香川

坂出・丸亀

SAKAIDE / MARUGAME

昔ながらの産業と近代化の両面を感じられるエリア

香川県の中西部に位置し、県庁所在地である高松市に次ぐ第二の都市である丸亀市と、瀬戸内海に接し本州と四国を結ぶ瀬戸大橋の四国側の玄関口である坂出市。両市とも高知県や愛媛県との県境に近く、四国内のハブ的な街でもある。丸亀城を中心に配された丸亀市は、金比羅山への参拝口で、そのお参りの土産ものの一環として始まったのが、丸亀うちわ。竹から手作業でうちわを生み出していく伝統工芸士が多数存在するなど、一大産業として定着し、現在でも生産量は全国の約9割と日本一を誇る。ほかにも農業が盛んで、おもな生産物は米や野菜、菊など。一方の坂出市は、北部が埋立地・干拓地になっており造船や科学工業などの製造業や、運輸業など四国の玄関口ならではの産業が多い。瀬戸大橋の架かっている与島や櫃石島、岩黒島、小与島、鍋島、小瀬居島、羽佐島、歩渡島、三つ子島、室木島、小裸島など塩飽諸島も坂出市に属する。両市ともに香川県を語るうえでかかせないさぬきうどんの製麺所が市内各所に点在し、看板を出さないで営業する地元民だけに知られているような隠れ家的老舗も多いので、掘り当てる楽しみのあるエリアだ。

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エリアの見どころ

  • spot 01
    瀬戸大橋記念公園
    本州と四国を結ぶ瀬戸大橋のたもとで、その歴史を知る
    世界に誇る長大橋群の完成を記念して、架橋の意義や歴史を後世に伝えるために整備された公園。巨大な造形美瀬戸大橋を背景に、さまざまな広場や展示場が配されており、憩いの場として地元の人たちに親しまれている。
    正面入り口から入園すると、瀬戸大橋を模した噴水と水の回廊がお出迎え
  • spot 02
    瀬戸大橋タワー
    瀬戸内海をぐるりと一望できる、約10分間の空中散歩
    瀬戸大橋記念公園内、そして瀬戸大橋のたもとにある「瀬戸大橋タワー」は高さ昇降108m、地上からは最大132mの高さまで到達する回転式展望タワー。1988年(昭和63)に完成してから一度はその座を譲ったこともあるが、現存し運行しているものとしては世界一の高さを誇る。ドーナツ型で外側を向くように配置された展望席は100席。瀬戸大橋についての説明アナウンスを聴きながら上昇し、最も高い地点に到達したところでゆっくりと3回転するので、瀬戸内の島々や、坂出市の街並みまで360度どの方向からも周辺の景色を堪能できる。
    世界一の高さを誇る回転式展望台がゆっくりと上空へ
  • spot 03
    五色台
    瀬戸内の島々が織りなす絶景ドライブ
    眼下に広がる瀬戸内海の小さな島々や瀬戸大橋の全貌を眺望することができる五色台スカイライン。坂出市と高松市の市境を走る香川県道281号に沿って、道中にはいくつかの展望台が設置されており、四季折々の景色を楽しむことができる。
    天気の良い日は岡山まで一望できる五色台からの瀬戸大橋
  • spot 04
    四国水族館
    身近な水景をリアルに再現した、新しいスタイルの水族館
    2020年(令和2)にオープンした、四国水族館。四国の水景に特化した展示は、その海や川に生息する生き物だけではなく、時間や四季折々の景色まで再現されており、この地にあるからこその地域文化が感じられる展示になっている。
    海辺に立つ白い建物が青空に映える
  • spot 05
    香川県立東山魁夷せとうち美術館
    四季折々の自然を愛した瀬戸内ゆかりの日本画家の美術館
    坂出市とゆかりの深い日本画家・東山魁夷の版画作品寄贈を受け、瀬戸大橋を望む海辺に設立された美術館。所蔵作品の展示のほか、画伯や画伯ゆかりの日本画家の作品展示を通じて積極的なアート交流を行う。
    周辺の木々と直線的な外観のコントラストが美しい
  • spot 06
    丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
    猪熊弦一郎のこだわりが細部まで散りばめられた美術館
    丸亀市ゆかりの画家・猪熊弦一郎の全面的な協力のもと、市制施行90周年記念事業として1991年(平成3)に開館。自身の作品はもちろん、現代美術に市民が気軽に触れ、感性や創造力をはぐくむことを目指した施設になっている。
    壁画、オブジェ、ファサードまで計算し尽されている 撮影:増田好郎
  • spot 07
    丸亀城
    天守から瀬戸内海を望む、石垣の名城
    累計で日本一の高さを誇る石垣は圧巻! 江戸時代初期の最高水準の技術をもって、独特の反りをもたせ緻密に積み上げられた石垣の上に建てられ、小さくとも存在感を放つ天守からは丸亀の街を一望できる。攻め入ることが困難だった「日本100名城」のひとつ。
    美しく積み上げられた石垣の上に鎮座する天守
  • spot 08
    がもううどん
    讃岐うどん文化を支えてきた、四国の玄関口坂出の名店
    温暖な気候で晴天が多く、農作物の栽培がさかんな香川県。稲作の合間に小麦の栽培を行ってきたが、水不足と付き合っていくなかで小麦の栽培が盛んになったことから、うどん文化が発達したといわれる。本州との玄関口となる坂出市は1988年(昭和63年)に瀬戸大橋が開通したことから、讃岐うどんを目指して香川県を訪れる来客の目的地となり、代表的な地域としても知られるようになった。なかでも人気の「がもううどん」は坂出ICから車でおよそ10分ほどの田んぼと住宅街のなかに、ポツリとたたずむ店。1959年(昭和34年)の創業以来、変わらない味で早朝から地元民のお腹を満たしてきた。店に入ったら入り口で麺を注文しお金を払ってから、自分で出汁をかけるセルフスタイル。つるりとした食感の細めの麺と、あっさりながらもコク深いカツオベースの上品な出汁が良く合う。毎日食べても飽きないようにと、計算しつくされた一杯を求めて足を運ぶ人が多い。天気の良い日は野外席で豪快にすするのも気持ちが良い。
    毎日食べても飽きないやさしい出汁で味わうかけうどん
  • spot 09
    丸亀うちわミュージアム
    日本一のうちわの魅力と歴史を学ぶ
    日本一のうちわの生産を誇る丸亀市。国の伝統的工芸品でもあるその「丸亀うちわ」の歴史を伝え、貴重な文献や道具などを展示する総合博物館。館内では伝統工芸士などによるうちわ作りの実演を間近で見ることができる。
    うちわのロゴがデザインされた白色の建物
  • spot 10
    骨付 丸亀鳥
    半世紀を超える歴史のある、丸亀のご当地グルメ
    ニンニクの効いたスパイスに漬け込んだ鶏のモモ肉をまるごと1本豪快に焼き上げたものが、丸亀のご当地グルメ、骨付鳥。ここ丸亀鳥の骨付鳥は、トッピングにかいわれ大根が載っていることと、たっぷりの鶏油(ちーゆ)で焼き上げていること、そしてスパイスの辛さが控えめなので子どもでも食べやすいのが特徴だ。大将と女将さんが切り盛りするアットホームな雰囲気で、串焼きやお酒のアテになる一品料理もあるほかカウンターには大将の気まぐれでその日のおばんざいも並んでいる。骨付鳥は焼き上がるのに時間がかかるので、それを待つ間に一品料理やおばんざいで軽く一杯……というのが定番のスタイルだ。骨付鳥は、ジューシーでやわらかい「若」と、身がしっかりしていて嚙むほどに味わいの増す「親」の2種類。鳥にかぶりつきつつ、キャベツやおにぎりを皿に残った油にひたして食べれば、鳥のうまみを余すところなく味わえるだろう。
    かいわれ大根がたっぷり載っているのが丸亀鳥の特徴。「骨付鳥 若」1100円
  • spot 11
    ふじむら精肉店
    やわらかくてジューシーな骨付鶏を堪能
    店名のとおり、精肉店が営む焼肉レストラン。こちらで提供する骨付鶏は、基本的には香川県産の地鶏を使っており、鳥本来のおいしさを生かすためにスパイスは比較的マイルドな味付けになっている。スパイスの辛味が強い骨付鶏はビールと一緒に食べるイメージだが、ここの場合はどちらかというとご飯と一緒に食べたい味付けで、子どもでも食べやすいと評判だ。また、一般的に親鶏は硬くて嚙みごたえがあり、若鶏はやわらかくジューシーだが、ここは親鶏もやわらかく仕上げているのも特徴。注文を受けてから一つひとつ焼き上げているので時間がかかるが、焼き上がりを待つ時間も楽しもう。昼は30種類ものランチメニューのほかグランドメニューもオーダーでき、昼から骨付鳥を味わえるのもポイント。精肉店の目利きで仕入れたおいしい肉を、骨付鶏だけでなく焼肉やとんかつ、チキン南蛮などさまざまな料理で味わえる。
    「丸亀骨付鶏」880円。仕上げに鶏のうまみたっぷりのアツアツの油をかけて提供
  • spot 12
    本格手打うどん おか泉
    名物の「ひや天おろし」を目がけて大行列
    11時の開店と同時にたくさんのお客さんが訪れるおか泉(おかせん)。キュッと締まった冷たい麺に、揚げたての大きなエビの天ぷら2尾と野菜の天ぷらを載せ、大根おろしとネギ、ショウガ、ごま、レモンと冷たい出汁をかけて味わうひや天おろしが看板メニューだ。夏は半分以上の客がこれをオーダーするほどで、そのおいしさはもちろん、2尾のエビがそそり立つ華やかなビジュアルも人気の理由の1つだ。その日の温度や湿度によって変わる麺の状態を見極め、鍛え育ててこそ生まれる絶妙なコシと弾力。吟味を重ねた出汁は伊吹島(いぶきじま)のイリコと利尻昆布、さば、ウルメ、かつお節を使用。麺は打ちたて、茹でたて、天ぷらは揚げたてを提供。こうした一つひとつのこだわりが、満足度の高い1杯のうどんを作り上げている。席に着いてから注文するフルサービスの店で、大型連休には開店と同時に行列ができるほどの人気店ながら、注文してから2分ほどでうどんが出てくるというオペレーションも見事だ。
    オープン当初からの看板メニュー、「ひや天おろし」1100円
  • spot 13
    なかむら
    讃岐うどんの奥深さを感じさせる、やわらかい細麺のうどん
    地元客にも観光客にも人気の有名店。讃岐うどんには珍しい細い麺が特徴で、このうどんを求めて大型連休には多くの客が行列を作る。讃岐のシンボル、飯野山(いいのやま)を眺められるのどかなロケーションで、絶品うどんを堪能しよう。
    メニューにはいろいろあるが、麺と出汁をシンプルに味わうならコレ。「かけうどん小」250円
  • spot 14
    中津万象園
    丸亀藩主により造られた回遊式の大名庭園
    庭園の中央に広がる細長い池を中心に、松林を散策したり橋からの景色を眺めたりしながらゆったりと過ごせる庭園。直径15mにもなる「大傘松」や、日本最古の煎茶席「観潮楼」など見どころも満載だ。
    月を迎えるという意味のある「邀月橋(ようげつばし)」は庭園のシンボル
  • spot 15
    飯野山
    「讃岐富士」の愛称で親しまれる、香川県のシンボル的な山
    香川県でよく見られる、まるで昔話に出てくるようなおむすび型の山。そのなかでも有名なのが「讃岐富士」の愛称で知られる飯野山だ。片道約1時間で登れる登山ルートもあるので、四季折々の風景を楽しもう。
    平野のなかに悠然とたたずむ飯野山
  • spot 16
    OIKAZE
    デザイン性の高い丸亀うちわと香川県内の土産物がそろう
    「地域の追い風に」という想いから2019年(令和元)にオープンした土産物のセレクトショップ。扱う商品は決して多くはないが、店主がこだわって選んだものがスッキリとディスプレイされているのが特徴だ。ラインナップは丸亀市のものが中心で、特に力を入れているのは職人が一つひとつ手づくりした丸亀うちわ。伝統的な技法で作られていながら形も色柄も幅広く、おしゃれなアイテムとして使いたくなるものばかりだ。食品では「香川本鷹(かがわほんたか)」という唐辛子の関連商品。この香川本鷹は、豊臣秀吉から拝領して塩飽(しわく)諸島などで栽培されるようになったといわれ、一時は途絶えていたが地域の有志が復活させたというエピソードがある。こうした一つひとつの商品の裏側にあるストーリーをスタッフから聞きながら選ぶのも楽しみの1つだ。また、土産物販売だけでなく地域の資源を掘り起こしたオリジナル商品の開発も行っており、ちょっと気の利いたギフト探しにも利用したい。
    丸亀市の伝統工芸品、丸亀うちわが壁にずらりと並ぶ
  • spot 17
    綾松山 洞林院 白峯寺
    崇徳(すとく)天皇ゆかりの地に立つ、四国霊場81番札所の寺
    讃岐平野と瀬戸大橋を望む五色台(ごしきだい)の中腹にあり、四季折々の草花や瀬戸内海の雄大な自然の景観も堪能できる寺。保元の乱で敗れこの地に配流された第75代崇徳天皇を祀る白峯御陵が隣接しており、崇徳天皇にまつわる言い伝えも多く残っている。
    本尊の千手観音菩薩を祀る入母屋造りの本堂
  • spot 18
    鎌田ミュージアム
    郷土の貴重な資料とユニークなアートを楽しめるミュージアム
    ここでしか見られない貴重な資料や、独特の世界観をもった球体関節人形、そして遊び心いっぱいの醤油画を見られるミュージアム。隣接する庭園「香風園(こうふうえん)」の散策も楽しみたい。
    郷土博物館の建物は1922年(大正11)に図書館として建てられたもの。国の登録有形文化財
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旅のヒント

  1. その1

    このエリアを探索するなら車がオススメ。海に面した絶景や瀬戸内海全域を展望できるドライブスポットがたくさん存在する。

  2. その2

    高松市から坂出市までは国道11号経由で約30分程度、坂出市から丸亀は15分程度と近距離なので同時に周遊することも可能だ。

  3. その3

    美術館や水族館などアート関連の施設も充実。ゴールドタワーや瀬戸大橋記念公園など家族で過ごすのにぴったりのスポットも多数ある。

  4. その4

    瀬戸大橋の架かっている与島にはSAがあり、坂出側に向かっての瀬戸大橋を見ることができるビュースポットもある。それ以外の塩飽諸島群は定期航路がなくチャーター便が必要な場所もあるので、渡るなら予約が必要。

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