石碑は、明治時代からから戦後にかけて活躍した歌舞伎役者、初代市川猿翁[2代目市川猿之助](1888~1963年)の句碑。もうひとつが「こち亀石碑」。1976年(昭和51)から2016年(平成28)まで『週刊少年ジャンプ』で連載された『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の主人公である両津勘吉の碑。漫画の主人公の石碑が神社の境内にあるのはかなり珍しい。そのほか、江戸時代幕末の歌舞伎狂言作者「河竹黙阿弥顕彰碑」「初代中村吉右衛門句碑」、古い扇子を供養する「扇塚」の石碑などがある。

雨傘の下に仲良く並ぶ夫婦狛犬} 雨傘の下に仲良く並ぶ夫婦狛犬

「こち亀石碑」には浅草を舞台にした物語のエピソードが書かれている} 「こち亀石碑」には浅草を舞台にした物語のエピソードが書かれている

境内社にも注目

境内に見るべきものが多いのでどうしても見落とされてしまうが、社殿の裏手には浅草神社の末社である被官稲荷神社がある。幕末の歴史に興味がある人なら聞いたことがあるだろう人物、火消しの新門辰五郎にゆかりのある神社。石造りの鳥居も新門辰五郎により奉納されたものだ。浅草神社の社殿同様に数々の火災や戦火をくぐりぬけてきた1855年(安政2)に創建された檜皮葺きの小さな社殿が見どころ。就職や出世のご利益があるという。

被官稲荷神社。実際の社殿はこの屋根の下にある} 被官稲荷神社。実際の社殿はこの屋根の下にある

スポット詳細

住所
東京都台東区浅草2-3-1 map map 地図
エリア
浅草エリア
電話番号
0338441575
時間
[平日]9:00-16:00
[土日祝]9:00-16:30
休業日
無休
駐車場
なし

情報提供: ナビタイムジャパン

このスポットを紹介している記事

クチコミ

  • 古くからあるとても立派な神社
    5.0 投稿日 : 2022.12.01
    浅草寺の横、東側にある神社。三社祭の拠点ともなる神社です。神社名が木々に隠れてしまっていて、最初は通り過ぎてしまいました。隣の浅草寺が賑わっていることもあり、平日に行くと人も少なめで参拝しやすいです。古くからあるとても立派な神社ですが、隣の浅草寺が大きすぎて少し小さく感じてしまいます。浅草寺周辺が賑わっている分、こちらはとても静かで過ごしやすいです。浅草寺に寄ったら浅草神社も一緒にお参...
  • 境内と浅草の街に「そいや! そいや!」の掛け声が鳴り響く
    4.0 投稿日 : 2022.09.14
    台東区の「浅草神社」についての情報を発信していきます。今回、「浅草神社」を訪れたのは2022年9月3日です。「浅草神社」は、東京メトロ銀座線・東武伊勢崎線「浅草駅」から徒歩7分、都営浅草線「浅草駅」から徒歩8分で「浅草寺」と隣接するのが「浅草神社」です。ベストなアクセスは、「雷門」をくぐり、「仲見世」を横目で見ながらウィンドウショッピングし、「宝蔵門」を抜け、「浅草寺」にお参りし、「浅草寺」の本...
  • 郷土神を
    3.0 投稿日 : 2022.09.12
    浅草寺の本堂の東側近くにある神社です。浅草寺に祀られている聖観世音菩薩を祀るきっかりになった三人の人物を祀った三社権現社が起源のため、三社さまと言われたりもします。大切な場所にしては浅草寺に比べてぐっと地味な印象ですよね。

TripAdvisorクチコミ評価

もっと見る

アクセス

map map 地図

最寄り

          周辺の駅はありません。 周辺のバス停はありません。 周辺の駐車場はありません。 周辺のインターチェンジはありません。

          このスポットを共有

          back

          クリップボードにコピーしました