平取町立二風谷アイヌ文化博物館

博物館/科学館

貴重な展示資料からアイヌ民族の伝統的な生活文化を学べる博物館

平取(びらとり)町・沙流(さる)川流域に息づくアイヌ民族の文化や歴史を伝え、未来へつなぐ場所として整備された「二風谷(にぶたに)コタン」。アイヌ文化関連施設が集まっており、その1つが「平取町立二風谷(びらとりちょうりつにぶたに)アイヌ文化博物館」だ。

アイヌの伝統文化を多面的に学ぶことができる「平取町立二風谷アイヌ文化博物館」} アイヌの伝統文化を多面的に学ぶことができる「平取町立二風谷アイヌ文化博物館」

民族文化研究家のコレクションを中心とした博物館

日高自動車道の日高富川ICから国道237号線を車で約20分。道路沿いに「二風谷コタン」と大きく書かれた看板が現れる。「コタン」とはアイヌ語で村や集落を意味するが、二風谷ではアイヌ民族の伝統家屋「チセ」が点在するコタンを復元。そして、その後方に「平取町立二風谷アイヌ文化博物館」の建物がある。ここには、アイヌ民族の手作りの民具など、伝統的な生活文化に関するものが数多く展示されている。その大半が、民族文化研究家であり、アイヌ民族で初めて国会議員となった萱野茂(かやのしげる)氏が長い年月をかけて収集したもの。2002年(平成14)には、これらの所蔵資料と博物館の近くにある「萱野茂二風谷アイヌ資料館」の収蔵資料、合わせて1121点が重要有形文化財に指定された。

「平取町立二風谷アイヌ文化博物館」へのアクセスは、国道沿いに立つ「二風谷コタン」の看板が目印} 「平取町立二風谷アイヌ文化博物館」へのアクセスは、国道沿いに立つ「二風谷コタン」の看板が目印

博物館の外には、チセ(家)や竪穴式住居を復元したものが点在している} 博物館の外には、チセ(家)や竪穴式住居を復元したものが点在している

アイヌ民族の民具の展示のほか、精神文化についても紹介

館内の展示は4つのゾーンに分けられている。第1ゾーンの「アイヌ 人々の暮らし」では、人々が日常生活に用いた古い民具類を展示。おもに、育児・遊戯娯楽・木彫・衣類・住居などの分野を中心に紹介されている。なかでも、木彫や衣類に施されたアイヌ文様には、色あせることないデザイン性の高さを感じさせられる。第2ゾーン「カムイ 神々のロマン」では、祈りや信仰、伝説、物語などアイヌ民族の精神文化に触れられる。儀式などで使う道具の展示のほか、ユカラ(叙事詩)、カムイユカラ(神謡)、ウウェペケレ(昔話)などを聴くことができる。クマの魂を神の国へ送り返す「イヨマンテ(熊の霊送り)」の儀式の解説パネルなどもある。ガイダンス映像では、国の重要無形民俗文化財に指定されているアイヌ古式舞踊などを一部記録したものを見ることができる。

第1ゾーン「アイヌ 人々の暮らし」の展示の一部。重要有形民俗文化財の指定書も展示されている} 第1ゾーン「アイヌ 人々の暮らし」の展示の一部。重要有形民俗文化財の指定書も展示されている

第2ゾーン「カムイ 神々のロマン」には囲炉裏があり、その横で映像を視聴する。まるでチセの中で昔語りを聞いているような気分になる} 第2ゾーン「カムイ 神々のロマン」には囲炉裏があり、その横で映像を視聴する。まるでチセの中で昔語りを聞いているような気分になる

自然とともに生きるアイヌ民族の知恵や芸術センスを知る

第3ゾーン「モシリ 大地のめぐみ」には、農耕、狩猟、運搬、葬送などに関する資料や道具が展示されている。それぞれの季節に何をしてきたかをわかりやすく紹介する「くらしカレンダー」を見ると、アイヌ民族が自然とともに暮らしてきたことがよくわかる。また、クマを獲るための仕掛け弓や日本最大級の大きさの丸木舟なども展示。二風谷を拠点に現在活躍中であるアイヌ工芸家の作品も、一部展示されている。最後のゾーン「モレウ」では、アイヌの工芸技巧とアイヌ文様の造形美について紹介。博物館の外にあるチセでは、夏季の間、伝統工芸でもあるアイヌの手仕事を間近で見ることもできる。時間があれば、博物館の裏手にある「沙流川歴史館」や、国道の反対側にある「萱野茂二風谷アイヌ資料館」にも寄ってみよう。

第3ゾーン「モシリ 大地のめぐみ」に展示されている丸木舟は、カツラの大木を使用している} 第3ゾーン「モシリ 大地のめぐみ」に展示されている丸木舟は、カツラの大木を使用している

「モレウ」ゾーンでは、伝統的な造形美が伝わる作品を多数展示。モレウとは、渦を巻くように描かれるゆるやかな曲線のこと} 「モレウ」ゾーンでは、伝統的な造形美が伝わる作品を多数展示。モレウとは、渦を巻くように描かれるゆるやかな曲線のこと

※文中にある【ユカラ】、【カムイユカラ】の「ラ」は小さい「ラ」となります。

スポット詳細

住所
北海道沙流郡平取町二風谷55 map map 地図
エリア
日高エリア
電話番号
0145722892
時間
9:00-16:30
休業日
[4/16-11/15]無休
[11/16-4/15]月
[12/16-1/15]館内整備のため休館
料金
【入館料金】
[大人]400円
[小・中学生]150円
駐車場
あり(50台)
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
可(Suica、PASMO、QUICPay、nanaco、WAON、楽天Edy、PayPay、LINE Pay、メルPAY、d払い、auPAY、ALIPAY)
Wi-Fi
あり(FREE SPOT)
コンセント口
なし
喫煙
不可
滞在目安時間
30-60分
車椅子での入店
乳幼児の入店

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • アイヌ民族文化を伝える素晴らしい博物館です
    5.0 投稿日 : 2022.07.10
    日高管内の平取町二風谷の国道沿いに駐車場があります。駐車場から博物館へは少し歩きますが、その途中にはアイヌ民族の住居などの建物が何棟か建っている中を進みました。 博物館内は思っていたよりも広く、展示品も多く、アイヌ文化を伝える博物館としては、かなり充実した施設です。館内はいくつかのゾーンに分かれています。衣服や小さくて様々な道具などの他にも、大きな丸木舟がありました。丸木舟の中に入ることもでき...
  • ウポポイ以上!
    5.0 投稿日 : 2022.06.20
    日高町の市街地から国道を南に向かってしばらく走ると平取町に入ります。その二風谷という場所に、こちらの施設、平取町立二風谷アイヌ文化博物館がありました。 平取町の二風谷地区というのはアイヌの人たちの拠点のような場所なんです。国道沿いの駐車場から博物館に向かう途中には、アイヌの人たちの住居、チセが何棟か建っていて、その中を進んでいくと博物館がありました。 館内は、当然ですが、アイヌに関する展示が...
  • アイヌ文物の貴重な資料が素晴らしい!
    5.0 投稿日 : 2022.04.20
    日高道から少し不便なところにありますが、萱野茂さんが収集したアイヌの文物を大変素晴らしい状態で保存してあります。 学術的にも面白いものが多く、もう一つのアイヌ資料館と見たいものです。襟裳岬に行くついでに日高道を途中で降りて見る価値は十二分あります。 国立のウポポイにはない、本物が素晴らしいです。

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アクセス

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