京都

山科・醍醐

YAMASHINA / DAIGO

旧奈良街道沿いに点在する歴史エピソードを紐解く散策

奈良街道に沿って点在する、歴史ロマンあふれる寺院を訪ねてみよう。このエリアは大きくふたつに分けることができるが、どちらもアクセスのメインとなるのは地下鉄東西線。まずは醍醐駅を起点とし、豊臣秀吉が人生最後の花見を楽しんだ醍醐寺や、小町伝説が今も残る隨心院、浄土真宗祖・親鸞聖人ゆかりの法界寺など、歴史人物をテーマにスポットを巡ってみよう。これまで教科書でしか知らなかった彼らに秘められたエピソードに触れることができるに違いない。さらに地下鉄で山科駅まで向かえば、格式高い門跡寺院の毘沙門堂に行くことができる。寺院を彩る桜や紅葉、障壁画の数々を鑑賞したあとは、琵琶湖疏水べりを散策するのも一興。帰りはJRを使うと、わずかひと駅で京都駅に到着する。どちらのエリアも京都の街なかとは異なる、のどかな雰囲気や穏やかな景観が魅力だ。

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エリアの見どころ

  • spot 01
    将軍塚青龍殿
    平安京を守護する将軍塚から京都の大パノラマを堪能
    東山の山頂に立つ青蓮院の飛地境内。平安時代の仏画の最高傑作のひとつ国宝「不動明王二童子像(青不動)」を祀り、大舞台からは眼下に京都市街地の大パノラマを望む。庭園では四季折々の風情を楽しむことができる。
    市街地より約200m高い位置に立つ青龍殿では空や雲が近く感じる
  • spot 02
    日向大神宮
    「京のお伊勢さん」と称される古社で厄除け・開運を祈願
    「京のお伊勢さん」と称され、境内には伊勢神宮と同様に内宮(ないくう)、外宮(げくう)をはじめとする社が並び立つ。境内にある巨石をくり抜いた「天岩戸(あまのいわと)」は厄除け、開運のパワースポットとしても知られている。
    神聖な雰囲気が漂う外宮の社殿。屋根は葦(よし)葺き
  • spot 03
    毘沙門堂
    山科の森閑とした山腹にたたずむ格式高き門跡寺院
    天台宗五箇室門跡の高い格式と、山寺の風情を合わせもつ古刹の毘沙門堂。後西天皇から賜った宸殿、116面にも及ぶ障壁画の数々、天井の龍や庭園など見どころもたっぷり。紅葉の景観は多くの人を魅了する。
    阿吽の二天像が守護する仁王門
  • spot 04
    勧修寺
    閑雅なる貴族庭園に王朝の優美を感じる山科の古刹
    醍醐天皇ゆかりの古寺で、高い格式をもつ門跡寺院。江戸時代初期の復興に際して賜った、明正天皇の御殿が典雅な雰囲気を醸し出す。「氷室の池」を中心とする庭園は、平安時代の雅を今に伝え、四季折々の風景が美しい。
    山の緑を背景にして建つ瀟洒な観音堂
  • spot 05
    隨心院
    絶世の美女・小野小町の伝説が息づく格式高き門跡寺院
    小野門跡とも称される格式高き門跡寺院。慶長年間に再建された諸堂は、狩野派や現代アーティストの襖絵が彩り、快慶作の仏像などが安置される。苔の庭園もすばらしく、平安時代の歌人・小野小町ゆかりの史跡も残る。
    小野小町の和歌を記した絵馬
  • spot 06
    醍醐寺
    山全体を寺域とし、壮大な伽藍が点在する古刹へ
    平安時代前期に創建された醍醐寺は、山岳寺院の威厳を感じる山上の「上醍醐」と、秀麗な五重塔をはじめとする堂宇が立つ山下の「下醍醐」からなる。荘厳な気配に満ち、多くの寺宝を有する境内は見どころ満載。
    醍醐寺のシンボルとなっている五重塔。室町時代の応仁の乱の被害も逃れた平安時代の貴重な建築物だ(写真提供:醍醐寺)
  • spot 07
    三宝院
    藤戸石を中心とした雄大な庭園と国宝の表書院の競演
    醍醐寺の総門を入ってすぐ左手にある三宝院は、1115年(永久3)に勝覚(しょうかく)によって創建された醍醐寺の本坊的な寺院だ。室町時代の応仁の乱で荒廃したが、桃山時代に豊臣秀吉の援助で復興し、秀吉が催した「醍醐の花見」に際してみずからが基本設計した庭園が最大の見どころとなっている。秀吉が造営した聚楽第より、歴代の武将に引き継がれたことから天下の名石といわれる「藤戸石(ふじといし)」が移されて庭の中心にすえられ、さらに三段の滝、鶴島・亀島、賀茂の三石などを配した華麗な庭となっており、金閣寺、銀閣寺の庭園と同様に国の特別史跡・特別名勝に指定されている。庭園全体を見渡せる表書院は寝殿造の様式を取り入れた桃山時代を代表する建造物であり、国宝に指定されている。内部の襖絵は、長谷川等伯一派と石田幽汀の作によるものだ。桃山時代の壮大さや華やかさを、庭園からも建築からも感じることができる。
    豊臣秀吉ゆかりの名庭をゆっくりと眺めよう (写真提供:醍醐寺)
  • spot 08
    法界寺
    ふっくらとしたお顔の阿弥陀様が迎えてくれる日野の古刹
    かつて貴族・日野家の菩提寺として創建された法界寺。阿弥陀堂に祀られる阿弥陀如来は平安時代の面影をたたえ、古くから多くの女性が祈りをささげてきた薬師如来は、「日野のお薬師さん」として親しまれている。
    阿弥陀如来坐像が祀られている阿弥陀堂。仏像もお堂もどちらも国宝だ
  • spot 09
    マールブランシュ ロマンの森
    素敵な日常を演出するスイーツがいっぱいの空間
    京都の愛されパティスリー「京都北山 マールブランシュ」のテーマパークともいうべき店舗が「ロマンの森」。ケーキを作るパティシエの姿を眺め、カフェで味わい、店舗限定商品を購入。そんなワクワク体験をしてみよう。
    車での訪問なら京都東ICから約3分
  • spot 10
    岩屋寺
    『忠臣蔵』で知られる大石内蔵助が閑居した地にたたずむ寺院
    赤穂浪士の仇討ちを題材にした『忠臣蔵』で知られる赤穂浅野家筆頭家老・大石内蔵助が一時期滞在した地に立つ寺院。四十七士らの菩提を弔うと同時に、内蔵助ゆかりの品々を大切に守っている。
    内蔵助の住まいがあったとされる閑居址。春には桜の彩りに包まれる
  • spot 11
    大石神社
    「忠臣蔵」で知られる大石内蔵助を祭神として祀る社
    江戸時代中期、主君の敵を倒すため、浪士たちを率いて仇討ちを果たした赤穂藩家老・大石内蔵助(おおいしくらのすけ)を祭神として祀る神社。地元では桜の名所としても知られている。
    鳥居にかかる枝葉は大石桜と呼ばれる御神木のしだれ桜
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旅のヒント

  1. その1

    地下鉄東西線とJRをうまく使い分けて、効率良く移動をするのがポイント。

  2. その2

    法界寺へは地下鉄の石田駅から約20分歩いていくほか、京阪バスも通っている。ただし、本数が少ないので時刻表を事前にチェックしておこう。

  3. その3

    醍醐寺の下醍醐から上醍醐への道のりは、急な山道を歩いて約1時間。時間に余裕をもって参拝しよう。

  4. その4

    醍醐寺の早咲きの桜は例年3月下旬に開花する。4月に入ると大勢の参拝者が訪れるが3月下旬は比較的ゆっくり参拝できる。

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