兵庫

但馬・城崎

TAJIMA / KINOSAKI

天空の城と温泉、豊かな環境に恵まれた兵庫随一の自然満喫エリアへ

瀬戸内から日本海まで南北に広い兵庫県の中間部に位置し、緑深い山々に囲まれたこの地域は、雲海のなかに古城の石垣が浮かんで見える天空の城で一躍有名になった竹田城跡など、豊かな環境に育まれたスポットが点在する、兵庫県随一の自然満喫エリアだ。特に温泉は、兵庫県を代表する湯村温泉と城崎温泉があり、どちらも日本情緒たっぷりで、癒やされること間違いなし。道中には、世界に名高い冒険家・植村直己氏の足跡に触れたり、城下町で食べる出石そばを味わったりと、立ちよりスポットも豊富。

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エリアの見どころ

  • spot 01
    竹田城跡
    「日本のマチュピチュ」と称される豪壮な石垣遺構
    標高約353.7mの山頂に築かれ、廃城から400年以上経った現在も当時の石垣がほぼそのまま残る希少な城跡。当時の石積み方法も観察し、歴史ロマンを感じながら、開放的な風景も満喫しよう。
    天守台から南千畳を望むと絶景が広がる
  • spot 02
    情報館 天空の城
    模型やジオラマで竹田城跡の見どころを紹介
    竹田城跡の歴史的なポイントや石垣遺構の見どころをすべて紹介してくれる施設。JR竹田駅から徒歩1分と好アクセスなので、竹田城跡巡りを何倍も楽しめるよう訪れる前に立ち寄ってみよう。
    朝来(あさご)市観光協会も併設する「情報館 天空の城」
  • spot 03
    立雲峡展望台
    雲海に浮かぶ「天空の城」の展望スポット
    「但馬吉野」と呼ばれ、北近畿の桜の名所としても知られている「立雲峡」。四季で姿を変える竹田城跡の全景を撮影するには最適なスポットだ。立雲峡で幻想的な1枚を撮影しよう。
    第1展望台からの眺め
  • spot 04
    豊岡市立植村直己冒険館
    冒険心をかきたてられる体験型博物館
    豊岡市で生まれ育った世界的な冒険家・植村直己。2021年(令和3)4月にリニューアルオープンした彼の冒険を伝える博物館で、植村スピリットに触れ、新エリアへの冒険に出かけよう!
    森のなかで冒険体験ができる新設の「どんぐりbase」
  • spot 05
    Toyooka KABAN Artisan Anenue
    約250商品が並ぶ豊岡カバンのセレクトショップ
    日本を代表するカバンの生産地・豊岡市。国内の7割のカバンの生産量を誇る「カバンのまち」として全国的に知られ、商店街「カバンストリート」には専門店がずらりと立ち並ぶ。なかでもカバンの複合施設「Toyooka KABAN Artisan Anenue」では、オリジナルブランドの製品をはじめ、地域ブランド「豊岡鞄(R)」認定製品など、約250の多彩なアイテムをそろえる。特に好評なのは、オリジナルブランド「BELCIENTO(べるちぇんと)」の「マザーズリュック」。ママ職人が開発したリュックは、ファスナーの位置や肌にやさしい素材など、細部まで子育てママに配慮されたこだわりのデザインで人気を集めている。ほかにも、福井・鯖江眼鏡のフレームに使われるチタン金具をポイント使いしたバッグや、岡山・井原デニムを使ったコラボ商品も。長く使える頑丈な作りが特徴的な豊岡カバンを特別なお土産にしてみては。
    機能性抜群の「マザーズリュック」各2万6400円
  • spot 06
    兵庫県立コウノトリの郷公園
    特別天然記念物・コウノトリの野生復帰を目指す場所
    湿地生態系の頂点に君臨し、絶滅危惧種のコウノトリ。野生化に取り組む施設に赴き、雄大な姿で空高く舞うコウノトリに会いに行こう。
    野外のコウノトリにも出合えることがある
  • spot 07
    玄武洞
    むき出しになった地球の歴史を見られる地質スポット
    地質マニアにはもちろん、自然科学にそれほど興味のない人でも、見るべきスポットが城崎温泉の近くにある。160万年前に噴火した火山から流れ出た溶岩が固まってできた奇妙な造形。国の天然記念物に指定されている自然がつくり出した不思議な風景に、訪れた誰もが驚かされるだろう。
    玄武洞のすぐ前に造られたステージのような見学スペース。ベンチもある
  • spot 08
    城崎温泉
    文人墨客も愛した開湯1300年の歴史ある温泉
    石橋の架かる大谿川(おおたにがわ)に沿って立つシダレヤナギは、城崎温泉を代表する風景。浴衣姿でヤナギ並木を歩いたり、ご利益を授かれるという外湯を巡ったり、温泉街の風情を楽しもう。
    シダレヤナギが美しい風景が印象的
  • spot 09
    一の湯
    洞窟風呂が名物の城崎温泉のシンボル的存在
    温泉街の中心に位置する、城崎温泉の外湯の代表格。まるで歌舞伎座を思わせるような大きな門構えと、歴史を感じさせる桃山様式の建築が印象的で、「合格祈願、交通安全、開運招福」のご利益が授かれる場として親しまれている。開湯当時は新湯と呼ばれていたが、江戸中期の医師・香川修徳氏が、天下一の湯であると賞賛したことから、「一の湯」と名づけられた。ここでは、内湯とジェットバス、そして天然の岩盤を削って作られた半露天の洞窟風呂の3種が楽しめる。なかでも、ゴツゴツとしたダイナミックな岩肌に囲まれた洞窟風呂は、秘湯気分で体験できると評判。建物横にある小庭では足湯も体験でき、近代温泉学の権威である藤浪博士が書いた「海内第一泉」の碑も建てられている。
    ダイナミックな雰囲気が漂う「洞窟風呂」
  • spot 10
    柳湯
    木のぬくもりあふれる癒やし空間
    中国・西湖から移植したヤナギの下に温泉が湧出したとの伝説が名前の由来。子授けや安産にご利益がある温泉として広く知られている。ヤナギ並木が続く北柳通りに面し、木のぬくもりあふれる平屋木造の外観と温泉街の雰囲気が見事に調和する。大正から昭和初期の建物をイメージした和モダンな雰囲気のなか、広々とした大浴場で疲れを癒やそう。湯船は1つだが、浴槽は深く、湯温が熱めに設定されているのが特徴。高い天井部分から日差しがやさしく入り込み、木の香りにも癒やされるはず。外湯のなかでもこぢんまりとした温泉だが、リラックスできる空間が広がっている。ほかにも、開湯と閉湯の時刻を知らせる太鼓台や、入り口から裏口へ通り抜けられる待合路地など、湯の町らしい風情も感じられる。
    小窓からは小さな庭園も見える
  • spot 11
    まんだら湯
    露天の赤と緑の桶風呂でゆったりと
    温泉街から少し奥まった、木屋町通り沿いに立地する外湯。717年(養老元)に城崎に到着した温泉寺開祖の道智上人(どうちしょうにん)が八曼陀羅経を1000日にわたって祈願し、720年(養老4)に湯が湧き出たとの逸話から名づけられた。仏縁にちなみ、屋根は御堂をイメージし、入り口は唐破風に。山すその緑に包まれたエメラルドグリーン色の屋根も立派で美しい。「一生一願の湯」として知られている温泉は、人生の節目などに入浴するとご利益が授かれると利用する人も多数。また、外湯のなかでも数少ない露天風呂が備わっていて、2種の桶風呂を露天で楽しめるのも魅力だ。1-2人用の小さなサイズの浴槽だが、混雑していなければ、プライベート空間のようにひとり占めできる。内湯にある血行促進に効果的なジェットバスにも使って、体の芯から温まろう。
    エメラルドグリーンが印象的な外観
  • spot 12
    鴻の湯
    コウノトリが傷を癒やしたと伝わる古湯
    かつてコウノトリが傷を癒やした源泉であったという逸話が残り、外湯のなかで最も歴史の古い温泉。「しあわせを招く湯」として親しまれるほか、夫婦円満や不老長寿にもご利益があると伝わる。人気の「庭園風呂」は外湯の露天風呂のなかでも1、2を争う広さを誇り、緑に囲まれた美しい庭園に癒やされること間違いなし。大浴場からも庭園が眺められるので、内湯でも開放的な気分で入浴ができる。女湯はあずまやの中に露天風呂が備わっているので、秘湯のような雰囲気を楽しもう。静かな時間が流れる山の湯風の温泉で、ゆったりと疲れを癒やして。入り口横の庭園にはコウノトリのオブジェや、薬師如来が祀られていた円満寺の跡「鴻野湯神社」もあり、温泉以外にも見どころが詰まっている。
    緑あふれる男湯の「庭園風呂」
  • spot 13
    城崎文芸館
    ユニークな展示で城崎文学に触れられる資料館
    文豪・志賀直哉をはじめ、多くの文人らも惚れ込んだ城崎で生まれた城崎文学の作品や作家に関連する展示がそろう資料館。入館すれば、城崎文学の一節などが投影された本のオブジェ「生きている本」が出迎え、城崎文学の世界へと誘ってくれる。資料館は、志賀直哉や島崎藤村にまつわる所蔵品を並べる「常設展」、入浴券の変遷などユニークな展示で温泉の歴史を紹介する「城崎温泉の記憶」、「企画展」の3つのコーナーで構成。写真を撮りながら楽しめる展示がずらり。カニの殻を連想させる特殊印刷を表紙に施した湊かなえの『城崎へかえる』などのオリジナル作品は、城崎温泉のお土産にもぴったりだ。
    エントランスから城崎文学の世界が始まる
  • spot 14
    城崎マリンワールド
    ライブ感満載のエンターテインメント水族館
    日本海に面した自然豊かな水族館では、ふだん見られない生き物たちの表情にひきつけられるライブショーを中心にスケジューリングを。大人も子どもも全力で楽しめること間違いなし!
    水族館の新アイドル・ゴマフアザラシのずんだ
  • spot 15
    出石
    城下町に広がる「但馬の小京都」
    風情ある街並みが今も残る出石。城下町を歩けば、歴史を感じられるスポットがあちらこちらに。街を散策しつつ名物の出石皿そばを味わい、伝統工芸品にも触れてみよう。
    歴史的な街並みが印象的な出石
  • spot 16
    出石永楽館
    舞台裏もすべて見学できる近畿最古の芝居小屋
    1901年(明治34)に開館して一度閉館を迎えるも、2008年(平成20)に44年の時を経てリニューアルをしてよみがえった芝居小屋。現在も歌舞伎や狂言、能などの公演を開催しており、興行のない日には一般公開され、廻り舞台や奈落、花道など舞台裏までも見学できる。天井板や2階席の上に飾られた商店街のポスターは、当時のものを修復し再オープンを迎えたという。リニューアルで随所に手が加えられながらも、売り子が食事やお酒を販売していたという客席に設けられた歩み板や、ゆるやかな傾斜がつけられた観客席の大向うなど、大正時代の芝居小屋の姿はそのまま忠実に再現している。歩く度にギシギシと軋む床や、太夫座や出囃子の部屋に書き連ねられた出演者のサインなども建物の古い歴史を物語っているようで趣深い。見学は自由だが、希望があれば、スタッフが各所を説明しながら案内してくれるガイドツアーも実施。
    舞台と客席の距離が近いのも特徴
  • spot 17
    出石城跡
    「続日本100名城」に選定された名城
    1640年(慶長9)に、小出吉英(こいでよしふさ)により有子山のふもとに築かれた城。1868年(明治元)に建物はすべて取り壊され、今では石垣のみが現存する。当時の城域は東西約400m、南北約350mとされ、最上段には稲荷曲輪、築城時には城主御殿があった本丸、その城主御殿と渡り櫓で連結していた二の丸、平地部分に三の丸が配置されていた。本丸に残る高さ13.5mの高石垣は但馬地方で最大規模を誇るので一見の価値あり。1968年(昭和43)には本丸東西に隅櫓、1994年(平成6)には登城門と登城橋が建設され、2006年(平成18)には築城から400年を超える名城として2017年に「続日本100名城」に選定された。最上段にあった有子山稲荷社への参道「お城坂」に連なる37基の鳥居も美しい。
    最上段にある稲荷曲輪
  • spot 18
    辰鼓楼
    出石のシンボルとしてそびえる時計台
    出石城旧三の丸大手門脇の櫓台にある時計台。1871年(明治4)に時刻を告げるための櫓として、廃城となった出石城の石垣や城の廃材を利用して建設された。当時は1時間ごとに太鼓を叩いて時刻を知らせていたほか、午前7-9時の辰の刻に城主登城を知らせていたとされる。1881年(明治14)に出石出身の医師・池田忠恕(いけぐちちゅうじょ)氏が機械式の大時計を寄贈したことから、時計台として利用されるようになった。昭和と平成の2度の大改修を経て、現在の時計台の姿となり、今では4代目となる大時計が時を刻み続けている。現在は、8時と13時の1日2回、まるで当時を思わせるような太鼓の音で時間を知らせてくれる。城下町を歩きながら、その音を耳にすれば、きっと明治時代の暮らしがそばに感じられるはず。
    内堀に建てられた時計台は見もの
  • spot 19
    官兵衛
    厳選素材で作る伝統的な出石の皿そばを
    富岡市出石(いずし)町といえば関西有数のそば処として知られる。町には約40店のそば屋が立ち並び、おいしいそばを求めて多くの人が訪れる。なかでも行列のできる店として知られる「官兵衛」を訪ねた。
    5皿で1セットの「皿そば」900円
  • spot 20
    湯村温泉
    昭和の街並みが残る山陰の名湯
    昭和レトロな風景が見え隠れし、見どころがコンパクトにまとめられた小さな温泉街。高熱泉を巡り、名物の荒湯たまごを味わい、体の芯まで温まる足湯に癒やされよう。
    朱色が美しい繁栄橋からの眺め
  • spot 21
    湯村温泉 荒湯
    湯村温泉が誇る日本屈指の高熱泉
    春来川(はるきかわ)のほとりにある、湯村温泉の源泉。98℃の熱泉がもくもくと湯けむりを上げながら、1分間に470ℓも湧き出る日本屈指の高熱泉だ。豊富な湯量の荒湯からあふれた温泉は無料の足湯として体験できる。全長20mの大きな足湯は最大50人が利用可。ベンチに座って足をゆっくり浸しながら川から沸き立つ湯けむりの風情を楽しもう。また、名物の「荒湯たまご」を味わうのも忘れずに。温泉には重曹が含まれているため、野菜をゆがけば灰汁をとってくれてさらに甘みが増すという。周辺の売店では、卵以外にもサツマイモやトウモロコシなどの野菜も販売しているので、野菜本来の甘味が広がる荒湯野菜も味わってみよう。ちなみに、荒湯では、練乳缶をつけておくだけで、手軽に生キャラメルも作れるとか。また、春来川のほとりにずらりと並ぶ、湯村温泉に訪れた芸能人や文化人60名以上の手形プレートにも注目だ。
    湯村温泉を代表する観光スポット
  • spot 22
    夢千代館
    昭和レトロな空間が広がる『夢千代日記』の資料館
    湯村温泉を舞台とした吉永小百合さんの主演ドラマ『夢千代日記』が当時話題となり、2004年(平成16)に温泉街の新たな観光名所として誕生。物語の世界を切り絵風で紹介するコーナーをはじめ、ドラマ撮影で使用された小道具や吉永さんが実際に着用された着物など、貴重な品を多数展示する。作品に登場した置屋や旅館のドラマセットが組まれているので、作品の世界を疑似体験できるのも楽しい。昭和30年代の湯村温泉の街並みを再現したコーナーには、昭和レトロなポストも設置されていて、入場者限定で1年後に手紙が届く「夢てがみ」を投函できる。受付で便箋と封筒を購入(200円)し、大切な人へ未来のメッセージを書いてみては。
    昭和レトロな街を再現
  • spot 23
    海中苑
    とびきり新鮮な魚介を城崎温泉で楽しむ
    城崎温泉駅の駅前通りに店を構える鮮魚店「おけしょう鮮魚」は、城崎温泉の旅館をはじめ全国の料亭や居酒屋にも魚介を出荷している老舗の鮮魚店。車でわずか5分のところにある津居山漁港や周辺の港で水揚げされた日本海の魚介を、新鮮さにこだわって一日2回仕入れ、すぐに店頭に並べているという。そして、この店の2階にあるのが食事処「海中苑(かいちゅうえん)」だ。鮮魚店と同経営なので、1階の店に並ぶ商品から好きなものを選んで2階で食べることもできる(料理代は別途必要)。メニューには、新鮮な魚介を使ったお造り、揚げ物、海鮮丼など、さまざまな料理が並び、目移りするほどだ。店内のボードにもその日のおすすめが書いてあるのでチェックしよう。冬なら松葉がにははずせない。シーズンの11月6日から3月下旬に訪れるなら、「かにフルコース」(1万2000円~)や、「地物活がにフルコース」(2万5000円~)などをちょっと奮発して味わいたい。通年いただける「かに鍋」(7700円~、2人前より)や、「焼きがに」(2900円)、「かに玉丼」(2000円)などもある。このほかにもエビ、ノドグロ、鯛、ヒラメ、イカなど、そのときに最もおいしい旬の海の幸を楽しめる。
    海鮮丼「海」(2100円)は11種の魚をたっぷり盛ったぜいたくな一品。量が少なめの「舟」(1600円)もある(魚は季節や日によって異なる)
  • spot 24
    但馬牛専門店 いろりダイニング三國
    幻といわれる但馬玄(たじまぐろ)を食べられる店
    JR西日本・山陰本線の城崎温泉駅から徒歩2~3分。城崎温泉界隈で但馬牛を食べられる唯一の専門店が「いろりダイニング三國」だ。評価の高い希少なブランド牛「但馬玄(たじまぐろ)」のおいしさを、ぜひ堪能しよう。
    ランチにも「但馬玄」が使われ、貴重な牛肉を存分に味わうことができる
  • spot 25
    円山菓寮 城崎店
    湯上がりにぴったりのレトロなプリンはいかが?
    とろとろの「湯あがりぷりん」が人気の丸山菓寮(まるやまかりょう)。多くの観光客で賑わう北柳通の柳湯の並びにある。地元産の牛乳と生クリームに、新鮮な卵を加えてじっくりオーブンで蒸し焼きにしたプリンは、レトロなビン入り。今にも崩れそうなところを、そっと長いスプーンですくって食べる。甘過ぎないので下のカラメルと一緒に食べると、ほろ苦さがちょうどいい。大人気商品で売り切れてしまうこともあるので、早めに訪れるのが確実だ。一方、店内の棚にずらりと並ぶのは、花鳥風月などをあしらった、かわいい小袋に入ったかりんとうだ。人気ナンバー1の「黒豆きな粉かりんとう」などスタンダードなものから、「ピリ辛マヨネーズかりんとう」や「ぶどうかりんとう」「玉りんごかりんとう」など、ちょっと変わったものまで、種類は30種類もあるそう。形は細長いもの、太めのもの、丸いもの、渦巻き状のものなどがあり、中身の見本もあるので、お土産にいくつか購入するときは違う形のものを選ぶのも楽しい。どれも400円前後とお手頃なのもうれしいポイントだ。
    城崎店限定販売の「湯あがりぷりん」(1個380円)。持ち帰りもできる
  • spot 26
    出石家老屋敷
    江戸時代の上級武士の屋敷を訪問
    江戸時代の諸藩で、家老は藩の政務を司る最高の役職。この屋敷の主はいわば出石藩の総理大臣のような立場の人であり、屋敷は何かあったらすぐに駆けつけることができるよう、城のすぐ近くにあった。江戸時代後期に建てられたこの屋敷も内町通りに面して立っている。一見平屋に見えるが敵に攻め込まれたときは逃げられるように隠し階段で2階に上れるようになっている。2階に上がると天井がかなり低い。これは刀を使いにくくするためだという。最上級の武士の屋敷だけあって、広々とした余裕のある造りだが、質素倹約を旨としていたのか、室内の装飾などはほとんどなくシンプルそのもの。大名行列に使われた籠のほか、興味深い資料が多数展示されている。床の間を背に裃を身に着けた立派な武士が座敷に座っている。今にも動き出しそうなリアルな人形は、この屋敷の主である仙石左京(せんごくさきょう)。家老として藩の改革を進めようとしたが、「仙石騒動」といわれるお家騒動の責任を取らされ処刑されてしまった人物。こういったところには、生気あふれる情熱的な場面を描いた人形が置かれることが多いが、ちょっと悲し気に遠くを眺めるような表情が印象的だ。
    奥の座敷に置かれた家老の人形。一瞬本当の人間が座っているかと思えるほどリアル
  • spot 27
    みくら
    そばの本場でそば打ち体験
    豊岡市出石(いずし)町でいちばんに味わいたいものといえば「皿そば」。白磁の小皿に盛りつけたそばをさまざまな薬味で味を変えながら食べるのが出石流。そんなそばを楽しんだあとは、そば打ち体験をしてみるのもおすすめだ。
    プロの職人によるそば打ち体験は旅のいい思い出になるだろう
  • spot 28
    湖月堂 本店
    豊臣秀吉の逸話をイメージしたふわふわの餅菓子
    兵庫最古の芝居小屋で知られる出石永楽館(いずしえいらくかん)のすぐ近くに、1925年(大正14)創業の老舗和菓子店「湖月堂」がある。店の看板商品は創業当時から作り続けているという「権兵衛餅」だ。出石藩の藩祖・仙石権兵衛秀久(せんごくごんべえひでひさ)が豊臣秀吉に餅菓子を献上した際、「母が自分のために作ってくれた餅を思い出す」と涙を流して喜んだという言い伝えから、その餅はこのようなものだったのではないかと想像し、作ったのがこの餅菓子だ。卵白をたっぷり使ったふわふわの求肥で、北海道産のあずきをていねいに炊いたつぶ餡を包んだ、シンプルでありながら上品な菓子だ。1982年(昭和57)、当時の皇太子殿下・妃殿下の但馬路御行啓の折に召し上がったそう。このほか出石出身で沢庵漬けの創始者として有名な沢庵和尚にちなんだ「沢庵饅頭」や、甘過ぎずあっさりとした「きんつば」、上生菓子など選ぶのにも苦労するほどさまざまな菓子が並ぶ。店内では厳選したそば粉を使用した干しそばと半生そばも販売しており、ここで出石名物のそばをお土産に買うのもよさそうだ。
    創業当時からある「権兵衛餅 白」(左)と「権兵衛 よもぎ」(右)、各141円
  • spot 29
    伝統工芸館 杞柳
    豊岡杞柳細工の美しさと技術を知る
    「かばんの町」として知られる兵庫県豊岡市。その歴史をたどると、原点は「豊岡杞柳細工(とよおかきりゅうざいく)」に行きつく。豊岡市の伝統産業である「豊岡杞柳細工」を知るため、豊岡市の出石(いずし)を訪れた。
    籠バッグや幼稚園バッグ、一輪挿し、ワインボトルホルダーなどさまざまな商品がある
  • spot 30
    出石酒造酒蔵
    歴史ある酒蔵ではスイーツも楽しめる
    出石城下町の北東、明治まで出石藩の藩主であった仙石氏の菩提寺である本高寺の山門の前に大きな蔵がある。明るい土色の壁の蔵は1708年(宝永5)に創業した出石酒造の酒蔵だ。1876年(明治9)の城下町の大半を焼け尽くした大火でも延焼を免れた蔵は、城下町の見どころのひとつでもある。酒米を蒸すための巨大な釜が置かれている現在の店舗も長い歴史を感じる建物。上を見上げると長い間煙でいぶされて黒くなった梁が見える。この酒蔵の代表的な銘柄「楽々鶴(ささづる)」とは、酒の別名である「笹の露」と殿様仙石氏の別荘「楽々園」に由来する。楽々鶴の「鶴」は、「松上鶴」=「コウノトリ」のことだ。伝統的な方法で造る日本酒がある一方、日本酒が得意でない人に日本酒のよさを知ってもらう一歩として、同じ銘柄の甘酒を造っている。但馬産の米を使い、加糖しないすっきりとした味わいで、ヨーグルトにかけたり、炭酸で割って飲んだり、楽しみ方の提案も。ほかにも地元のスイーツショップとコラボして、甘酒や日本酒を使ったケーキなども作っている。また古い蔵を利用して、コンサートを開くなど、城下町の活性化にもひと役買っている。
    城下町の雰囲気にぴったりな店構え
  • spot 31
    玄武洞ミュージアム
    鉱物や化石が好きになる複合施設
    玄武洞を訪れるなら、ぜひ足を運びたい施設。鉱物と化石の充実した展示が見どころで、予備知識なしに見て楽しむことができる博物館だ。それに加えてこの地域の伝統工芸の歴史と技術を展示していて、実際に伝統工芸の一部を体験できる。隣接するレストランやショップも充実する、家族で楽しめる施設だ。
    前方に長く伸びた牙が特徴のステゴドンの骨格標本
  • spot 32
    いろは
    かわいい浴衣で城崎温泉を浴衣そぞろ歩き
    1300年以上の歴史をもつ関西有数の温泉地、城崎(きのさき)温泉。このレトロな温泉街を歩くなら、プロが着付けしたかわいい浴衣で、シャキッと背筋を伸ばして歩きたい。そんな夢を叶えてくれるのが、浴衣専門店「いろは」だ。約200種類の浴衣から、希望にあわせてプロが相談に乗ってくれる。迷いに迷っていくつか候補を出してみるが、自分で選んだ浴衣よりもプロの選んだ浴衣のほうが、あわせてみたらずっと似合ったり、帯の意外な組み合わせに驚いたり、着る前から選ぶ楽しさがあるのもレンタル浴衣のいいところだ。浴衣、帯、和装小物、下駄、温泉籠まで付いて、着付けと簡単な髪のセット(女性のみ)をしてくれるので、何も用意する必要はない。利用客は女性の友だち同士やカップルが多いが、若い男性が一人で訪れて着物姿で温泉街を歩いて楽しむことも増えているそう。男女とも2500円、3500円、5500円の3コースがあり、閉店15分前まで着ることができるので、一日浴衣でいることも可能。気に入った浴衣は購入も可能なので相談してみよう。
    温泉街をバックに、プロが着付けた浴衣で記念撮影
  • spot 33
    かにやき丸福
    城崎名物のカニをかたどったたい焼き
    城崎温泉の湯の里通りはそぞろ歩きが楽しいメイン通り。浴衣姿の観光客が外湯巡りを楽しんだり、食事やショッピングをしたりと、いつも賑やかな繁華街だ。そんな湯の里通りの中ほどにある四所神社(ししょじんじゃ)の向かい、「木屋町小路」にあるのが「かにやき丸福」だ。かわいらしい外観の屋台風の店で、2016年(平成28)にオープンしたという。ここの名物はたい焼きならぬ「かにやき」。城崎といえばカニが有名で、11月から3月までのシーズンにはカニを目当てに訪れる人も多いから、鯛ではなくカニにするのも納得だ。鋳物の名産地・富山県の高岡に特注したカニ型に、小麦粉と地元「コウノトリ育むお米」の米粉を混ぜた生地を注ぎ、そこにたっぷり餡を加える。餡は北海道産のあずきを5時間かけて、ていねいに炊いたつぶ餡だ。これを「一本焼き」といわれる一杯ずつの型で焼いていく。できたてを頬張ってみると、薄めの皮がパリパリとして、甘過ぎない餡と絶妙にマッチ。期間限定でイチゴやチョコ、抹茶クリームなども登場。夏はかき氷もメニューに加わる。
    たい焼きならぬ「かにやき」は1個150円
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旅のヒント

  1. その1

    竹田城へはJR山陰本線和田山駅下車、バスで向かう。車の場合は北近畿豊岡自動車道もしくは播但連絡道路和田山IC下車。

  2. その2

    城崎へはJR大阪駅から山陰本線で特急が運行している。駅から温泉街までは徒歩で行ける。

  3. その3

    湯村温泉方面へは高速バスが出ているが、周辺スポットなどと一緒に楽しむなら、車でのアクセスが便利。北近畿豊岡自動車道八鹿氷ノ山ICから国道9号で向かう。

  4. その4

    豊岡方面へは、電車の場合JR山陰本線豊岡駅が最寄り。車の場合は北近畿豊岡自動車道終点へ。周辺スポットは車でのアクセスが便利。

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