厳美渓
山と川が約600万年をかけてつくり上げた荒々しい渓谷
火砕流の堆積物を川が削る
1927年(昭和2)、国の名勝・天然記念物に指定された厳美渓。この辺りには、約600万年前の栗駒山の大規模な噴火で火砕流が押し寄せた。火砕流堆積物が冷えて固まり、磐井川によって、長い時間をかけて浸食されてできたのが厳美渓なのだ。渓谷の最初の見どころは、バス停からすぐの天工橋(てんぐばし)。ここから上流と下流の違いをぜひ比べてほしい。上流は岩の間が狭くなっており、流れが急。これは岩に硬さがあることを意味している。一方で下流は流れが穏やか。こちらは岩が軟らかいというわけだ。この変化点がまさに天工橋の辺り。橋上からの景色を、まずは存分に堪能したい。
写真映えする激流と空飛ぶだんご
天工橋からの眺めを堪能したら、今度は岩の間が狭くなっている上流側の激流ポイントへ近づいてみよう。広々とした岩場になっている観賞エリアは、最初は断崖の上に立っているようには感じないが、磐井川の方へ近づくと、崖と川の落差に緊張感がぐっと高まる。立ち入り禁止区域にはチェーンが張ってあり、その手前辺りが人気のビュースポットだ。そして、写真でも動画でもぜひ撮影したいのが名物の「空飛ぶかっこうだんご」。対岸にある店から、団子とお茶がカゴに乗って飛んでくる様子は、何度見ても飽きない。こちらから手を振ると、店主が振り返してくれるやりとりも楽しい。
散策道の先にはグラグラ揺れる吊り橋も
岩手県南は、かつて仙台藩が統治していたエリア。初代仙台藩主である伊達政宗公は「わが領地に二大景勝地あり。東の松島、北の厳美渓」と絶賛。天工橋から「御覧場橋(ごらんばばし)」までの約200mの散策道を歩いていくと、政宗公が設けた茶室跡地も見ることができる。グラグラ揺れる御覧場橋を渡ったあとは、道路沿いの「貞山桜(ていざんざくら)」も見どころのひとつ。貞山とは、政宗公の雅号。政宗公が自ら植えた桜は、今でも華麗な花を咲かせており、桜の名所としても人気が高い。なお、「猊鼻渓(げいびけい)」はここから約25km東。名前は似ているものの、距離があるので移動時間には注意を。2つの渓谷の違いを楽しむのもおすすめ。
スポット詳細
- 住所
- 岩手県一関市厳美町字滝の上地内 地図
- エリア
- 平泉・奥州・一関エリア
- 時間
- 24時間
- 休業日
- 無休
- 料金
- 無料
- 駐車場
-
あり(100台)
※厳美市民センター又は近隣有料駐車場 - 喫煙
- 可
- 平均予算
- 【昼】1,001-3,000円
- 滞在目安時間
- 30-60分
- 乳幼児の入店
- 可
情報提供: ナビタイムジャパン