岡山

吉備路

KIBIJI

古墳や山城、神社など古代ロマンを感じる歴史と伝説の宝庫

岡山県と広島県東部は、古代には「吉備国」と呼ばれていた。その中心地とされるのが、岡山市北西部、総社市、倉敷市にまたがる吉備路エリアだ。総社市南部の穏やかな田園地帯に立つ備中国分寺の五重塔の姿は吉備路のシンボルになっている。吉備津彦神社、吉備津神社に祀られている吉備津彦命(きびつひこのみこと)が古代山城の鬼ノ城を拠点にする鬼神・温羅(うら)を退治した伝説が、昔話「桃太郎」のもとになったとされている。そして、大和政権にも一目置かれた巨大古墳や史跡を含めて日本遺産「『桃太郎伝説』の生まれたまちおかやま-古代吉備の遺産が誘う鬼退治の物語」に認定されている歴史ロマンあふれるエリアである。総社は室町時代の画僧雪舟の生誕地。宝福寺は雪舟が少年時代に修行したと伝わる。

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エリアの見どころ

  • spot 01
    吉備津神社
    桃太郎伝説のルーツにもなった格式ある古社
    吉備津神社は桃太郎のモデルとされる大吉備津彦命(おおきびつひこのみこと)を祀る吉備の国一宮だ。国宝の本殿と拝殿、360mの廻廊、鬼のモデルとされる温羅(うら)の首が埋められたという伝承が残る御竈殿(おかまでん)などで有名だ。
    横から見た本殿。入母屋破風(いりもやはふ)を2つ並べ棟で結んだ屋根はここだけに見られる様式のため「吉備津造」と呼ばれる
  • spot 02
    吉備津彦神社
    「朝日の宮」とも呼ばれる備前の国の一宮
    吉備津彦神社は日本遺産「『桃太郎伝説』の生まれたまちおかやま~古代吉備の遺産が誘(いざな)う鬼退治の物語~」の構成文化財の1つ。吉備津神社と同様桃太郎のモデルとされる吉備津彦命を祀る、備前国一宮だ。
    飛鳥時代の社殿建築の粋が尽くされた荘厳で華麗な「流造り」
  • spot 03
    造山古墳
    古代吉備国の繁栄を伝える国内4番目の大きさの前方後円墳
    国史跡の造山古墳は、墳丘の全長約350mと全国4位の巨大前方後円墳だ。見学拠点の岡山市造山古墳ビジターセンターも誕生し、さらに造山古墳に隣接する小型古墳である陪塚の千足古墳の復元工事も完了し、さらに注目されるスポットとなっている。
    後円部から前方部を見た風景
  • spot 04
    備中国分寺
    四季を通して絵になる吉備路のシンボル
    総社市南部の丘陵地にある備中国分寺は、奈良時代の聖武天皇が全国に建立させた寺のひとつ。その寺院跡に江戸時代に建造されたのが五重塔で、田畑のなかに立つ姿は吉備路のシンボルとして人気が高い。
    吉備路のメインイメージとなっている五重塔。周辺は遊歩道、サイクリング道が整備されている
  • spot 05
    こうもり塚古墳
    巨大な石室が古代吉備の力を示す前方後円墳
    国史跡のこうもり塚古墳は全長約96mの前方後円墳で、巨石を積み重ねた横穴式石室は全国第3位の規模を誇る。古代吉備国の繁栄を伝える貴重な史跡のひとつだ。
    玄室の長さ8.1m、幅3.6m、高さ3.6m
  • spot 06
    宝福寺
    画聖雪舟が幼少時に修業、涙でネズミを描いたと伝わる禅寺
    水墨画を大成した雪舟(せっしゅう)は、現在の総社市の生まれ。2020年(令和2)、総社市赤浜に「雪舟生誕地公園」が完成したが、ゆかりの地といえばやはり幼少の修行時代、涙でネズミの絵を描いたという逸話が伝わる宝福寺だ。
    三重塔は宝福寺のなかでも最も古い建物
  • spot 07
    鬼ノ城
    桃太郎伝説に登場する鬼の温羅の居城とされる山城
    鬼ノ城(国指定史跡)は、吉備高原の南端、総社平野の北にそびえる標高約400mの鬼城山(きのじょうざん)に築かれた古代山城だ。昔話『桃太郎』の原型だとも伝わる『温羅(うら)伝説』の「鬼の居城」といわれている。
    山の斜面は断崖絶壁の部分もあるが、頂部は平坦な鬼城山。復元された城壁、西門(右の建物)と角楼(城壁の左端)が山の緑に映える
  • spot 08
    足守
    町並み保存地区には江戸時代の陣屋町のたたずまいが残る
    江戸時代に足守藩の陣屋町として栄えた足守地区。名園といわれる近水園(おみずえん)、威厳ある侍屋敷のほか、医師の緒方洪庵(おがたこうあん)や白樺派歌人の木下利玄(きのしたりげん)のゆかりのスポットが点在する。町並みをゆっくり散策しよう。
    風情ある町並みのなかに、普通の生活が息づいているのも魅力
  • spot 09
    近水園
    足守川から取水した池が印象的な旧足守藩主木下家の大名庭園
    県の名勝に指定されている「近水園」は、旧足守藩主木下家の池泉回遊式の庭園だ。築庭時期は定かではないが、18世紀初めと推定されている。足守川から水を引かれた池には、藩主の長寿と繁栄を願って鶴島と亀島が配置されている。そして、鶴島には木下家14代当主で、歌人佐佐木信綱(ささきのぶつな)に師事して短歌を学び、志賀直哉らと文芸雑誌『白樺』を創刊した歌人木下利玄(きのしたりげん)の歌碑が立つ。表面には短歌と利玄の横顔、裏面には師事した歌人佐佐木信綱の撰文(せんぶん)が刻まれている。歌碑は、旧足守藩家臣の子孫や地域住民によって利玄の13回忌に当たる1937年(昭和12)に建てられた。園内とその周辺は、紅葉の名所としても知られる。隣接地には、岡山市立歴史資料館「足守文庫」、木下利玄の生家がある。
    池と背景の宮地山(みやじやま)の木々が調和した美しい大名庭園
  • spot 10
    吉備路もてなしの館
    吉備路観光の拠点となる施設にはおいしいものがいっぱい
    吉備路エリアの中心となる備中国分寺五重塔の道を挟んで南側にある施設。地元の特産品がそろう売店、地元の食材を使った料理を気軽に楽しめる食事処などがあり、窓からは美しい吉備路の風景が眺められる。
    窓から五重塔が見える「やまて食堂」の店内
  • spot 11
    平川雪舟庵
    雪舟のエピソードにちなんだネズミの形の最中
    (現在の)総社市出身の室町時代の画僧・雪舟(せっしゅう)は修行時代のエピソードが有名だ。同市の井山宝福寺で修行した際、和尚さんに叱られてお寺の柱に縛られ、涙でネズミの絵を描いたという。これにちなんでネズミの形をした銘菓「雪舟もなか」で有名なのが1868年(明治元)創業の「平川雪舟庵」だ。北海道産の最高級あずきを直火の羽釜でじっくり炊き、砂糖や水飴を加えて気温を考慮しながら、豆を潰さないよう固さを加減して餡にする。炊き始めから半日以上の時間をかけて練り上げられた餡は、熱を抜くためにさらに1日以上寝かされ、岡山県産の餅粉を自社焼成したパリパリの皮に入れて、ようやく「もなか」になる。「餅入り」「ごまサブレ」「胡桃とアーモンドのフロランタン」といったバリエーションもある。ほかにも、餅菓子の「福味 天柱」、焼きまんじゅう「雪舟の里」などが人気。また、総社市は子育て支援キャラクター「チュッピー」を通じて市をPRする商品を「チュッピーBRAND」として認定しているが、この店のドーナツを油で揚げずヘルシーに仕上げた「チュッピー焼どうなつ」はその第1号に認定されている。
    「雪舟もなか」1個151円
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旅のヒント

  1. その1

    総社市スポーツセンターから岡山県総合グラウンドまでの吉備路自転車道(約25km)を利用してのんびりサイクリングしながら史跡巡りをするのがおすすめ。赤と白のバイカラーで見た目もかわいらしいオリジナル自転車「きびチャリ」をJR総社駅前やJR備前一宮駅前、備中国分寺前などでレンタルできる。

  2. その2

    岡山駅からJR桃太郎線を利用し、吉備津彦神社の最寄り駅「備前一宮」までは11分、吉備津神社の最寄り駅「吉備津」までは15分。

  3. その3

    鬼ノ城へは、岡山自動車道の岡山総社ICを利用、鬼城山ビジターセンターまで9km。そこからは車を停めて歩いて登山することになるので、歩きやすい靴で出かけよう。

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