東京

八丈島・青ヶ島

HACHIJOJIMA / AOGASHIMA

亜熱帯の楽園と伊豆諸島最南端の火山島

亜熱帯性の温暖な気候に恵まれた八丈島は「常春の楽園」とも呼ばれる。ハイビスカスやフリージアなどの花が咲く島はまさに南国そのもの。標高854mの八丈富士(西山)と標高701mの三原山(東山)の間の平地に町が広がり、港や空港がある。八丈富士は江戸時代初期まで噴火を繰り返していたとされ、その溶岩が南原(なんばら)千畳敷海岸の奇観をつくり出した。三原山も火山で多彩な亜熱帯性植物が見られ、エコツアーが人気となっている。八丈島周辺の海は熱帯魚やウミガメなどがいるダイビングスポットとしても有名。紺碧の海は「八丈ブルー」とも呼ばれている。八丈島から船で約3時間の位置に浮かぶ青ヶ島は、伊豆諸島最南端の有人島。ヘリコプターでは八丈島から20分ほどで到着する。青ヶ島は外輪山と内輪山のある珍しい二重式火山の島で、島内にはいくつも地熱の噴気孔があり、独特のサウナ文化を形成している。

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エリアの見どころ

  • spot 01
    八丈植物公園
    島が南国であることを実感できるトロピカルガーデンを散策
    八丈島空港の隣に位置する八丈植物公園は、この島が南国であることをあらためて教えてくれる公園だ。ここで見られるのは、本州ではあまりなじみのない植物がつくり出す独特の景観。鳥の鳴き声を聞きながら散策を楽しめる。
    芝生が広がるビロウ広場からは八丈富士を眺められる
  • spot 02
    南原千畳岩海岸
    波が豪快に砕け散る! 溶岩がつくり出した島随一の絶景スポット
    黒々とした岩場には海から強い風が吹き、波は激しい音をたてて砕け散っている。溶岩がつくり出した海岸の風景は、ダイナミックでもあり不思議でもある。背後にそびえる八丈富士と沖合いの八丈小島も印象的だ。
    岩場も海も険しい表情を見せている南原千畳岩海岸の風景
  • spot 03
    大里の玉石垣
    ほぼ同じ大きさ、形の丸石が積み上げられた石垣の珍しい眺め
    八丈島の西にある八重根港の近く、大里(おおざと)地区には、丸い石が積み重ねられた不思議な石垣の風景が広がっている。場所によって多少の違いはあるものの、石の大きさは正面に出ている丸い部分の高さが約12cm、奥行きは30cmほど。六方積みという手法で規則正しく積み上げられていて、芸術的な作品にも思えてくる。流罪人が海岸から運んできた石が用いられたとされるが、これだけほぼ同じサイズの丸みをおびた石があったのかと疑問に思ってしまうほど。大里地区の玉石垣は、その規模、保存状態ともに八丈島で最良とされている。この辺りには島の役所である陣屋があったため、これだけの玉石垣が残されているという。小田原北条氏の代官が来島したのは1528年(享禄元)のことで、この地に陣屋を設けた。江戸時代になると、幕府はここに島の役所を置いた。1900年(明治33)には、東京府八丈島庁となり、大里地区は島の政治の中心地となったが、その8年後に島庁は移転。戦国時代から明治時代まで続いた八丈島の政治の中心地には、その威厳を示す玉石垣だけが残されることとなったのだった。
    玉石垣が続く通りの風景には、どこか南国のような雰囲気も感じられる
  • spot 04
    八丈富士ふれあい牧場
    太平洋を一望する絶景の牧場で悠然とたたずむ牛の群れとご対面
    八丈富士の7合目、町並みと大海原の絶景を一望できる場所にあるふれあい牧場は、八丈島を代表する観光スポットのひとつとして人気が高い。GWや夏休みなどの長期休暇に合わせて期間限定でジェラートやプリンが販売されている。
    ふれあい牧場からは町並みと山並み、そして太平洋の雄大な風景を心ゆくまで満喫できる
  • spot 05
    みはらしの湯
    八丈島の温泉のなかでも随一の人気を誇る絶景の湯へ
    名前がすべてを物語っているとおり、雄大な太平洋を一望できる温泉。近くには八丈島灯台が見え、島南端の小岩戸ヶ鼻(こいわとがはな)も眺望することができる。全国的にも1、2位を争う人気の日帰り温泉だ。八丈島では三原山の周囲に温泉が集まっていて、それぞれ個性的な魅力にあふれている。みはらしの湯のある末吉(すえよし)地区は、空港から車で30分ほど。道路は整備されているが、島の端までやって来たと実感できる場所でもある。露天風呂からの眺めは、これ以上の開放感はないと確信できるほど。しかも露天風呂は2種類あり、奇数日と偶数日で男女が入れ替わる。眺めはそれぞれ異なるので、どちらも試したくなるはずだ。運がよければクジラが見られるかもしれないというのも、なんとも魅力的。昼間の絶景とはまた違った満点の星を眺めながらの入浴もたまらない。これだけでも楽しみの尽きない温泉であることがよくわかるが、初日の出を満喫できる臨時営業も行われているという。島の住民になりたいと思わせる温泉だ。
    露天風呂からの眺め。いつまでも湯に浸かっていたくなるような景色が広がる
  • spot 06
    黄八丈めゆ工房
    世界的にも高い評価を受けている黄八丈の技法と美しさを訪ねて
    「めゆ」とは1917年(大正6)にこの工房を20歳で開業した山下め由さんの名前に由来する。現在の代表取締役の祖母にあたる方で、同工房は開業から2023年(令和5)で106年目を迎えている。
    工房内では高機(たかばた)と呼ばれる手織機で反物が織られている
  • spot 07
    底土海水浴場
    ウミガメとも気軽に泳げる島内いちばん人気の砂浜ビーチ
    八丈島の東側にある底土(そこど)港は、通常、東京や三宅島などを結ぶ客船が停泊する港で、島の玄関口のひとつだ。そのすぐ近くに広がる底土海水浴場は、島内唯一の人工砂浜で、夏には大勢の海水浴客で賑わっている。港からのアクセスのよさ、透明度の高い砂浜ビーチということで、島でも随一の人気を誇っているが、ウミガメと気軽に泳げるのも人気の理由のひとつとなっているという。「本当なのだろうか」と少々疑ってしまったが、島の人たちに聞くたびに「本当」との返事。ウミガメが海面から顔を出していることもときどきあるし、スノーケリングではウミガメと遭遇することが珍しくないとのこと。むしろ、そのことに驚いているこちらのほうが珍しい顔で見られた。さらに、少し沖に行くとサンゴ礁が広がっているので、サンゴを踏みつけないようにと注意がうながされている。客船が停泊する港のすぐ横に、これほど恵まれたビーチがあることにあらためて驚かされた。
    海水浴場が開かれるのは7月中旬から9月下旬。空港からは車で10分ほどの距離だ
  • spot 08
    すし処銀八
    八丈島に来たなら必ず試したい島寿司を心ゆくまで満喫
    八丈島の真ん中、町役場入口交差点の近くにあるすし処銀八。同店には、やや甘めの島寿司のシャリと赤酢を使用した江戸前のシャリの2種類が用意されていて、お客の好みに応じている。
    手前はアオダイ、真ん中はシマアジ、奥の左2つはウメイロ、その右はオナガダイと岩海苔。1人前2200円
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旅のヒント

  1. その1

    八丈島は島流しの島だった。江戸幕府は約1900人をこの島に流罪で送ったとされる。八丈島の流人第一号は、関ヶ原の戦いで敗れた豊臣五大老の一人、宇喜多秀家だった。死後186年後に建てられた墓が残っている。

  2. その2

    八丈島のグルメといえば島寿司。メダイなど白身の魚を醤油に漬けたものを甘めのシャリにあわせたもので、ワサビの代わりにカラシを使うのが特徴となっている。店で味わえるほか、スーパーなどでも販売されている。

  3. その3

    八丈島の海は透明度が高く、魚の種類も豊富で、島の周囲すべてがダイビングスポットといわれている。スロープなどが整備されているポイントも多く、初心者も安心してダイビングを体験することができる。

  4. その4

    青ヶ島にいくつもある噴気孔のひとつは「ふれあいサウナ」として利用されている。噴出孔は火の際(きわ)が語源となっている島言葉「ひんぎゃ」と呼ばれる。「ひんぎゃ」は野菜や卵を蒸すのにも使われている。

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