天覧山
眺望がよく、初心者でも気軽に登れるハイキングコース
天覧山の南麓に広がる能仁寺からスタート
天覧山への登り口は、飯能市内随一の名刹、能仁寺(のうにんじ)のすぐ脇にある。西武池袋線飯能駅から能仁寺まで徒歩20分ほど。能仁寺は戊辰戦争の際に、尾高惇忠(おだかじゅんちゅう)や渋沢平九郎といった渋沢栄一の縁者が中心となって結成した振武軍(しんぶぐん)の本営がおかれたところ。本堂にお参りして、登山の無事を祈ってから登り始めよう。
登り口から舗装路を10分ほど歩くと、「天覧山中段」と呼ばれる開けた場所に出る。トイレや東屋があり、ここからも飯能市街を一望できる。ここから先は山道となり、すぐに分岐が現れる。どちらを進んでも山頂へ行けるが、左に折れると岩場があり、徳川5代将軍綱吉にゆかりの「十六羅漢像」が安置されている。将軍が重い病に冒されたおり、能仁寺の和尚の祈願によって健康を取り戻し、それを喜んだ母・桂昌院が報恩感謝のしるしとして16体の石仏像を寄進したという。
明治天皇も感嘆された天覧山からの眺め
天覧山の頂には展望台があり、標高195m(実際は197m)と書かれた標識が立っている。登り口から歩いて20分ほど。地元の人にとっては、気軽に行ける散歩コースだ。眼下には飯能の町並み、東には新宿の高層ビル群や東京スカイツリー、また西には秩父連峰と奥多摩の山々、天気がよければ富士山まで見渡せ、吹く風が涼しく心地よい。ベンチもあるのでお弁当を広げるのもいいだろう。天覧山はかつては愛宕山といい、江戸時代に十六羅漢像が奉納されてからは羅漢山と呼ばれていた。天覧山と改称されたのは1883年(明治16)。この地で近衛兵の大演習が行われた際、明治天皇が山に登られてその様子をご覧になったことに由来する。山頂にお着きになった明治天皇は開口一番、「ああよい景色」とおっしゃったと伝わる。また眺望がよいことから、戊辰戦争の折には振武軍が物見をおいていた。
見返り坂と雨乞い池を経て多峯主山へ
さらにハイキングを楽しみたい人は、天覧山の隣にそびえる多峯主山へ足を延ばしてみよう。天覧山の頂上から標識に従って丸太の階段を一気に下り、湿原のなかを通って再び登り坂へ。この道は「見返り坂」と呼ばれ、源義経の母・常盤御前(ときわごぜん)がこの山に登った際に、あまりの眺めのよさに何度も振り返りながら登ったことに由来するそうだ。見返り坂を登りきったら、雑木林に囲まれたゆるやかな尾根道を進む。山頂の少し手前に「雨乞池」が見えてくる。山の上にありながら水が枯れたことがないといわれる不思議な池で、昔は日照りが続くと神に雨を乞い、池の周りで賑やかなお祭りをしたという。天覧山からのんびり歩いて1時間ほどで多峯主山の山頂に到着。標高は271mとそれほど高くはないが、360度のパノラマがすばらしい。天覧山から見るより眺望はさらに開け、遠くは筑波山や富士山、また南側には狭山丘陵に白く輝く埼玉西武ライオンズのスタジアムも見える。ベンチやテーブルもあるので、絶景を眺めながらひと息つこう。
河原を歩いて渓谷美に触れ、清流に癒やされる
帰りは「吾妻峡(あづまきょう)」と書かれた標識に従って、南側の尾根道を進む。御嶽八幡神社を過ぎると急坂が続くので、足を痛めないようにゆっくりと下ろう。山頂から30分ほどでバス通りへ。永田大杉バス停から路線バスに乗れば飯能駅まで約10分。もし時間と体力に余裕があれば、入間川の流れる吾妻峡にも立ち寄ってみたい。バス停から南へ1分ほど歩いたところに荒瀧不動明王を祀った小さなお堂があり、その前を進むと入間川に出る。ドレミファ橋と呼ばれる飛び石を渡って対岸へ。うっそうとした木々に囲まれた河原を下流へと進もう。夏は木立の緑が、秋は紅葉が美しく、渓谷美を楽しみながら歩くことができる。入間川に架かる岩根橋より上流が吾妻峡、下流が飯能河原と呼ばれる。飯能河原はBBQや水遊びのスポットとして人気で、夏は大勢の人々で賑わう。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン
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