東京

区部東・柴又

WARD EAST / SHIBAMATA

江戸の風情が残る下町と水郷の美しい眺めを散策しながら楽しもう

東京都の東北端にある葛飾区とその隣の足立区は江戸川、大場川、中川、荒川など川が多い地域で、水源に恵まれたことから古墳時代から人が住んでいた、歴史ある地域だ。低地帯に位置しており、畑作や稲作が盛んに行われていたことが分かっている。江戸時代には農村地帯として江戸庶民の生活を支えており、水元には用水路の起点として小合溜(こあいだめ)と呼ばれる溜め池が造られた。また、江戸末期から堀切では花菖蒲の栽培が盛んに行われた。江戸時代になると庶民の遊興が盛んになり、平安時代から続く西新井大師(總持寺)が厄除けの名所として有名になった。さらに江戸初期に創建された柴又帝釈天(経栄山題経寺)が庚申信仰で流行のスポットとなり、縁日を中心に門前町が賑わいを見せるようになった。また、柴又帝釈天付近は映画『男はつらいよ』の舞台としても有名。映画の雰囲気を味わえる昭和レトロな街並みは多くの人々に愛されている。

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エリアの見どころ

  • spot 01
    水元公園
    都内最大級の広さを誇る水郷公園
    都内最大規模、96.3平方メートルの広さを誇る水郷公園。都内最大級のメタセコイアの森や約20万本のハナショウブが咲き誇る「はなしょうぶ園」、子どもたちが遊ぶ冒険広場、カワセミなどが飛来するバードサンクチュアリなどがあり、多くの人で賑わっている。
    記念広場から見た小合溜。壮大な水郷景観だ
  • spot 02
    水辺のさと
    かわいらしい金魚に江戸の風情を感じる
    水元公園の東の端にある「水辺のさと」は、以前は水産試験場だった場所の跡地にある。2006年(平成18)に開業した施設内では水生生物の保存展示を行っており、都内では数の少なくなった植物や昆虫を見ることができる。昭和30年代の当地の水辺環境を復元した水辺環境復元池にはコサギやカワセミが訪れる。また、域内には「葛飾区金魚展示場」があり、江戸茜・江戸錦といった江戸前金魚をはじめとした24種類の金魚が約1000匹飼育されている。小さな区画ごとに分けられた展示水槽で優雅に泳ぐ金魚を見ていると時間を忘れてしまう。人気金魚ランキングもあるので、参考にしながら自分のお気に入りを見つけてみよう。
    水辺のさとは9時から16時まで入園可能。入場料は無料だ
  • spot 03
    柴又帝釈天 経栄山題経寺
    彫刻で有名な柴又のランドマーク的寺院
    「彫刻の寺」として有名な日蓮宗の寺院。映画『男はつらいよ』シリーズで登場したことでも知られる柴又の中心的存在で、江戸時代から庚申信仰の対象として多くの人々が参拝に訪れている。池泉式庭園の「邃渓園(すいけいえん)」も必見だ。
    総ケヤキ造の二天門は「江戸期建築最後の名匠」と言われた棟梁・坂田留吉によるもの
  • spot 04
    帝釈天参道
    昭和の風情が残るどこか懐かしい参道
    柴又帝釈天まで続く約200mの参道。映画『男はつらいよ』で有名になった参道は昔ながらの木造建築の店も多く、どこか懐かしい下町の風情が残る。名物の草だんごやせんべいなどを売る店がずらりと並んでいるので立ち寄りたい。
    帝釈天参道の入り口。赤い提灯がどこか華やかな雰囲気
  • spot 05
    山本亭
    大正ロマンたっぷりの邸宅で優雅なひとときを
    大正末期の和洋折衷の木造建築。カメラ部品メーカーの創設者の住居として建てられており、ガラス戸を多用した開放的な邸宅は赤い絨毯が目に美しい。書院造の庭園は国内外から高い評価を受けている。
    庭に面したガラス窓が特徴的な母屋は写真スポットとして有名だ
  • spot 06
    葛飾柴又寅さん記念館・山田洋次ミュージアム
    『男はつらいよ』の世界を表現! 山田洋次監督作品の解説も
    「葛飾柴又寅さん記念館」は『男はつらいよ』をテーマにした記念館。主人公の「寅さん」こと車寅次郎の実家「くるまや」のセットや映画にまつわる品々などを見学できる。隣接の「山田洋次ミュージアム」では山田洋次監督の作品に触れることができる。
    「葛飾柴又寅さん記念館」の入り口では、寅さんが看板文字を取り付け中
  • spot 07
    堀切菖蒲園
    花菖蒲が美しい江戸時代からの名所
    江戸時代から花菖蒲(はなしょうぶ)の名所として有名な堀切にある庭園。花菖蒲が見頃を迎える6月上旬から中旬には「葛飾菖蒲まつり」が開催され、約200種、6000株の花菖蒲を見ようと多くの人が訪れる。
    紫や薄紫、白など色とりどりの花菖蒲を観賞できる
  • spot 08
    西新井大師(總持寺)
    花々に囲まれた「関東厄除け三大師」のひとつ
    「関東厄除け三大師」のひとつとして信仰される真言宗の寺院で、厄除けの護摩祈祷を受けに関東を中心に多くの人々が訪れる。花々の美しい「花の寺」としても名高く、特に牡丹園は関東随一と有名だ。
    本堂の横には真言宗の開祖・空海の立像の姿
  • spot 09
    TORAsan cafe
    寅さんの世界を味わえるウィーン風カフェ
    「寅さん記念館」併設のカフェ「TORAsan cafe」は、記念館出口の目の前にあるカフェ。寅さんが映画『男はつらいよ』第41作で訪問したオーストリアのウィーンのカフェをイメージして造られており、メニューにもウィーン名物のザッハトルテやウィンナーコーヒーなどをそろえている。「昔なつかしのナポリタン」や「メロンクリームソーダ」など、寅さんの暮らした昭和の時代を思わせる懐かしいメニューはファンにはうれしいところ。おすすめは特製カプチーノ「TORAチーノ」。寅さんの絵柄など3種類の絵から好きなものを選ぶことができる。店内では寅さん記念館オリジナルグッズなどが販売されており、見ていて楽しい。
    テラス席は天気の良い日におすすめ
  • spot 10
    大和家
    江戸前の天丼は寅さんの愛した味
    京成電鉄金町線の柴又駅から徒歩約3分、『男はつらいよ』で知られる柴又帝釈天参道に入り、横断歩道を渡ると右側に見えてくるのが「大和家」だ。店頭でからっと揚げられている天ぷらの揚げ物の香りが食欲をそそる。創業は残された資料によれば1885年(明治18)以前とのことで、屋台からのスタートだった。映画『男はつらいよ』の撮影の際はスタッフなどの控室にもなったという。名物は寅さん役の渥美清や映画監督・山田洋次が愛した江戸前の「上天丼」。天丼のご飯の上に載せられた大きなエビ2本と本三つ葉、シシトウの天ぷらはやや厚い衣ながらさくっとした食感だ。ごま油を中心に数種類の油をブレンドした特別製の天ぷら油を使っており、揚げ物ながら胃にもたれにくいのがうれしい。つゆはどこか懐かしい甘辛い味で、下町の情緒を感じさせる。味噌汁と香の物も付いてくる。寅さんをはじめ、映画の出演者も同じものを食べていたことを思いながら、江戸前の庶民の味を楽しんでみたい。
    エビが迫力満点の上天丼(1650円)
  • spot 11
    高木屋老舗
    寅さんの実家のモデルになった草団子屋
    京成電鉄金町線の柴又駅から徒歩約3分、帝釈天参道に入り、横断歩道を渡るとすぐ見えてくるのが「草だんご」の名店「高木屋老舗(たかぎやろうほ)」の看板だ。参道を挟んで2店舗あり、右側がテイクアウト用、左側がイートイン用の建物となっている。創業は1868年(明治元)で、建物は明治・大正時代に建てられた歴史あるもの。映画『男はつらいよ』の主人公・車寅次郎の実家、団子屋「くるまや」のモデルになったことで知られており、撮影時は俳優たちの休憩所としても使われた。看板商品の草だんごは、水分量にまでこだわったという上新粉と生ヨモギで作っており、もちもちとした食感が特徴。上に載せられたあんこは北海道産のあずきを蒸気窯で焚き上げたもの。蒸気窯を使うことで火が均等に通り、ふっくらとした仕上がりになるという。このほか「みたらしだんご」や「くずもち」などもイートインにおすすめ。夏にはかき氷が登場する。
    「草だんご」は団子の爽やかな香りとしっかりとしたあんこの組み合わせが絶品
  • spot 12
    吉田パン
    行列のできる絶品コッペパンの専門店
    東京で「コッペパンブーム」をもたらした火付け役的存在のコッペパン専門店。岩手県の「福田パン」で修業した主人が亀有に開業した。注文を受けてから作るできたてのコッペパンサンドは老若男女問わず人気だ。
    コッペパンは一つひとつ包んでくれるので、外でも気軽に食べやすい
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旅のヒント

  1. その1

    柴又、水元、堀切、西新井とエリアが分かれているので、エリアごとの見学がおすすめだ。

  2. その2

    柴又は京成電鉄の柴又駅を拠点にしてまわろう。スポット同士が近いので半日あれば十分に楽しめる。

  3. その3

    水元公園は広いので、訪れたいスポットを絞るのがおすすめ。駅から距離があるのでバスや自転車、車を活用しよう。

  4. その4

    西新井は西新井大師(總持寺)周辺の小さな門前町も忘れず見学を。近くの舎人公園もおすすめだ。

  5. その5

    堀切菖蒲園は駅やほかの観光スポットから離れた川沿いの住宅地にあるので注意。6月の花菖蒲の時期の見学がおすすめだ。

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