極楽寺

寺院

癒やしたっぷり。鎌倉唯一の真言律宗の名刹

極楽寺は鎌倉市極楽寺にある真言律宗の寺で、大和国(奈良県)生まれの名僧・忍性(にんしょう)が開山。小さい境内ながら季節を感じられ、春の桜、夏のサルスベリやアジサイ、秋の彼岸花、冬の沈丁花や梅など、四季折々に楽しめる。また、複数の霊場札所を務め、御朱印を求めて多くの人が訪れる。

山門は閉じているが、脇のくぐり戸からかがんで入る} 山門は閉じているが、脇のくぐり戸からかがんで入る

極楽寺といえば忍性なしには語れない

極楽寺は江ノ電「極楽寺」駅から歩いて2分の線路沿いにある。度重なる災害によって現在は小さな境内が残るのみだが、建立当時は七堂伽藍と多くの子院を持つ大寺院であった。1259年(正元元)に北条義時の三男・重時が建立したが完成の前に亡くなったので、息子である6代執権・長時と業時兄弟が1267年(文永4)、律宗の僧・忍性を迎えて開山。忍性は聖徳太子の時代から継承されてきた寺院、病院、薬局、社会福祉施設からなる四箇院(しかいん)を設け、老人や病人のための福祉事業を手がけた。ハンセン病患者の受け入れや、弱った家畜のために日本で初めての馬病屋(動物施院)を造るなど、境内は医療・福祉施設の役割を幅広く担い、忍性は医王如来と崇められる。ほかにも、土木事業や交通政策など幕府の役割も代行した忍性は当時、地獄谷と呼ばれていたこの辺り一帯を建て直し、没後は後醍醐天皇から忍性菩薩の称号を賜る。奥ノ院には忍性の墓・大五輪塔、本堂手前には名残の石臼と製薬鉢が残っている。

左の草が茂っている鉢は薬草を磨り潰すのに使っていた製薬鉢。右は石臼} 左の草が茂っている鉢は薬草を磨り潰すのに使っていた製薬鉢。右は石臼

多くの文化財を蔵する本堂

桜の季節には満開のアーチができる参道の突き当たりに本堂があり、文殊菩薩坐像と忍性菩薩像が祀られ、右手にある転法輪殿(宝物館)には国の重要文化財である本尊・釈迦如来立像や十大弟子立像が安置されている。いずれもふだんは入堂不可なので拝観することはできないが、文殊菩薩坐像と忍性菩薩像、釈迦如来立像は毎年4月7・8日、十大弟子立像は4月7・8日、4月25日~5月25日、10月25日~11月25日の火・木・土・日曜のみ(雨天休館)ご開帳される。

極楽寺の多くの子院は震災などで焼失} 極楽寺の多くの子院は震災などで焼失

御朱印の楽しみと境内散策

極楽寺はいくつもの霊場の札所でもある。いただける御朱印は、極楽寺の御本尊「本尊釈迦如来」、鎌倉三十三観音霊場22番札所「如意輪観世音菩薩(にょいりんかんぜおんぼさつ)、鎌倉二十四地蔵尊霊場20番札所「導地蔵尊」など。「導地蔵尊」はお地蔵様の姿の朱印を押してもらえる。自分がお参りした仏様の御朱印をいただいて帰ろう。

今回いただいたのは「本尊釈迦如来」} 今回いただいたのは「本尊釈迦如来」

転法輪殿前に八重と一重、両方が咲く桜の木がある。「御車返し(みくるまがえし)」といわれる桜で、極楽寺の「御車返し」は鎌倉・材木座の桐ヶ谷が原産。「桐ケ谷桜」とも呼ばれており、本尊開扉時の4月上旬が見頃だ。

開花時期に見てみたい「御車返し」。一枝に八重と一重の桜が混生する} 開花時期に見てみたい「御車返し」。一枝に八重と一重の桜が混生する

極楽寺駅周辺も見どころいっぱい

極楽寺で御朱印がもらえる「導地蔵」は極楽寺駅からすぐ、極楽寺の門前にある。見たところ民家のようで、縁側は道行く人の休憩所になっているが、中にはしっかりお地蔵様が祀られている。導地蔵の右手には江ノ電の長谷駅と極楽寺駅を結ぶ極楽寺トンネル「極楽洞」があり、レンガ造りの坑門から顔を出す江ノ電が絶好の撮影スポット。さらに右手に走る「極楽寺坂切通」は長谷坂ノ下から七里ヶ浜までの抜け道で、昔は京都~鎌倉間の重要な出入り口だった。この道路を開いたのも忍性。この道は1333年(元弘3)新田義貞の鎌倉攻めに遭うが、北条が新田勢の侵入を食い止めたことでも有名。

人々のくつろぎの場所になっている導地蔵(みちびきじぞう)} 人々のくつろぎの場所になっている導地蔵(みちびきじぞう)

左上/「極楽寺トンネル」は全長200ⅿ左下/切通右/極楽寺坂の碑文} 左上/「極楽寺トンネル」は全長200ⅿ左下/切通右/極楽寺坂の碑文

スポット詳細

住所
神奈川県鎌倉市極楽寺3-6-7 map map 地図
エリア
鎌倉エリア
電話番号
0467223402
時間
9:00-16:30
料金
[宝物殿]300円(4月7日・8日、本尊ご開帳時は700円)
駐車場
なし
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
不可
Wi-Fi
なし
コンセント口
なし
喫煙
不可
滞在目安時間
0-30分

情報提供: ナビタイムジャパン

このスポットを紹介している記事

クチコミ

  • 静かな境内です。
    4.0 投稿日 : 2022.08.27
    極楽寺のこの辺りは鎌倉時代は地獄谷と呼ばれた忌地であったらしい。死骸や恵まれない人の供養や面倒見る為に北条泰時の弟である北条重時が開基した真言律宗のお寺
  • ちょっと早かったです
    3.0 投稿日 : 2021.03.02
    2月に訪れましたので梅の季節にも少し早かったようです極楽寺駅すぐ山門から線路が見える場所にありますほとんど参拝者もいなかったせいか趣にある時を過ごすことができました。
  • 静かなお寺
    3.0 投稿日 : 2020.08.30
    極楽寺駅周辺は、ドラマや映画の舞台として人気のある場所です。そこにあるお寺が極楽寺で、お寺そのものも静かな感じです。

TripAdvisorクチコミ評価

もっと見る

アクセス

map map 地図

最寄り

          周辺の駅はありません。 周辺のバス停はありません。 周辺の駐車場はありません。 周辺のインターチェンジはありません。

          このスポットを共有

          back

          クリップボードにコピーしました