佐賀

有田・伊万里

ARITA / IMARI

有田焼や伊万里焼の窯元が立ち並ぶ焼き物の里

焼き物のメッカである有田町には数々の窯元が集まる。佐賀県立九州陶磁文化館で陶磁器の歴史を学べるほか、有田焼をテーマにした有田ポーセリンパークやギャラリー有田といった観光施設も人気だ。アリタセラは、約6万6160平方メートルの敷地に陶磁器ショップが立ち並ぶ有田焼のショッピングモール。ふだん使いのものから高級美術陶磁器まで、さまざまな有田焼を購入できる。観光の合間に、地元住民に親しまれるヌルヌル有田温泉で立ち寄り湯をして、旅の疲れを癒やすのも良い。有田と並ぶ焼き物の産地である伊万里市では、藩政時代の焼き物の里を再現した鍋島藩窯公園・大川内山を訪れ、往時の雰囲気を楽しもう。いまり夢みさき公園は海岸沿いの自然豊かな都市公園。登り窯をモチーフにした巨大遊具があるほか、四季折々の草花が咲き誇り、家族連れやカップルにも人気だ。

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エリアの見どころ

  • spot 01
    福珠窯
    伝統とトレンドを融合させた陶磁器作りの有田焼窯元
    JR博多駅から特急列車で約2時間、陶磁器の町・有田にある、福珠窯。伝統ある有田焼を作りながら、モダンな雰囲気を取り入れる。手描きの絵付けを得意とし、伝統のなかに新しさを感じるデザインを創造し続けている。
    森に囲まれた福珠窯。職人の技が反映された作品に出合える
  • spot 02
    ギャラリー有田
    2500客の有田焼コーヒーカップに囲まれて楽しむ食事と喫茶
    2500客もの有田焼コーヒーカップがディスプレイとして店内を彩る、焼きものの里ならではのレストラン。地元の食材を生かした食事や飲み物をいただくことができ、ホットドリンクを注文すれば、お好みのカップを選ぶ楽しみもある。
    テーブル席を取り囲むコーヒーカップのディスプレイ
  • spot 03
    有田ポーセリンパーク
    堂々とそびえるヨーロッパ風の宮殿は有田焼のテーマパーク
    有田焼のギャラリーを中心に、陶磁器ショップや酒蔵、土産物店、レストランなどが集まるテーマパーク。ドイツのツヴィンガー宮殿を再現した建物がシンボルだ。有田に来たらぜひ立ち寄りたいスポットのひとつ。
    18世紀に建てられた現存するドイツの宮殿を模した建造物
  • spot 04
    ヌルヌル有田温泉
    圧倒的なヌルヌル泉質が魅力の有田の立ち寄り湯
    焼きものの里・有田の近郊にある、源泉かけ流しと極上のヌメリ感を味わえる温泉。名前のとおり、ヌルヌルした泉質で、しっとりした湯上がりだ。日々の疲れを癒やして、リラックスするのに最適。大浴場や冷鉱泉のほか、室温約90℃のサウナも人気がある。
    驚きのヌメリ感を味わえる源泉かけ流しの湯
  • spot 05
    佐賀県立九州陶磁文化館
    佐賀を中心に九州全域の陶磁の歴史と文化に触れる
    有田焼や伊万里焼をはじめ九州各地の陶磁器の名品を数多く収蔵・展示するミュージアム。リニューアルされた常設展示「有田焼の歴史」では、有田焼の名品と映像を組み合わせて有田焼の多彩なストーリーを体感。江戸時代の有田焼(古伊万里)のコレクションは圧巻。
    第1展示室「有田焼の歴史」
  • spot 06
    アリタセラ
    ショッピングから宿泊まで有田焼を堪能できるモール
    ショッピングモールとして多彩な有田焼を集めた、アリタセラ。陶磁器の専門店はもちろん、有田焼の器で食事を楽しめるレストランやホテルなどいろいろなスタイルで有田焼を楽しめる。伝統ある陶磁器をカジュアルに触れてみたい人におすすめ。
    さまざまな有田焼をまとめて楽しめる複合施設
  • spot 07
    鍋島藩窯公園・大川内山
    鍋島藩保護の焼きもの技術が集約された秘窯の里
    鍋島藩直営の窯や発掘された古窯跡、陶工の家、関所といった、歴史的価値の高いものが集まる公園で、まるで伊万里焼の隠れ里のよう。2003年(平成15)には国指定の史跡に、2016年(平成28)には文化庁から「日本遺産」に認定された。
    坂には豊かな自然とともに窯里ならではの風景が広がる
  • spot 08
    深川製磁 CHINA ON THE PARK
    日本をそして世界を驚嘆させた絢爛たる大花瓶
    有田焼の窯元、深川製磁が運営するCHINA ON THE PARK。同社の「歴史」と「今」を体感できる忠次舘(ちゅうじかん)と、アウトレット品などが購入できる瓷器倉(じきぐら)の施設は豊かな自然の中にある。
    忠次舘の目玉の1つとなっている大花瓶
  • spot 09
    陶山神社
    まるで有田焼の野外美術館。匠の技が随所に光る神社
    有田町にある焼きものゆかりの神社。境内にある鳥居、狛犬、欄干、灯篭などは有田らしく陶磁器でできている。また、神社のなかを線路が通っており、鳥居の目の前を電車が通過する様は珍百景の名にふさわしい。
    「焼きものの神様」として信仰を受ける陶山神社
  • spot 10
    いまり夢みさき公園
    伊万里焼がモチーフの大型複合遊具が子どもに大人気
    焼きものの里・伊万里らしいオリジナルの大型複合遊具がある公園。海と山に囲まれた自然豊かな広大な敷地に、子どもたちが楽しめる遊具や芝ソリゲレンデ、芝生公園などが整備され、美しい景観と相まって市民の憩いの場所となっている。
    焼きものの窯など伊万里焼に関するものをイメージした巨大遊具
  • spot 11
    チムニー
    絶品のご当地グルメ、伊万里牛メニューを召し上がれ
    きめ細やかで上品な味わいの肉質で知られる最高級牛肉が伊万里牛。佐賀では優れた技術をもつ飼育農家が伊万里牛を生産している。そんな佐賀の地で創業45年、地元の人々や観光客に愛されている老舗の洋食店。佐世保発祥のご当地グルメ「レモンステーキ」と伊万里牛ハンバーグを食べられる。創業以来変わらぬ味を守り続けるレモンステーキは伊万里を訪れたら必ず食べたい一品。特製の甘辛いタレと酸味の利いたレモンソースのバランスは絶妙だ。煙をまとって鉄板の上でジュージュー音を立てながら運ばれてくる肉は、あつあつのうちにいただこう。また、伊万里市の町おこしとして提供されるようになった「伊万里牛ハンバーグ」も卵と牛乳などのつなぎをいっさい使っていないのでアレルギーをもつ子どもも安心して食べられる。JR筑肥線の伊万里駅から徒歩9分と、アクセスがいいのもうれしい。
    酸味が絶妙なレモンステーキ。焼き加減はお好みで。それぞれセットで伊万里牛ヒレ(3000円)、ロース(2800円)、切り落とし(2500円)
  • spot 12
    陶祖 李参平窯
    有田焼を始めた初代李参平の姿を追う十四代
    日本の陶磁器を大きく発展させたのは、豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に連れてこられた何百人という朝鮮の陶工たちだった。そのなかで、日本初の磁器を完成させたのが李参平。現在、十四代目がその意志を継いでいる。
    「生掛け茶碗」(6600円)。これで、おかゆを食べるのがおすすめだという
  • spot 13
    泉山磁石場
    有田焼の原点となった陶石が発見された奇跡の山
    JR佐世保線上有田駅から車で2分ほど。広場の先に薄い茶色と白が混ざったような荒々しい岩場が見えてくる。この泉山磁石場は、有田焼の祖である李参平らによって1616年(元和2)頃に発見された。ここの石を原料とすることで有田焼が産業として確立。いわば泉山磁石場は有田にとって奇跡の山であり、聖地だといえる。有田周辺はかつて火山活動が活発なところだった。現在の地形はおよそ250万年前、マグマが冷えてかたまった流紋岩という岩石からできている。だが、泉山磁石場だけが周囲と違い、白い。それは磁石場が最大200mに及ぶ火山灰や火山礫によって覆われていたためだと考えられている。およそ217万年前、磁石場はマグマと同じ経路を通って上がってきた約300℃の熱水(火山ガス)の作用を受けたが、そのとき火山灰が蓋となっていたため熱水が岩の中に溜まり、数万年にわたって岩を「煮込んだ」のだった。その結果、鉄分が抜けた白い粘土質がつくり出されたという。蓋となっていた火山灰は、その後200万年かけて水によりけずられ、白い岩山が露頭し発見された。
    現在は熊本県天草から産出される良質の石が使われているが、泉山磁石場の石にこだわる作家もいる
  • spot 14
    香蘭社
    伝統的な窯元から現代的な新ブランドが誕生
    初代深川栄左衛門が陶磁器の製造を始めたのは1689年(元禄2)のこと。明治維新により鍋島藩からの保護を失うと、8代深川栄左衛門が明治初期に磁器による電信用碍子(がいし)の製造に成功。ちなみに今でも碍子の製造は行われている。その後栄左衛門は、選りすぐりの陶工や絵師たちを集め、1875年(明治8)年、合本組織をつくる。それが香蘭社の始まりだ。パリ万国博覧会で金賞を受賞するなど海外での評価を高めていった香蘭社の歴史は、有田本店2階の古陶磁陳列館でも垣間見ることができる。高級感漂う深い藍色の器が「香蘭社スタイル」や「香蘭社調」と称される代表的な作品群だが、つねに新しいものへ取り組む姿勢は変わらない。2021年(令和3)には、現代のライフスタイルに寄り添った新ブランド「by koransha」が誕生した。「日々の暮らしの器」がコンセプトだが、カップなどの感触はこれまでの陶磁器とはまったく異なり、手にやさしくなじんでくる。この不思議な感覚の新ブランドは、これからさらに注目されそうだ。
    「by koransha」からは高い品質とデザインの作品が次々と登場している
  • spot 15
    源右衛門窯
    伝統的な手仕事の磁器づくりにこだわる窯元
    家庭用の食器を中心にインテリアから工芸品まで、現代の暮らしを彩るさまざまな製品を作り続けている窯元。ろくろ、絵付けなどすべての工程で、熟練した各分野の専門陶工たちが作業に励み、古伊万里の心を受け継いできた。現在、職人は約60人。それぞれの作業に集中していて、工房の中はひっそりとしている。緊張感がこちらにも伝わってくるかのようだ。その作品群をギャラリーで楽しめるのはもちろんだが、源右衛門窯では、その工房の見学を予約なしでも自由にできる。有田の手仕事で作業を行っている窯元で工房が見学できるのは、今では源右衛門窯くらいだといわれている。工房の隣には窯もあり、高いレンガ造りの煙突がそびえている。敷地内には、1973年(昭和48)に6代源右衛門により開設された古伊万里資料館もある。
    昔ながらのたたずまいの工房
  • spot 16
    ARITA PORCELAIN LAB 有田旗艦店
    伝統技術を生かしたモダンでラグジュアリーな有田焼
    昭和初期に建てられたという渋さが感じられる建物の中に、まるで美術館のような光景が広がる。ARITA PORCELAIN LABが誇るラインアップの代表ジャパンシリーズの作品が並べられた部屋だ。シンプルな色合いから伝統を感じさせる柄の作品まで、多彩な焼物はじっくりと鑑賞したくなる。ARITA PORCELAIN LABは、1804年(文化元)に創業された弥左ヱ門窯を現代のライフスタイルに合わせたモダンブランド。伝統ある古伊万里様式の技術を受け継いできた窯元が、その門外不出の技術を生かして、モダンでラグジュアリーなライフスタイルを提案する有田焼を生み出した。ジャパンシリーズのほかに、熟練の職人が絵画のように手書きしたギャラリー、伝統的な吉祥模様の陰影を表現したゴーフルなど8つのラインアップをそろえている。また、隣には約30席用意されたカフェもあり、本格的なランチも提供している。カフェではARITA PORCELAIN LABに並ぶ器が使われているので、ぜいたくなひとときを過ごすことができる。
    芸術品のようなジャパンシリーズが展示された部屋
  • spot 17
    カネアオ
    30代、40代の同世代にアプローチしたい作品を集めた店
    1902年(明治35)創業の成富本店の4代目当主、成富巧さんと奥様が、30代から40代の同世代に向けて、自分たちも使いたい作品や新しい作品をセレクトした店。2015年(平成27)年からオンラインショップを始め、その2年後、成富本店の屋号に由来するカネアオの実店舗をオープンした。店内には、昔風の柄が施された皿や器も見られるが、日常生活のなかで使いたくなるシンプルな器やかわいらしいデザインの小物などが目立つ。見ているだけでも楽しくなってくる作品ばかりだ。市松模様などの四角い台がグラスと一体となったユニークな作品もあり人気の一品となっている。価格帯もリーズナブルなものをそろえるように配慮しているという。有田焼を基本としつつも、2割ほどは近隣の波佐見焼の作品。また、新しい作家との出会いも大切にしていて、動物をモチーフとした作品が特徴的な北九州市の作家COCOSTONE(ここすとーん)の焼物も置いている。
    カネアオの店内。食器も小物も使いやすく、遊び心のあるものが並んでいる
  • spot 18
    長春青磁陶窯
    原石100%にこだわり生まれる神秘的な青磁
    店内に入ると、視線が吸い込まれるような、やわらかく、淡く、それでいて力強くもある青磁のやきものの色合いに引き込まれる。長春青磁陶窯の色としか言い表せない不思議で神秘的な青だ。その秘密は、大川内山で産出される青磁原石を100%使った釉薬からの発色。現代的な化学釉はいっさい使っておらず、その技法を用いているのは長春青磁陶窯だけだという。原石を採掘しながら良質な部分を見分けることがまずは大切で、その原石の使いこなし方にもたいへんな難しさがある。形をつくって焼き上げた場合の縮み方も、普通は15%程度なのに対し20%以上となり、焼いても美しい青さが出るとは限らない。長春青磁陶窯には、その失敗例なども展示されている。焼物について知ることができるとともに、青磁に真摯に向き合う姿勢もうかがうことができる。
    青磁の湯呑み。持ちやすく、口あたりもよい
  • spot 19
    瀬兵窯 陶筥
    温もりのある刷毛目に生かされた独自の技術
    伊万里大川内山の中ほどにある瀬兵窯のギャラリー陶筥。店内にはモダンなデザインの器が並ぶ。伊万里鍋島焼の瀬兵窯がこだわるのは自然との調和。透明色の赤絵の具による上絵付けは、日本で唯一、瀬兵窯だけがもつ独自の技術だ。その技術で作られた「赤刷毛目(あかはけめ)」や「黒刷毛目」と呼ばれる作品群はギャラリーのいちばん人気となっている。天然の色素を生地に吸わせることで独特の淡さが感じられ、ほかにはない雰囲気を醸し出している。ほかにも、やさしい風合いのなかにも凛々しさが感じられるシンプルな白磁の皿やカップ、湯呑みなどもいろいろなタイプがあり、日常生活を豊かにしてくれそうだ。2階では、テーマにあわせた展示もされている。古い建物にも味わいがあって、店内の滞在時間も楽しい。さらに、喫茶スペース「響」が併設されていて、珈琲セット・焼菓子付き(600円)などを味わえる。陶筥の前には新風という店舗もあり、古伊万里を中心とした器を見ることができる。
    天然素材を使い自然と調和する美しさにこだわった器が並ぶ陶筥の店内
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旅のヒント

  1. その1

    有田町の旅の拠点はJR佐世保線の有田駅。一方で、伊万里市はJR筑肥線の伊万里駅が拠点となる。

  2. その2

    有田町と伊万里市の間は松浦鉄道で約25分。高速道路の場合、伊万里市の最寄りは武雄北方ICで、伊万里市内まで約30分。波佐見有田ICから有田町内まで約5分。車の場合は、有田町を拠点に伊万里市へ移動するのがスムーズだ。

  3. その3

    佐賀県立九州陶磁文化館やギャラリー有田は佐賀駅から徒歩圏内。有田ポーセリンパークは有田駅から約4km、タクシーで約8分。波佐見有田ICから車で約3分と近く、車移動がおすすめだ。

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