松山市立子規記念博物館

博物館/科学館

近代俳句の父・正岡子規の生涯と松山の文化に触れる博物館

『柿くへば 鐘が鳴るなり 法隆寺』の俳句で有名な松山出身の俳人・正岡子規。博物館には、子規の直筆原稿や書簡、夏目漱石と過ごした愚陀佛庵(ぐだぶつあん)の復元や自作の俳句短冊を作れるコーナーもあり、子規の世界に浸ることができる。

外観の壁面には来館者の投票により選ばれた子規の句が月毎に掲げられている} 外観の壁面には来館者の投票により選ばれた子規の句が月毎に掲げられている

子規の人生を追体験しながら松山の歴史や文化を学べる

道後温泉駅または道後公園駅から徒歩5分。道後公園の一角にある松山市立子規記念博物館は、子規の世界を通して、多くの人が松山の文化や文学に親しみ、理解を深めることを目的に1981年(昭和56)に開館した。直筆原稿や書簡など約7万点を収蔵し、常時300点近くを展示。子規の人生を追体験しながら交友や人間性、松山の歴史や文化も知ることができる。1階にミュージアムショップ、2階に観覧券売場と展示第1室、3階に展示第2室と特別展示室がある。音声ガイドシステムの貸出し(100円)や、予約をすればインストラクターが個別ガイドもしてくれる(無料・1名から可・要予約)。

2階の入り口にある子規の写真と「松山や 秋より高き 天主閣」の句} 2階の入り口にある子規の写真と「松山や 秋より高き 天主閣」の句

明治という時代とともに歩んだ子規の青春時代

2階の常設展に入ると、子規の写真が出迎えてくれる。1867年(慶応3)松山に生まれた子規。展示は松山の歴史を巡るコーナーから始まる。子規は松山中学校に通い、仲間と回覧雑誌を作るなど学校内外で熱心に勉強した。15歳で政治家を目指し上京。東京大学予備門などで勉強し、夏目漱石とも出会った。21歳のときに喀血(かっけつ)。このころから「子規」と号し、文学者志望へ。大学を中退して入社した日本新聞社で、俳句の革新を叫ぶ。日清戦争で従軍記者として派遣されたときの従軍かばんも展示されている。戦地から戻る船で再び喀血した子規は、1895年(明治28)に故郷松山へ帰り、松山で中学校の英語教師をしていた漱石と再会した。

直筆の作品など貴重な資料が並び、随所に設置されたモニターからは映像ガイドが流れる} 直筆の作品など貴重な資料が並び、随所に設置されたモニターからは映像ガイドが流れる

闘病生活のなかで文学活動を展開した子規の晩年

3階の常設展は、子規と漱石の松山での日々から始まる。2人が暮らした「愚陀佛庵」の復元は子規博の目玉展示のひとつ。愚陀佛庵は愛媛県尋常中学校の教師をしていた漱石の下宿。子規はここに52日間居候し、静養しながら松山の人々と句会を開くなど俳句づくりに没頭した。その後再び東京へ戻るも、脊椎カリエスという病に冒されていることが判明。起き上がることができなくなりながらも、俳句だけではなく短歌や文章の革新にも取り組み、随筆『病牀六尺』は死の2日前まで発表し続けた。雑誌『ほととぎす』、最晩年の随筆『墨汁一滴』『病牀六尺』の原稿や、それにまつわるやりとりを記した手紙なども展示されている。1902年(明治35)、子規は東京の子規庵で34歳で亡くなった。

愚陀佛庵は子規博展示室内で唯一の写真撮影可能エリアであり、実際に庵の中に入ることもできる} 愚陀佛庵は子規博展示室内で唯一の写真撮影可能エリアであり、実際に庵の中に入ることもできる

見て、聞いて、触れて、子規を学べる博物館

子規博のすばらしいところは、「見る」「聞く」「触れる」ことで子規を学べる工夫がなされているところだ。先に紹介した愚陀佛庵では、障子をスクリーンにした映像を楽しめ、子規も愛した明治の松山の背景を選んで記念撮影もできる。「子規ゆかりの地」コーナーでは、スクリーンに映し出された日本地図にタッチすれば、子規が旅した場所、旅先でのエピソードや俳句などを知ることができるほか、「俳句をつくろう!」コーナーでは、オリジナル短冊を作って持ち帰ることができる。子規が亡くなる数時間前に書いた「絶筆三句」の展示箇所では、文字に触れると書いた順番に俳句が浮かび上がる仕掛けで飽きさせない。

愚陀佛庵コーナーでは子規や漱石の会話が聞こえてくる} 愚陀佛庵コーナーでは子規や漱石の会話が聞こえてくる

来館者が作った俳句を短冊に印刷して持ち帰ることができる。短冊のデザインは四季ごとに変わる} 来館者が作った俳句を短冊に印刷して持ち帰ることができる。短冊のデザインは四季ごとに変わる

子規庵から見た庭のヘチマ棚の風景のなかに、辞世の句「絶筆三句」の文字が浮かぶ} 子規庵から見た庭のヘチマ棚の風景のなかに、辞世の句「絶筆三句」の文字が浮かぶ

スポット詳細

住所
愛媛県松山市道後公園1-30 map map 地図
電話番号
0899315566
時間
[5月-10月]9:00-18:00(入館は17:30まで)
[11月-4月]9:00-17:00(入館は16:30まで)
休業日
火(祝の場合は翌日)
料金
[観覧料]大人400円、65歳以上200円、高校生以下無料
駐車場
あり(22台)
クレジットカード
可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、銀聯、DISCOVER、Diners Club)
電子マネー/スマートフォン決済
可(Suica、PASMO、QUICPay、iD、nanaco、WAON、楽天Edy、LINE Pay、auPAY、ALIPAY、その他)
Wi-Fi
あり
コンセント口
なし
喫煙
不可
滞在目安時間
30-60分
車椅子での入店
乳幼児の入店
備考
※令和6年11月までの改修工事に伴い一部運用を変更することがあります。

情報提供: ナビタイムジャパン

このスポットを紹介している記事

クチコミ

  • 分かりやすく解説されているが、内容に興味を持てるかどうか・・・
    3.0 投稿日 : 2022.04.04
    道後温泉駅から徒歩3分ほど。道後公園内に立地している4階建ての文化施設で、2-3階が博物館となっている。入館料は400円。展示室内は愚陀佛庵(復元)を除き撮影不可。展示は全体の4分の1が道後・松山の歴史、残りが正岡子規の生涯に関する解説・資料展示となっている。正岡子規は松山の生まれで、松山市駅近くには「正岡子規誕生邸址」の石碑も立つ。教科書にも載る明治を代表する俳人であるが、浅学のため有名な「柿...
  • デジタルアーカイブもある
    4.0 投稿日 : 2022.01.22
    道後温泉のすぐ近くにあり、膨大な資料群とともに挫折を繰り返した正岡子規の生涯がわかりやすく解説されています。漱石との書簡や野球との関わり等興味深かったです。開館40周年で公開されたデジタルアーカイブもよくできていると思います。
  • 文学系の博物館
    4.0 投稿日 : 2021.08.16
    道後温泉駅から程近いところにある文学系の博物館です。松山や文学について親しんでもらおうということで、当地生まれのご存じ正岡子規だけでなく、親友の夏目漱石についても展示があります。松山といえばこの人だと思うので、ぜひ訪問するのをお勧めします。

TripAdvisorクチコミ評価

もっと見る

アクセス

map map 地図

最寄り

          周辺の駅はありません。 周辺のバス停はありません。 周辺の駐車場はありません。 周辺のインターチェンジはありません。

          このスポットを共有

          back

          クリップボードにコピーしました