千葉

館山・南房総

TATEYAMA / MINAMIBOSO

冬に咲く花が自慢の関東最南端の温暖な土地

房総半島の沖を流れる暖流、黒潮のおかげで温暖な南房総。特に房総半島の先端近く、白浜周辺では真冬でも霜が降りることはなく、ハウス栽培ではなく路地もの生花の栽培が盛ん。美しい花畑の風景は、このエリアの冬の風物詩になっている。一方、夏の間も涼しい海風によりあまり暑さを感じないので、避暑地としても知られている。通年気候の良い場所として昔から別荘が建てられており、今は二拠点生活の一拠点をこの地に求める人が多い。見どころの多くは海岸線にあり、房総半島先端部は鉄道でのアクセスができないが、路線バスが広範囲をカバーしている。勝浦・鴨川エリア同様に、この周辺も海の幸が豊かなところ。新鮮なネタとボリュームが自慢の房州寿司はこの地の名物。

recommend spot

エリアの見どころ

  • spot 01
    房総フラワーライン
    南房総を代表する花いっぱいのドライブロード
    館山市の中心部から南房総市の和田地区まで、房総半島の最南部をめぐる約46kmの道は、房総フラワーラインと呼ばれている。海を眺めながらのドライブが気持ちよく、途中には見どころがいっぱい。なかでも冬から春にかけて、美しい花に彩られることで知られている。
    花の露地栽培が盛んで、花摘み発祥の地でもある白間津(しらまづ)のお花畑
  • spot 02
    野島崎
    フォトジェニックな見どころ満載の房総半島最南端
    野島崎は広大な太平洋に突き出した幅300m、長さ500mほどの岬。房総半島の最南端に位置し、太平洋の絶景を望む白亜の灯台が建つ。ほかにも史跡や博物館、観光船、飲食店などがあるので、房総フラワーラインのドライブ途中に立ち寄るのにうってつけだ。
    岬は野島崎公園として整備されており、20分ほどで1周できる遊歩道もある
  • spot 03
    寿司と地魚料理 大徳家
    房総の海の幸を存分に味わう老舗の技
    房総の海の郷土料理といえば「なめろう」が知られている。アジなどの魚を味噌や薬味とともにたたきにした漁師料理で、酒の肴にもなるし、ご飯のおかずとしてもいい。手早くたたいて粘りが出るとうまみが増す。千倉漁港に近い「大徳家」は創業1869年(明治2)の南房総市で最古となる寿司店だ。この「なめろう」を店で提供したのは大徳家が初めてだといわれている。地元で獲れた魚貝の一品料理が充実しており、特に千葉ブランド水産物にも認定されている千倉周辺で獲れる「房州黒あわび」はぜひ試してみたい一品。しっかりとした歯ごたえの身は、かむほどに上品な磯の風味を感じる。老舗寿司店の技が見える握り寿司は、地元で揚がったイサキや天然ショゴ(カンパチの幼魚)などのほか、地酒で蒸したニシ貝、ポン酢漬けの生車えびなどをネタにして、シャリは地元の長狭米(ながさまい)を敷地内の井戸水で炊いた、とことん地元食材にこだわったひと皿だ。
    地元の海で獲れた黒アワビ(時価)(左)と「元祖なめろう」1100円(右)
  • spot 04
    安房神社
    商売繁盛ご利益大の安房一之宮
    房総半島の南端に位置する古社は、日本のすべての産業を創始した神様を祀る神社。商売繁盛、事業繁栄、技術向上などを願う人々が、個人だけでなく、グループ単位で引きも切らずに訪れる。
    拝殿の背後には緑豊かな森が広がる
  • spot 05
    崖観音
    崖に刻まれた観音様が海の安全を見守る
    正式名称は普門院船形山大福寺(ふもんいんせんぎょうさんだいふくじ)。真言宗智山派の寺院で、崖の中腹に造られた朱塗りのお堂が美しく、一般には崖観音として知られている。
    千葉を紹介するポスターにしばしば登場する風景
  • spot 06
    アロハガーデンたてやま
    鮮やかな熱帯植物が生い茂る、千葉県最大規模の動植物園
    房総半島先端に近い平砂浦海岸を望む「アロハガーデンたてやま」は、カラフルな熱帯植物や動物との触れ合いを楽しめる動植物園。ハワイをテーマにする園内はゆったりとした雰囲気に満ちている。
    入り口を入るとすぐにハワイの神様ティキがお出迎え
  • spot 07
    白浜屋本店
    地元の食材を存分に味わえる、食べごたえ満点の房州寿司
    千葉県最南端にあり、海の幸の豊富な館山市。館山といえばボリュームのある房州寿司が名物。一般的な寿司のシャリは8-12gだが、房州寿司は3-5倍の40gほどもある。寿司店が多い館山のなかでも、「白浜屋本店」は1919年(大正8)創業、100年以上の歴史をもつ老舗。この店では、地元で水揚げされるバラエティに富むネタをぜいたくに使い、シャリには南房総の鴨川で作られる長狭米(ながさまい)を使用。ネタの存在感に負けない、米のおいしさも存分に味わえる。そして醤油もシャリとネタの素材の味を引き立てるよう、煮切るひと手間を加え、かどのとれたまろやかな味にしている。添えられる玉子焼きにも特徴があり、蒸し焼きで作るのでしっとりとした食感。デザート代わりに食後に注文する人も多いそうだ。
    地魚寿司2200円。左下から反時計回りにアジ、スマガツオ、スズキ、マダイ、カンパチ、キンメダイ、サヨリ、サザエ
  • spot 08
    浜のいそっぴ
    目の前の漁港を眺めながら食べる海鮮網焼き
    館山市の相浜漁協が運営する海鮮BBQの店。店舗は漁港内にあり、目の前の海で獲れた伊勢えびやアワビ、サザエを網焼きで味わえる。海鮮の内容は地のもの以外に、船橋のホンビノス貝や北海道のほたて貝など5点ほど。ほとんどの魚介は漁港内の海の生け簀に入っているので、新鮮さをキープできる。防波堤のすぐ近くで獲れるという伊勢えびは、身がしまり甘みたっぷり。エビの味噌を味噌汁に入れて食べるのもおすすめの食べ方で、コクが増しておいしい。サザエやホンビノス貝は、うまみがこぼれないように気をつけながら網で焼く。10分ほどで焼きあがるので、熱々のうちに食べたい。すぐ近くには漁協の直売所もあり、新鮮な魚介類をお値打ちの価格で購入することもできる。漁港の風情を楽しみながら海鮮を堪能できる店だ。
    香ばしく焼きあがった伊勢えびやイカはいちだんと鮮やか
  • spot 09
    道の駅 保田小学校
    廃校を活用して生まれ変わった魅力的な道の駅
    温暖な千葉県・南房総の鋸南町にある1888年(明治21)創立の保田小学校は、2014年(平成26)に学校の役目を終え、翌年「都市交流施設 道の駅 保田小学校」としてオープン。道の駅としてだけでなく、地域活性化の交流拠点になっている。
    小学校の懐かしい雰囲気そのままにリノベーション。童心に帰って表彰台で記念撮影
  • spot 10
    江月水仙ロード
    江戸時代からの歴史あるスイセンの里
    まだ冬のうちから花を咲かせる可憐なスイセン。明るい色の花が、寒さのなかでも春が近づいていることを知らせてくれる。房総半島南部の鋸南町(きょなんまち)は、福井県の越前海岸、兵庫県の淡路島と並ぶ「日本三大水仙群生地」のひとつ。鋸山(のこぎりやま)のふもとの元名(もとな)村(現在の鋸南町元名)は江戸時代からスイセンの産地として知られ、ここで栽培されたスイセンは正月に飾る花として船で江戸に運ばれ「元名の花」と呼ばれたという。そんな鋸南町にある現在の群生地のひとつが「江月(えづき)水仙ロード」だ。12月上旬から2月上旬にかけて、江月地区の町道の約3kmにわたってスイセンが咲き乱れ、辺りに甘い芳香を漂わせる。この時期、ここと大崩(おくずれ)地区の「をくづれ水仙郷」で「水仙まつり」が開催され、沿道で地元農家がスイセンの花や農産物を販売する。見頃は12月中旬から1月末頃にかけて。温暖な南房総で、ひと足早い春を感じてみてはいかがだろう。
    細い町道に沿って植えられたニホンスイセンの花が太陽の光を受けて輝く
  • spot 11
    うちわの太田屋
    美しく使いやすい伝統工芸品、房州うちわ
    「京うちわ(京都)」「丸亀うちわ(香川)」と並び「日本三大うちわ」のひとつである「房州うちわ」を製作・販売する工房。関東でうちわ作りが始まったのは江戸時代。千葉県南房総の安房地域は質の良い竹が採れる産地として知られ、明治時代には東京から職人を呼び寄せ製作も盛んになった。房州うちわの製作は21の工程をすべて手作業にて行う。各工程の専門の職人が分業で製作し、組みあげたのち仕上げを施して完成となる。大きな特徴は細い竹をそのまま生かした丸柄と、骨組みが二重になっている「窓」だ。手になじむ丸柄の竹の感触、二重の骨組みは強度が上がるとともに立体的で繊細な美しさがある。あおいだときのしなりや軽さも使い心地が良く、竹の抗菌作用も期待できる実用的な品だ。経済産業大臣指定伝統的工芸品に認定されている。
    細い竹を使った丸い柄と、半円部分の「窓」の骨組みが特徴。浴衣生地(大)2970円、(中)2750円
  • spot 12
    道の駅とみうら 枇杷倶楽部
    南房総特産のビワを使ったカレーやスイーツが人気
    千葉県房総エリアは温暖な気候のためビワ栽培が盛んで、全国でも出荷量2位を誇る。なかでも最大の生産地は南房総市。実が大きく、みずみずしい南房総のビワは、そのまま食べるだけでなく加工品としても人気。「道の駅とみうら 枇杷倶楽部」では南房総のビワを使ったスイーツや食事メニューが豊富。近隣で生産されたビワを自社でピューレに加工して、さまざまな形で提供している。スパイスの利いた中辛カレーにビワのほんのりとした甘みが加わりぐんと深みのある味になった「オリジナルびわカレー」はいちばんの人気メニュー。「プレミアムびわソフト」はビワの果肉入りで、ビワの果実味がミルクの甘さを引き立てる。ショップにはビワを使ったオリジナルの商品が豊富にそろう。なかでも人気なのはビワのおいしさの凝縮された「房州びわゼリー」で、千葉県のおみやげとしても定番の品だ。びわの旬の5-6月に立ち寄るなら、まずは果実そのままを味わいたい。
    「オリジナルびわカレー」900円と「プレミアムびわソフト」500円
  • spot 13
    漁協直営食堂 ばんや本館
    朝獲れ魚をお手頃価格で味わえる、漁港内の人気食堂
    房総半島西南部、千葉県鋸南町にある保田漁港。東京湾を望み、定置網漁でカマスやいわし、アジなどのさまざまな魚が年間を通じて獲れる。その漁港が拠点の保田漁協が運営する「漁協直営食堂 ばんや本館」は、港に揚がる新鮮な魚を漁協価格ともいえるお手頃な値段で味わうことのできる人気の店だ。食堂に入り、まず目に入るのがその日のおすすめの一品が書かれている大きなホワイトボードだ。地魚をはじめ、近隣の港で獲れた魚を使った海鮮丼、刺身、フライ、寿司などのメニューがずらりと書かれている。海鮮丼でもいろいろあるが、その日の朝に獲れた地魚の切り身を使った「天然 地魚海鮮丼」は、新鮮そのものといえる身のしまった魚がご飯の上にたっぷりと載っている。一品料理なども充実しているので、煮物、焼き物などいろいろと楽しみたい。週末には開店前から行列ができ、広々としている店内もすぐいっぱいになり、活気があふれる。同じ敷地内には地魚を加工した干物を置く土産店や炭酸泉の湯もあり、観光のついでに立ち寄るのにいいスポットとなっている。
    目の前の漁港で水揚げされたばかりの魚を味わえる「天然 地魚海鮮丼」1320円
  • spot 14
    野島埼灯台
    上って景色を楽しめる、野島崎公園のランドマーク
    房総半島最南端の野島崎に立つ、高さ29mの八角形の灯台。野島崎は江戸時代から、東京湾(江戸湾)に出入りする船舶にとって重要な岬だった。そのため開国後に灯台の建設が計画され、日本で最初の洋式灯台のひとつとして1869年(明治2)に点灯を開始した。当初はレンガ造りだったが、1923年(大正12)の関東大震災により倒壊し、その2年後に鉄筋コンクリートで再建されたものが現在も残る。中に入ると、まず日本語とフランス語で記された点灯年月日のプレートが目に入る。101段のらせん階段を上った24mの高さにある最上部からは、太平洋の雄大なパノラマを楽しめる。見学後は、隣の建物にある資料展示室「きらりん館」を訪れよう。実際に灯台で使われていた巨大なレンズや、設計者ヴェルニーの銅像、灯台補給船の錨などが展示され、灯台の歴史や構造などについて知ることができる。
    白く美しい灯台は、フランス海軍技師フランソワ・レオンス・ヴェルニーが設計した
  • spot 15
    高家神社
    日本で唯一の料理の神様を祀る神社で上達祈願
    白い玉砂利の参道が小高い山の中腹まで延び、その先に見事な茅葺き屋根の社殿が立っている。高家(たかべ)神社は房総半島南部にある神社で、料理の神・磐鹿六雁命(いわかむつかりのみこと)を主祭神とし、天照大神と稲荷大神をあわせ祀る。平安時代に編纂された全国の神社一覧『延喜式神名帳』にも名前があるが、のちに衰退し、その所在がわからなくなっていた。時代は下がって江戸時代初期、現在の宮司の祖先・高木吉右衛門が、桜の木の下から木像と2面の神鏡を発見。社を建てて祀り、「神明社(しんめいしゃ)」を創建した。その200年ほどのちに、この鏡に「御食津神(みけつかみ)、磐鹿六雁命」と記されていたことが判明し、高家神社の御神体だったことがわかり、1819年(文政2)に「高家神社」に改称したという。毎年5月17日、10月17日、11月23日には、平安時代から伝わる「庖丁式」が行われる。烏帽子と直垂(ひたたれ)を着けた庖丁士が、式庖丁と真魚箸(まなばし)のみを使い、手で直接触れずに魚をさばく神事だ。庖丁式を行う神社はほかにもあるが、その様子をここまで間近に眺めることができるのは珍しく、多くの料理関係者や観光客が集まり賑わいを見せる。初詣には料理人だけでなく、レストラン経営者や食品関連の企業の社員、さらに料理上達を願う一般の人々が参拝にやってくる。
    背後を森に囲まれた高家神社の拝殿。この奥に本殿がある
  • spot 16
    岡本桟橋(原岡桟橋)
    ノスタルジックな風情あふれる夕日の名所
    房総半島南部の原岡海岸に位置する岡本(原岡)桟橋。木とコンクリートでできた長さ約160mの桟橋が浦賀水道に向かって伸び、日によってはその向こうに富士山を眺められる。特にすばらしい眺めを楽しめるのが夕暮れどきだ。茜色の空をバックにレトロな街灯がぽつりぽつりと灯り、桟橋上を歩く人々のシルエットもどこか哀愁を帯び始める。岡本桟橋は大正時代に漁港の一施設として建設され、1961年(昭和36)に漁港が移転するまで、ここで魚が水揚げされていた。現在は使われることなく波に洗われているが、2017年(平成29)頃からインターネット上で注目を集めるように。ドラマやCMのロケ地にもなったことから広く知られるようになり、現在は平日でも多くの人が訪れる。原岡海岸は国土交通省の「関東の富士見百景」に選出された場所で、5月と8月には富士山頂に沈む太陽が輝く「ダイヤモンド富士」をカメラに収めようと写真好きが集まる。周囲はあまり観光地化されておらず、心洗われるような穏やかさに満ちている。海上を行き交う船を眺め、波の音に耳をすませていると、日頃の喧騒を忘れリフレッシュできるに違いない。
    国内では数少ない木製の桟橋。先端部分はコンクリート製
  • spot 17
    沖ノ島
    豊かな自然に囲まれた楽しさいっぱいの無人島
    南房総国定公園に指定されている、人の手が加わっていない豊かな自然が残された島。磯遊びやシュノーケリングなど、小さな島には楽しみがいっぱいだ。子ども心に帰って思いきりアクティブに過ごしたい。
    本土と島とをつなぐ砂州は人気の海水浴場で、夏には海の家が設置される
recommend spot

人気スポット

recommend spot

旅のヒント

  1. その1

    高速道路(富津館山道路)が南房総市の冨浦まで延びているので、車でもアクセスはしやすい。館山市内の中心部から房総半島先端部の海沿いを走る道路「房総フラワーライン」は見どころのひとつ。ドライブの楽しいエリアだ。

  2. その2

    都心から車で向かう場合、湾岸道路やアクアラインを使う以外に、三浦半島の久里浜から車ごとフェリーに乗って東京湾を横断して対岸の金谷に渡る方法もある。

  3. その3

    都内からは高速バスでアクセスすることも可能。東京-館山はアクアラインを通り2時間ほど。

  4. その4

    鉄道を利用する場合はJR内房線を使う。このエリアはすべて単線区間なので運行本数は少ない。

  5. その5

    館山市、南房総市ともバス路線が広範囲をカバーしており、うまく利用すれば車がなくても楽しめる。

recommend spot

関連記事

記事一覧
recommend spot

モデルプラン

千葉のその他のエリア

+ -
back
open

館山・南房総エリア