新潟

佐渡

SADO

トキとの共存を実現。自然と歴史文化に彩られた日本海最大の離島

新潟県西部、日本海に位置する佐渡は東京23区の約1.4倍の面積を誇る日本最大の離島。島の中央部は国中平野という穀倉地帯が広がり、トキとの共生を目指した農業が行われている。北側の大佐渡山地は標高1172mの金北山を有し、天然杉や山野草を楽しめるトレッキングが人気だ。南側の小佐渡山地は、おけさ柿をはじめ果樹栽培が盛ん。海岸部は断崖絶壁や砂浜、磯など風光明媚な景色が広がる。観光の定番は、江戸幕府の財政を支えるほどの金採掘量を誇った佐渡金山。金山開発とともに江戸から持ち込まれた能は、民間にも広がり現在でも毎年4月から島内各所の神社仏閣で薪能奉納が行われている。能のほかにも狂言、文弥人形、歌舞伎、民謡、民話、鬼太鼓など多様な伝統芸能・文化が残っている。さらに、たらい舟、温泉、日本酒、鮮魚などその魅力は広範囲に広がる。

recommend spot

エリアの見どころ

  • spot 01
    宿根木
    江戸時代の面影残る千石船で栄えた国の「重要伝統的建造物群保存地区」
    江戸時代後期から明治にかけて、廻船業で栄えた宿根木の町並みは、国の「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されている。船主、船員、船大工が多く住んだ宿根木は船板などを利用した縦張りの外観が特徴的。江戸時代から使われた細い石畳の小路に情緒を感じる。
    船板を利用した板壁。細い路地の探索が楽しい
  • spot 02
    矢島体験交流館
    赤い太鼓橋のある美しい入り江で、たらい舟体験!
    透き通る青い入り江をつなぐ赤い太鼓橋が印象的な矢島・経島(やじま・きょうじま)。『平家物語』で鵺(ぬえ)退治に源頼政(みなもとのよりまさ)が放った矢が矢島産といわれている。また経島は流刑された日蓮聖人の放免状を携えた弟子の日朗(にちろう)が嵐に遭いひと晩経を読んで忍んだといわれることから命名された。静かで穏やかな入り江でのんびりたらい舟を体験できる。
    美しい入り江と赤い太鼓橋が印象的
  • spot 03
    佐渡歴史伝説館
    佐渡に流された偉人の歴史、逸話、伝説のルーツをロボットが再現!
    順徳天皇(じゅんとくてんのう)・日蓮上人(にちれんしょうにん)・世阿弥(ぜあみ)。京の都から配流された偉人たちの悲しい物語や佐渡の伝説・民話を等身大ロボットが案内する展示のほか、人間国宝蝋型鋳金作家、佐々木象堂(ささきしょうどう)の作品も見ることができる。
    世阿弥(ぜあみ)の「雨乞いの舞」をロボットが忠実に再現
  • spot 04
    佐渡金山
    400年の歴史、世界遺産登録を目指す日本最大規模の佐渡金山
    1601年(慶長6)、3人の山師により開山したといわれる佐渡金山。徳川幕府直轄の天領として江戸幕府の財政を支えた。江戸時代の手掘り坑道を見られる宗太夫抗(そうだゆうこう)コースと、近代技術の進んだ機械掘りを見られる道遊坑(どうゆうこう)コースがあり、約400年間にわたり金の産出があった佐渡金山の技術を比べることができる。
    道遊の割戸(どうゆうのわりと) 巨大な金脈を掘り進んだ結果、山が割れてしまった
  • spot 05
    北沢浮遊選鉱場跡
    かつては東洋一といわれた選鉱場
    佐渡金山から車で約5分。突如、巨大な施設跡が見えてくる。夏はツタで覆われており、冬にはこのツタが枯れ、古代遺跡らしさがいっそう増す。まず目に飛び込んできたこの建物は北沢浮遊選鉱場。日本で初めて金銀の採取に浮遊選鉱法を採用したのが佐渡金山だ。戦時下の大増産計画によって大規模な設備投資が行われ、東洋一といわれたこの選鉱場は、1か月に5万t以上もの鉱石を処理することができた。ほかにも金銀生産ラインの最終工程を受け持つ製錬所などの施設が次々と造られ、1937年(昭和12)から1952年(昭和27)までこれらの施設を使って操業が続けられた。今ではここでさまざまなイベントが行われ、夜は季節の変化に合わせたライトアップを楽しめる。この遺跡のある相川地区は海に沈む夕日が非常に美しい場所なので、夜に訪れるのもいいだろう。
    近代遺産の象徴、東洋一と呼ばれた北沢浮遊選鉱場跡
  • spot 06
    史跡佐渡奉行所跡
    江戸幕府の財政を支えた天領佐渡、復元された奉行所でタイムスリップ
    行政・司法のほかに造幣所も兼ねた佐渡奉行所。「御役所(おやくしょ)」や「御白州(おしらす)」、採掘した鉱石から金を取り出す「寄勝場(よせせりば)」も復元されている。当時の面影を楽しめ、時代劇のなかにいるみたい!?
    現佐渡奉行所には御役所と勝場が復元されている
  • spot 07
    佐渡西三川ゴールドパーク
    佐渡唯一の砂金採り体験! 金のことならなんでもわかる体験型資料館
    平安時代に発見されたといわれる西三川砂金山。佐渡西三川ゴールドパークでは金にまつわる資料や映像があり砂金山の歴史が学べ、自ら砂金を採る体験もできるスポット。修学旅行や家族旅行に人気。
    砂金のことならなんでもわかる西三川ゴールドパーク
  • spot 08
    トキの森公園
    絶滅危惧種「トキ」を間近で見られる日本唯一の施設
    トキの森公園は、絶滅危惧種であるトキを野生に近い形で観察し、トキの生態について学ぶことのできる施設。飛翔する姿、エサを捕まえる姿、子を育てる姿など野生下ではなかなか肉眼で確認できない姿もここで見ることができる。
    トキを間近で見ることのできる「トキふれあいプラザ」
  • spot 09
    清水寺
    苔むした参道の先にあるのは清水の舞台? 木々に包まれ静寂を守る歴史あるお寺
    真言宗 豊山派(しんごんしゅうぶざんは) 東光山 清水寺(とうこうざんせいすいじ)。木々のなかにひっそりと建つ清水寺は、どの季節に参拝してもそれぞれ美しい。島内には数多くの神社仏閣があるが、京都の清水寺を思わせる舞台は観光客をひきつけてやまない人気のスポットだ。
    京都の清水寺を思わせる舞台
  • spot 10
    二ツ亀・大野亀
    「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」2つ星。絶景の日本海に臨む島
    二ツ亀・大野亀に共通するのは圧倒的な自然のパワー。大野亀は5月下旬から6月上旬、トビシマカンゾウの大群生が、二ツ亀は夏、『日本の快水浴場百選』に選ばれた透明な海が、島内外多くの人の心をひきつけてやまない。
    大野亀から二ツ亀の全景を望む
  • spot 11
    尖閣湾揚島遊園
    北欧のフィヨルドに匹敵? 荒波がつくった自然の造形美、尖閣湾
    冬の日本海の強い風と荒波がつくり上げた雄大な景色は、高さ約20mの断崖絶壁が連なるジオパーク。遠景、近景どちらもダイナミック! 海中にも広がる複雑で切り立った岩々を、海中透視船(グラスボート)で楽しもう!
    約3㎞の海岸に広がる風光明媚な景色
  • spot 12
    長谷寺
    四季折々の花にあふれる花の寺、長谷寺。ユニークな体験が特徴
    真言宗豊山派 北豊山長谷寺(しんごんしゅうぶざんは きたぶざんちょうこくじ)は、807年(大同2)創建。本尊にある国指定重要文化財、十一面観世音立像三体は弘法大師の作と伝えられ、秘仏として33年ごとに御開帳されている。境内には年中花が絶えることなく咲き競い、参拝者に喜ばれている。
    長谷寺は山を切り開き創建された。花の寺としても有名
  • spot 13
    佐渡国小木民俗博物館・千石船展示館
    佐渡南部の民俗に触られる小学校の旧校舎を活用した豊富な展示
    3万点以上の民俗資料が展示されている佐渡国小木民俗博物館。旧宿根木(しゅくねぎ)小学校の木造校舎を利用した博物館で、佐渡に暮らす人々の暮らしに触れられるものや、北前船によって運ばれてきた器など、多くの展示を見学できる。
    旧校舎の造りをそのまま生かし、展示はテーマごとに分かれている
  • spot 14
    矢島体験交流館(たらい舟体験)
    風光明媚な景色を楽しめるたらい舟体験
    矢島・経島の2つの島に囲まれた細長い入江のなかを、たらい舟に乗って巡る体験ができる矢島体験交流館。穏やかで透き通った海の上で美しい景色を眺める、佐渡らしさを実感できる人気のアクティビティだ。
    美しい景色を味わえるたらい舟体験
  • spot 15
    金子屋
    当時の暮らしがしのばれる宿根木の船大工の家
    佐渡最南端にある、歴史を感じる町並み、宿根木(しゅくねぎ)。2022年(令和4)現在は金子屋を含めた3軒の民家が見学できる。北前船で栄えた頃の面影を残す豪華な内装と、板張りの建物が立ち並ぶ外観、どちらも楽しめる佐渡観光の要所だ。
    囲炉裏のある1階。往時の生活の雰囲気が感じられる
  • spot 16
    三角家
    宿根木を代表する三角形が特徴の建物
    住居が所狭しと立ち並ぶ宿根木(しゅくねぎ)エリアで「塩」の看板のかかる角が鋭い独特の形がひときわ目をひく三角家。小川の脇の迷路のような狭い路地の間の三角形の敷地を最大限に活用した造りで、宿根木が観光地として多くの観光客を受け入れるようになってからも、しばらくはそのまま住居として使用されていた。2006年(平成18)まで、塩の販売と新聞配達を生業にしていた人が住んでいたという。築年数は不明だが、1846年(弘化3)に起きた洪水以降に建てられたのではないかと推測されている。内部も見学可能で、今も暮らしているような、ありのままの住居の状態が展示されている。三角形の建物の角の位置にある仏壇や、急勾配の階段、三角形の形を感じる天井の形など、建物のなかでも特徴を随所に感じられる。宿根木を象徴する建築物のひとつで、JR東日本のコマーシャルのロケ地としても使用されており、女優と同じ立ち位置で写真を撮る観光客も多い。
    迷路のような小路に現れる三角形の建物
  • spot 17
    清九郎
    北前船で財をなした豪華な造りの船主の家
    多くの家々が立ち並ぶ宿根木エリアのなかでも、特に豪華な建物が「清九郎」だ。もともとは、江戸時代後期から明治にかけて北前船で財を築いた廻船業の船主、有田久四郎の住まいで、そののちに石塚清九郎に売却されたため清九郎と呼ばれている。築年数は不明だが、19世紀中頃の建築と推測されている。船を2隻所有していた船主の家で、続きの座敷がある広々とした建物。以前は数年間民宿として使用されていたという。現在は、入館し内部を見学することができる。床には竹渋が塗られ、柱、梁、戸、天井裏には漆が塗られており、今でも艶やか。材料にはケヤキや杉が使われている贅を尽くした建築だ。吹き抜けの居間や広い座敷、母家の外の庭の奥には、大きな岩の穴蔵をを使って造られた天然の保管庫があり、建物の随所から当時の華やかな暮らしがうかがえる。窓の外に目をやると、ごく薄く切った木の板を重ねて並べた上に石を置いた造りが特徴的な石置木羽葺屋根(いしおきこばぶきやね)と呼ばれる屋根が見える。
    調度品が展示された囲炉裏のある吹き抜けの居間
  • spot 18
    すしや まるいし 本店
    佐渡の鮮魚に囲まれたいならここ!すべてが正解の人気回転寿司店
    席に着いたらまずはホワイトボードに書いてある「本日のおすすめ」を見てもらいたい。その日佐渡で水揚げされた新鮮なネタが並び、目移りしてしまうのと同時に価格の手頃さにも驚く。もちろん、回っている寿司から選んでもよし、専用の注文用紙に記入し中央にいる職人さんに直接渡してもよし。店員さんのおすすめはマグロ3点盛。色鮮やかな赤身からやわらかいピンク色をした大トロまで見事なグラデーションだ。口の中でとろけるのが容易に想像できる。地元民に人気なのがアジ。光もの独特のクセなどいっさいなく、肉厚でネギとショウガの辛味が利いて絶品で、つい2皿目を注文したくなる。サザエのにぎりはコリコリとした食感で、嚙みしめるたびに感じるうまみや、磯の香りがやみつきになる。鮮魚以外にもサラダ巻き、マヨコーン、ローストビーフにぎりなど子どもが楽しめるメニューも充実している。すしやまるいし本店は佐渡の鮮魚の卸売業者である石原水産直営店舗だ。島民からも鮮度、味に間違いがないと絶大な信頼がある。春夏秋冬旬の食材を楽しめる。寒ブリ、ノドグロ、南蛮えびなど時期によってさまざまな種類を提供しており、いつ来ても新しいネタとの出合いを楽しめるのだ。
    佐渡の鮮魚と佐渡産コシヒカリのコンビネーションは間違いなし!常時80種から選べる
  • spot 19
    フルーツカフェさいとう
    これぞもぎたて!フルーツに囲まれる人気の農園カフェ
    島なのにフルーツ?多くの人は疑問を抱くかもしれないが、佐渡島は対馬暖流による比較的温暖な気候のおかげで数多くのフルーツが栽培されている。島で唯一の農園カフェ、フルーツカフェさいとうでいちばん人気の「いちごけずり」をいただく。凍らせたイチゴをまるごと削る、かき氷の最上級バージョン。ひと口食べるとイチゴの甘酸っぱさと、コンデンスミルクのこっくりとした甘さが気持ちよくのどを通っていく。イチゴの種類は新潟県外にはあまり出回らないレアなイチゴ、越後姫。おいしさに浸っているとスタッフさんが「追いコンデンスミルクもできますよ」と魅惑のひと言。断る理由がない。ほかのメニューも充実しており、生搾りジュースやスムージー、パフェ、アップルパイなど季節によってネクタリン、桃、柿、リンゴなど旬の果物を使ったそれぞれのメニューを楽しめる。店内でフルーツの直売も行っており、お店を出るときにはずっしりとした立派なフルーツを手に下げていることだろう。お店がある新穂地区にはトキの森公園やトキのテラスがあり、多くの野生のトキが生息している地域でもある。運がよかったら向かう途中で野生のトキに出合える楽しみもある。
    「いちごけずり」(500円)。イチゴをまるごとぜいたくに使用した高級かき氷
  • spot 20
    しまふうみ
    真野湾を一望! 開放的なベーカリー&カフェ
    焼きたてのパンや焼き菓子の香りに包まれた店内には、バゲットやカンパーニュなどのハード系パン、サンドイッチ、菓子パンや、手作りの焼き菓子などが並び、思わず買い占めたくなる。パンは佐渡産りんごの自家製酵母を使用し、じっくり時間をかけて発酵。サンドイッチはその日の朝焼いた食パンを使用しているため格別なもっちり食感を楽しめる。カフェで楽しめる「佐渡ジオパークプレート*」は佐渡の大地と海で育った旬の食材がワンプレートでいただける。南蛮えびと野菜のテリーヌや椎茸のフリッタータ、人参ポタージュ、ロースト野菜など佐渡産の季節の食材にこだわったとてもぜいたくな一品だ。実際にお店の近くには佐渡ジオパークスポットがあり、店内の庭から海岸へ降り、少し歩くと活断層が見られる。天気がよかったらテラス席をおすすめしたい。眼下に広がる真野湾、穏やかな波の音も大変耳心地がよい。焼きたてのパンと1杯のホットコーヒー。10時オープンと同時に朝のぜいたくな時間を楽しめる。かわいいデザイン缶に入ったオリジナルクッキーや佐渡産果物のジャムの販売もあり、お土産アイテムも必見だ。 (*旬の食材に応じて、メニュー内容が変わります)
    新潟県初ブルーシーフード認証、佐渡ジオパークプレート1300円
  • spot 21
    お菓子処 しまや
    1808年(文化5)創業以来、佐渡の食材にこだわり作り続ける老舗菓子処
    店を構える沢根地域は昔、佐渡金銀山の資源を船で運ぶ人たちが集う場として栄えた港町であった。船乗りや商人たちの休憩所として佐渡の老舗甘味処は発展していったという。創業1808年(文化5)、200年以上の歴史を誇るしまやの主力商品は佐渡名物元祖澤根だんごだ。蓋を開けるとまゆ玉ほどの大きさの団子がきれいに並べられ、餡がうっすら透けて見える白くつるっとした餅で包まれている。コシのある薄皮の秘密は佐渡産コシヒカリ。水車の力でていねいに石臼挽きされた上新粉だ。中の餡も佐渡産のあずきをメインに使用。創業当初から大切に守られた味を楽しむことができる。ほかには新潟名物笹団子やどら焼き、ロールケーキや焼きドーナツなどの洋菓子商品もあり、観光土産はもちろん、地元民の手土産としても親しまれている。お店の向かいに工場があり、毎日作りたての商品が店に並ぶ。基本的にはお持ち帰りがメインだが、店内には4人掛けテーブルがあり少し腰を落ち着かせることもできる。創業当初、店内には港を利用する人たちであふれ、交流する場であったと想像すると、歴史のロマンを感じられ、昔の人たちに思いを馳せてみるのもまた世界が広がる気がする。
    佐渡名物元祖澤根だんご(12個入り680円)。購入時は凍っているので帰りの佐渡汽船でちょうど食べ頃になる
recommend spot

人気スポット

recommend spot

旅のヒント

  1. その1

    佐渡への航路は2つあり、新潟港から佐渡の両津港まではジェットフォイルで70分、カーフェリーで2時間30分。直江津港から佐渡の小木港へはジェットフォイルで75分。

  2. その2

    島内の移動はおもに車。端から端まで車で約2時間あるので、目的が広範になる場合は計画が必要。

  3. その3

    カーフェリーに自家用車を乗せられるほか、両津港周辺には複数のレンタカー会社があるほか、小木港にもレンタカーの営業所がある

  4. その4

    新潟交通の定期観光バスを利用すると効率良佐渡の観光地を巡ることができる。

  5. その5

    冬期には船が欠航することも。出航情報のチェックが必要。

recommend spot

関連記事

記事一覧
recommend spot

モデルプラン

新潟のその他のエリア

+ -
back
open

佐渡エリア