致道博物館

博物館/科学館

庄内の歴史や文化、人々の暮らしを現代に伝える博物館

鶴岡公園のすぐ西隣に建つ「致道博物館」は、旧庄内藩主酒井家ゆかりの博物館伝来の美術品のほか、移築して保存公開している重要文化財建造物や国指定名勝庭園、重要有形民俗文化財の資料群などもあり、庄内の歴史にじかに触れられる場所だ。

独特の青色の外観。修復前の白色が創建当初の色だと思っていた近隣住民は、修復後に公開されたとき、鮮やかなブルーに塗られたことに驚いたという} 独特の青色の外観。修復前の白色が創建当初の色だと思っていた近隣住民は、修復後に公開されたとき、鮮やかなブルーに塗られたことに驚いたという

かつての鶴ヶ岡城三の丸に位置する博物館

致道博物館は旧庄内藩主酒井家の16代当主・酒井忠良(さかいただなが)氏が、地方文化の発展のために土地建物や文化財を寄贈し、博物館として公開したことが始まり。敷地内には7つの建物と庭園がある。なかでも「旧庄内藩主御隠殿(ごいんでん)」は、11代当主・酒井忠発(さかいただあき)が幕末に建てた隠居所の一部で、江戸にあった中屋敷の一部を、北前船を使って運び移築させたという。内部には酒井家に伝わる調度品などが展示されている。また、かつて庄内藩の侍たちが鍛錬のために嗜んだという磯釣りに使われた伝統的な庄内竿も多数。1本の竹でつくられた延べ竿は、長いもので6m程というから驚き。奥の座敷からは国指定名勝の酒井氏庭園がきれいに見える。

東北地方では珍しい書院庭園の酒井氏庭園。国指定名勝} 東北地方では珍しい書院庭園の酒井氏庭園。国指定名勝

山形県を代表する擬洋風建築

致道博物館敷地内で目をひくのが、1881年(明治14)創建、擬洋風建築の「旧西田川郡役所(きゅうにしたがわぐんやくしょ)」と1884年(明治17)創建の「旧鶴岡警察署庁舎(きゅうつるおかけいさつしょちょうしゃ)」だ。「旧鶴岡警察署庁舎」は1957年(昭和32)に、「旧西田川郡役所」は1972年(昭和47)に致道博物館敷地内にそれぞれ移築された。特に「旧鶴岡警察署庁舎」のブルーの外観は印象的。修理前の外壁は白く塗られていたものの、調査によって創建当時は鮮やかな水色の建物だったことが判明し、5年に及ぶ修復と調査を経て創建時の色に戻されたのだという。「旧鶴岡警察署庁舎」は内部見学可能で、バルコニーからは遠くに月山を望むことができる。「旧西田川郡役所」は修理と耐震補強工事のため、残念ながら当面の間は内部見学不可とのこと。

奥の白い建物が旧西田川郡役所、右は旧鶴岡警察署庁舎} 奥の白い建物が旧西田川郡役所、右は旧鶴岡警察署庁舎

庄内地方の人々の暮らしを伝える膨大な収蔵品

致道博物館内には見どころが多くあり、滞在時間に限りがある場合はすべてを網羅するのはなかなか難しい。もしじっくり見学できるのであれば、ぜひ「民具の蔵」と「重要有形民俗文化財収蔵庫」にも時間を割いてほしい。どちらも庄内地方の民俗資料や民具、伝統工芸品などが紹介されているが、注目すべきはその膨大な量。地元の人から寄贈されたものも多くあり、実際に使われていた痕跡からは当時の人々の暮らしを実感することができる。展示は日用品に限らず、農業や漁業に使われた道具も多くある。特に漁業に使われた釣り具は、「御隠殿」で見られる武士が鍛錬のために使用した庄内竿と、時代や用途の違いが見て取れておもしろい。

北前船交易に関する資料や職人の道具、瓦人形や提灯など、庄内の人々の暮らしに関わってきたさまざまな品が展示されている} 北前船交易に関する資料や職人の道具、瓦人形や提灯など、庄内の人々の暮らしに関わってきたさまざまな品が展示されている

宿から養蚕業に転じた多層民家

「兜造り(かぶとづくり)」と呼ばれる茅葺き屋根が印象深い「旧渋谷家住宅(きゅうしぶやけじゅうたく)」は、国の重要文化財。山形県内でも有数の豪雪地帯である旧朝日村の田麦俣(たむぎまた)から移築された多層民家で、内部は4層に空間が拡がっている。江戸期は出羽三山の参詣者向けに宿泊業を営んでいたが、明治期の廃仏毀釈で需要が激減したため養蚕業に転換。通風や採光のために高窓を取り付け、1階を生活空間、2階・3階と屋根裏部屋を養蚕の作業場としたという。日本遺産「サムライゆかりのシルク」の構成文化財のひとつとして認定されている。関連施設であり、同じく鶴岡シルクの歴史を伝える「松ヶ岡開墾記念館(まつがおかかいこんきねんかん)」にも足を延ばしたい。

多層民家では映画『蝉しぐれ』の撮影も行われた} 多層民家では映画『蝉しぐれ』の撮影も行われた

スポット詳細

住所
山形県鶴岡市家中新町10-18 map map 地図
電話番号
0235221199
時間
9:00-17:00(最終入館16:30)
[12-2月]9:00-16:30(最終入館16:00)
休業日
年末年始(12/28-1/4)
[12-2月]水
料金
【入館料】
[一般]800円
[高、大学生]400円
[小、中学生]300円
駐車場
あり(30台)
※バスと乗用車の併用です。混雑時は近隣無料公設駐車場をご案内します。
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
可(PayPay、LINE Pay)
※入館料・ミュージアムショップで利用可
Wi-Fi
あり
コンセント口
なし
喫煙
不可(敷地内すべて禁煙)
平均予算
【昼】1,001-3,000円
滞在目安時間
60分-80分
車椅子での入店
乳幼児の入店

情報提供: ナビタイムジャパン

アニメスポット情報

刀剣男士のモチーフとなった刀剣・信濃藤四郎を所蔵。コラボグッズも人気。

※ナビタイム調べ

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クチコミ

  • 文化財の集合体
    5.0 投稿日 : 2023.01.15
    鶴岡市のど真ん中、鶴岡公園の隣に有ります。駐車場完備です。入館料は800円。敷地内には、旧庄内藩ゆかりの建物や、明治維新後の官公庁舎を移築されています。沢山あるので、全部中を覗くと、それなりの時間がかかります。旧藩主(酒井家)の御子孫は、未だに鶴岡にお住まいのようです。
  • いい雰囲気
    4.0 投稿日 : 2022.12.22
    鶴岡市にあるちょっと古風な建物を集め残している博物館です。あまり人もおらずゆっくり鑑賞できます。建物自体もいい感じなのですが、中には古い道具などが展示されていてなかなか見ごたえがありました。
  • 歴史ある貴重な建物が並んでいます
    5.0 投稿日 : 2022.09.15
    江戸時代から明治にかけての建物、旧警察署・藩主の隠居所・古民家等が移築され、それぞれの建物には多くの資料が展示されています。ここは庄内の歴史を知るうえで訪れてみたいエリアですね。

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アクセス

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最寄り

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