島根県芸術文化センター「グラントワ」

美術館

「28万枚の石州瓦の鎧」をまとった石見地方の芸術文化の殿堂

赤い「石州瓦」は石見地方の特産。島根県西部の芸術文化の拠点となっているグラントワは、館内施設や催しも充実しているが、「建物そのものが芸術品」との評価が高く、その建物を見るだけでも訪れる価値がある。

JR益田駅から約1km、市街地の一角にグラントワが威容を見せる。敷地面積3万6000平方メートル、延床面積1万9000平方メートルを誇る巨大な施設だ} JR益田駅から約1km、市街地の一角にグラントワが威容を見せる。敷地面積3万6000平方メートル、延床面積1万9000平方メートルを誇る巨大な施設だ

屋根も壁も石州瓦で覆われた異色の施設

島根県の石見地方を訪れた旅人にとって印象的な風景といえば、赤い瓦屋根が目立つ家並みだろう。その赤い瓦は石見地方特産の「石州瓦」だが、石見西部の中心都市・益田(ますだ)には、その石州瓦で建物全体が覆われた施設がある。それが「島根県立石見美術館」と「島根県立いわみ芸術劇場」で構成される複合施設「島根県芸術文化センター」、愛称「グラントワ」だ。美術館と劇場がひとつになった複合施設であるのも珍しいが、なんといってもグラントワ第一の特色は「建物の外観」。屋根に12万枚、壁面に16万枚、合計28万枚という赤い石州瓦で覆われた巨大な建物が陽光に照り輝く姿は、圧巻のひと言に尽きる。ゆえに、たとえ美術館の展覧会や劇場での上演を見ることはできなくても、「この建物をひと目見たい」という人が多数訪れている。「グラントワ(Grand Toit)」とはフランス語で「大きな屋根」を意味し、「その下に人々が集う」ことをイメージしている。地元の人々が憩う場、また旅人が訪れる場として、この「石州瓦の殿堂」に多くの人々が集う。

石州瓦は耐久性に優れ、頑丈で地震や台風にも強い。まさしく「石州瓦の鎧」だ} 石州瓦は耐久性に優れ、頑丈で地震や台風にも強い。まさしく「石州瓦の鎧」だ

島根県西部の芸術文化の一大拠点

2005年(平成17)に開館したグラントワは、「建物そのものがひとつの芸術」と言って過言ではないが、もちろんそれだけの施設ではない。石見地方の「芸術文化の殿堂」、島根県西部の芸術文化の一大拠点として大きな役割をになっている。芸術劇場は音響効果を高める構造と充実した設備、広い舞台をもつホールを備え、従来は大都会でしか楽しむことができなかったような質の高い音楽コンサートや演劇、オペラ、バレエ、ミュージカルなどを楽しめる。伝統の石見神楽とモダンなダンスを融合した斬新な公演が行われることもある。また美術館では、石見地方の文化に根差しつつ、新しい切り口で様々な芸術を紹介。「森鷗外ゆかりの美術家の作品」「ファッション」「石見の美術」を中心としたコレクションを展示するほか、多彩なテーマの企画展を年4回程度開催している。「ファッション」をテーマにする美術館は全国でも珍しい。

美術館のロビー。外観だけではなく、館内も「芸術文化の殿堂」にふさわしく荘厳な雰囲気だ} 美術館のロビー。外観だけではなく、館内も「芸術文化の殿堂」にふさわしく荘厳な雰囲気だ

外観だけでなく、館内の廊下や壁も「赤茶色」が基調となり、落ち着いたムードを漂わせている} 外観だけでなく、館内の廊下や壁も「赤茶色」が基調となり、落ち着いたムードを漂わせている

「OROCHI」と「南瓜」が迎えてくれる

エントランスの前庭では、大きい石造りの彫刻モニュメント「OROCHI」が迎えてくれる。東京スカイツリー®のデザインを監修した彫刻家・澄川喜一(すみかわきいち)によるもので、石見神楽でも舞われる「おろち(大蛇)」は、赤い石州瓦とともに石見地方のシンボル的存在だ。澄川喜一の彫刻作品は、館内にも常設で複数展示されている。美術館の入り口では、「前衛の女王」草間彌生(くさまやよい)の「南瓜」が異彩を放つ。また、広い中庭は赤い石州瓦に覆われた巨大な建築が水盤に美しく照り映える。中庭ではヨーロッパの広場を思わせる祭りやバザールなどのイベントも開催されることもある。回廊に囲まれた中庭にはベンチも置かれ、水盤のリフレクションを眺めながら、瞑想にふけることもできる。また館内にはランチやスイーツを提供するレストランやライブラリーもあり、一日ゆっくり楽しめる。

前庭で来訪者を迎える「OROCHI」は、石見神楽の大蛇をイメージしたもの。御影石で造られた巨大なモニュメントは腰かけることもできる} 前庭で来訪者を迎える「OROCHI」は、石見神楽の大蛇をイメージしたもの。御影石で造られた巨大なモニュメントは腰かけることもできる

美術館の入り口で、存在感を放つ「南瓜」(展示されない期間もある)} 美術館の入り口で、存在感を放つ「南瓜」(展示されない期間もある)

雪舟と人麻呂ゆかりの地を巡る

このグラントワがある益田は、水墨画で有名な画聖・雪舟(せっしゅう)、また、『万葉集』第一の歌人と称えられる歌聖・柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)の終焉の地とされる。そして周辺には、雪舟や人麻呂ゆかりの見どころが多い。雪舟が作ったと伝わる2つの寺の庭園や雪舟の墓所、人麻呂を祀る神社、人麻呂終焉の地を望む「万葉公園」などは、いずれもグラントワから車で10分とかからない場所にある。雪舟や人麻呂をしのび、ゆかりの場所を巡り、そしてこのグラントワを訪れたなら、石見の旅がひときわ印象深く心に残るに違いない。

青空のもと、大きな水盤に石州瓦の赤が照り映えるシーンは、まさしく「絶景」} 青空のもと、大きな水盤に石州瓦の赤が照り映えるシーンは、まさしく「絶景」

館内から望む中庭も端正なたたずまいで、光の具合によって違った趣がある} 館内から望む中庭も端正なたたずまいで、光の具合によって違った趣がある

スポット詳細

住所
島根県益田市有明町5-15 map map 地図
電話番号
0856311860
時間
[島根県立石見美術館]9:30-18:00(展示室への最終入場17:30)
[島根県立いわみ芸術劇場]9:00-22:00
休業日
[島根県立石見美術館]火、年末年始
[島根県立いわみ芸術劇場]第2・第4火、年末年始
料金
【島根県立石見美術館】
[コレクション展]一般300円、大学生200円、高校生以下無料
[企画展]一般1,000円、大学生600円、小中高生300円
※企画展によって変更になる場合があります。
駐車場
あり(約240台)
クレジットカード
可(VISA、MasterCard、JCB、その他)
電子マネー/スマートフォン決済
可(Suica、PASMO、QUICPay、iD、Apple Pay、PayPay、LINE Pay、d払い、auPAY、ALIPAY)
Wi-Fi
あり(FreeWi-Fi)
喫煙
可(指定場所にて)
車椅子での入店
乳幼児の入店

情報提供: ナビタイムジャパン

アクセス

map map 地図

最寄り

          周辺の駅はありません。 周辺のバス停はありません。 周辺の駐車場はありません。 周辺のインターチェンジはありません。
          行程表クラウド ティザー

          - NEARBY HOTELS -

          周辺のホテル

          - NEARBY RESERVED PARKING -

          周辺の予約制駐車場

          parking photo

          【予約制】akippa 株式会社丸田幸町駐車場

          parking icon 711m

          予約状況link icon

          NAVITIME マイプレイス インバウンドプランの紹介

          このスポットを共有

          back

          クリップボードにコピーしました