埼玉

西部

WEST

テーマパークから自然スポットまで、多彩な魅力と出合えるエリア

東京都心からのアクセスが便利な埼玉西部は、開発が進む一方で、豊かな自然も残されている。埼玉県と東京都にまたがって広がる狭山丘陵は、スタジオジブリのアニメーション映画『となりのトトロ』の舞台のモデルになったとされるところ。昔ながらの里山の風景を残すため、その一部が「トトロの森」として保全活動が行われている。また「クールジャパンの拠点」として構想された「ところざわサクラタウン」では、最先端のアートやポップカルチャーと出合える。森と湖の豊かな自然に恵まれた飯能市は、北欧を思わせるテーマパークと公園が人気。このほか、伝統の和紙がユネスコ無形文化遺産に登録されている小川町、古墳時代の遺跡が残る吉見町なども訪れてみたい。

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エリアの見どころ

  • spot 01
    陸上自衛隊広報センター りっくんランド
    間近で見る本物の戦車やヘリコプターに大興奮!
    「見て、触れて、体感して」をコンセプトに、世代を超えて楽しめる陸上自衛隊の広報施設。陸上自衛隊についての知識と理解を深められるほか、フライトシミュレーターやVR(バーチャルリアリティ=仮想現実)などの体験もできる。
    本館1階フロア中央に置かれているAH-1S攻撃ヘリコプター(通称コブラ)
  • spot 02
    ジョンソンタウン
    アメリカンな街並みで、プチ海外旅行気分を楽しもう!
    「米軍ハウス」と呼ばれるアメリカン古民家をはじめ、白い平屋の家々が立ち並ぶ住宅街。レストランやカフェ、雑貨屋など個性豊かな店が数多くあり、まるで外国にいるような雰囲気で街歩きを楽しめる。
    星条旗が掲げられたジョンソンタウンの入り口。看板もフォトジェニック
  • spot 03
    ところざわサクラタウン
    KADOKAWAによる日本最大級のポップカルチャー発信拠点
    KADOKAWAと所沢市が共同で進める「COOL JAPAN FOREST構想」の拠点施設。「角川武蔵野ミュージアム」のほか、イベントホール、レストランやショップなどが集まる新感覚のエンタメタウンとして注目されている。
    2020年(令和2)11月にグランドオープンした「クールジャパン」の拠点
  • spot 04
    角川武蔵野ミュージアム
    クールジャパンの拠点「ところざわサクラタウン」のランドマーク
    図書・美術・博物のジャンルを超えてあらゆる知を再編成した、世界でも類を見ないユニークな文化複合施設。ギャラリーやミュージアムではさまざまな企画展示が行われ、訪れる度に新たな発見がある。
    KADOKAWAの出版物をはじめ個人文庫など約3万冊が配架された「本棚劇場」
  • spot 05
    所沢航空記念公園
    日本における航空発祥の地で、飛行機と自然とスポーツに親しむ
    日本初の飛行場だった所沢飛行場が米軍から返還されたのに伴って、その跡地に整備された緑豊かな公園。約50万平方メートルの広大な敷地には「所沢航空発祥記念館」をはじめ、テニスコートや野球場などの運動施設、野外ステージ、日本庭園や茶室などがある。
    公園内に置かれた米カーチス・ライト社のプロペラ機C-46。背後には放送塔が立っている
  • spot 06
    トトロの森
    市民によって守られる自然豊かな里山を歩く
    映画『となりのトトロ』の舞台のモデルのひとつになったといわれる狭山丘陵。その一部がナショナルトラスト活動を行う「トトロのふるさと基金」によって守られている。武蔵野の自然と里山の風景が残る「トトロのふるさと」を歩いてみよう。
    宮崎駿監督も呼びかけ人のひとりとなって始まった「トトロの森」
  • spot 07
    西武園ゆうえんち
    新しいけど懐かしい「昭和の熱気」を遊び尽くす!
    1950年(昭和25)の開業以来多くの人に愛されてきた老舗の遊園地が、大規模リニューアルを終え、2021年(令和3)5月にグランドオープン。懐かしさあふれる園内で、笑いあり、スリルあり、絶叫ありの非日常を体験しよう!
    リニューアルされた西武園ゆうえんち。まるで昭和の世界に迷い込んだよう
  • spot 08
    狭山湖
    富士山の眺望やバードウォッチングを楽しめる貯水池
    埼玉県と東京都にまたがる狭山丘陵を利用して造られた人造湖で、正式名称は「山口貯水池」という。水辺の風景とともに、春の桜、秋の紅葉、またバードウォッチングなど、狭山丘陵の豊かな自然を満喫できる。
    東京都の水がめとして造られたアースダム形式の貯水池。堤頂は遊歩道になっている
  • spot 09
    トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園
    人と自然が一体になれる、好奇心を刺激する豊かな空間
    北欧の童話作家、トーベ・ヤンソンの名を冠した公園。自然に囲まれた園内には不思議な建物や楽しい仕掛けがたくさんあり、子どもはもちろん、大人も童心に帰って楽しめる。
    遊歩道上に設置されたカメラマークから撮影すると、きれいな写真が撮れる
  • spot 10
    ムーミンバレーパーク
    ムーミンと仲間たちに会える、小さな北欧へプチトリップ!
    母国フィンランド以外では世界初となる、ムーミンの物語の世界を体感できるテーマパーク。隣接する無料エリアの「メッツァビレッジ」では、湖を眺めながら北欧グルメやショッピングを楽しめる。
    ムーミンの物語を追体験できるパーク。北欧にいるような心地良い時間を過ごそう
  • spot 11
    巾着田
    清流の風景と季節の花々を楽しむ。秋は彼岸花が見事
    埼玉県日高市にある巾着田(きんちゃくだ)は、日本最大級の彼岸花の群生地として知られる。豊かな自然のなかに雑木林や散策路、花畑などが整備され、近隣の人々の憩いの場として親しまれている。
    曼珠沙華(まんじゅしゃげ)とも呼ばれる彼岸花。約500万本が高麗川(こまがわ)の岸辺を真っ赤に染める
  • spot 12
    吉見百穴
    岩山に200以上もの穴が掘られた不思議な風景
    埼玉県比企郡(ひきぐん)吉見町(よしみまち)にある、古墳時代に造られた横穴墓群。歴史的価値の高い史跡として、また春は桜の名所として、地域の人々に親しまれている。
    1923年(大正12)に国の史跡に指定されている吉見百穴
  • spot 13
    東松山市化石と自然の体験館
    発掘体験で1500万年前のサメの化石を見つけよう!
    埼玉県のほぼ中央に位置する東松山市。市が設置したこの施設では化石発掘体験を行っており、サメの歯などの化石が見つかることも。小学生から大人まで楽しめるので、親子で参加するのもおすすめ。
    東松山市坂東山地区にある、駅舎とサメの骨格をイメージした建物
  • spot 14
    JAXA 地球観測センター
    自然豊かな環境で、宇宙や地球について楽しく学ぼう
    地球の環境状態を宇宙から観測する技術の確立・発展のために設立された施設。人工衛星のひとつである地球観測衛星から送られてくるデータを巨大なパラボラアンテナで受信している。「地球観測展示室」では宇宙開発の歴史や地球観測などについて学ぶことができる。
    敷地内にある「地球観測展示室」は、子どもも大人も楽しく学べる体験型学習施設
  • spot 15
    小川町和紙体験学習センター
    ユネスコ無形文化遺産に登録された和紙作りを体験する
    約1300年の歴史をもつ和紙の産地として知られる小川町。なかでも国産のコウゾだけを使用し、伝統的な手法で作られる「細川紙(ほそかわし)」は、ユネスコの無形文化遺産に登録されている。
    かつて埼玉県製紙工業試験場として使われていたレトロな建物
  • spot 16
    嵐山渓谷
    秋の紅葉が鮮やかな、埼玉県を代表する景勝地のひとつ
    岩畳をぬって流れる清流と、周囲の緑が織りなす美しい自然に恵まれた嵐山渓谷。秩父の長瀞にたとえて「新長瀞」と呼ばれたこともある。11月中旬から12月上旬にかけては燃えるような紅葉が渓谷を彩る。
    渓谷では「岩畳」と呼ばれる結晶片岩が見られ、独特の景観を生み出している
  • spot 17
    所沢航空発祥記念館
    所沢から発展していった日本の航空史と航空について学ぶ
    日本初の飛行場の跡地、「所沢航空記念公園」内にある埼玉県立の記念館。初期の国産機レプリカや実機が展示され、またフライトシミュレータや低重力体験装置などで楽しみながら航空についての理解を深めることができる。
    1階の航空機展示エリアには実際に使われていた飛行機やヘリコプターが展示されており圧巻!
  • spot 18
    クロスケの家
    「トトロの森」を守り、里山の自然と文化を引き継ぐ
    埼玉県と東京都にまたがって広がる狭山(さやま)丘陵は、スタジオジブリのアニメ映画『となりのトトロ』の舞台のモデルのひとつになったといわれるところ。その美しい里山の風景を残すため、市民や企業から寄付を募り、森を買い取り保全しているのが「トトロの森」だ。狭山丘陵とその周辺に62か所(2023年10月現在)あり、ボランティアが雑木林の手入れをするなど里山の自然を守っている。そうしたナショナル・トラスト運動を行う「トトロのふるさと基金」の活動拠点になっているのがクロスケの家。『となりのトトロ』に登場する「まっくろくろすけ」が住んでいそうなことから名付けられた。シラカシやアオギリなどの林に囲まれて立つ母屋と蔵、茶工場が国登録有形文化財に指定されている。1902年(明治35)頃に建てられた母屋は、越生町(おごせまち)にあった養蚕農家を1957年(昭和32)に移築したもの。蚕(かいこ)が飼われていた2階は、大工が手斧で削り出して組み上げた梁が見事だ。母屋の隣には茶工場があり、養蚕から茶業への生業の変遷がその構造から見てとれる。1887年(明治20)頃築造の蔵にも、楽しい仕掛けがいっぱい。外壁には20数匹のクロスケが隠れているので探してみよう!
    里山の暮らしを伝える、築100年以上の古民家。見学には公式サイトから予約が必要
  • spot 19
    所沢市観光情報・物産館 YOT-TOKO
    所沢のおいしいものや楽しいものが大集結!
    所沢市とKADOKAWAが共同で進める日本のポップカルチャー発信拠点、「ところざわサクラタウン」の真向かいにある施設。気軽に立ち寄れる場所になってほしいという願いを込めて、Y(よいもの)、O(おいしいもの)、T(楽しいもの)に所沢の「TOKO」を加えて「よっとこ」と名付けられた。サクラタウンとはブリッジでつながっており、自由に行き来できる。店舗スペースには所沢産を中心に、近隣の飯能・狭山・入間・日高市の特産品も取りそろえる。なかでも注目したいのが「所沢ブランド特産品」コーナー。市のイメージマスコット「トコろん」をモチーフにしたオリジナルグッズをはじめ、スイーツや地酒、所沢牛を使用した食品など、所沢らしさを追求した魅力ある逸品がずらりと並ぶ。また所沢は「狭山(さやま)茶」の主要産地として知られ、市内で栽培・製造されたお茶を約100種類取りそろえる。館内には所沢市と近隣の観光情報を発信する「観光情報コーナー」を併設。また地粉をテーマにした「JIGONA Cafe(じごなかふぇ)」では、所沢産の食材を生かしたうどんやハンバーガー、スイーツなどを味わえる。
    モダンな建物の前には多目的広場があり、週末はマルシェや音楽イベントなどで賑わう
  • spot 20
    チームラボ どんぐりの森の呼応する生命
    森が光のアートに変身!フォトジェニックな幻想の世界へ
    最新テクノロジーを駆使したデジタルアートで世界的に高い評価を受け、多くのファンをもつ「チームラボ」。その作品を常設展示するのが、東所沢公園の一角にある「武蔵野樹林パーク」だ。所沢市とKADOKAWAが共同で進める日本のポップカルチャー発信拠点「ところざわサクラタウン」の東側にあり、すぐ前には巨大な石のオブジェのような「角川武蔵野ミュージアム」がそびえ立つ。パーク内には武蔵野の雑木林を代表するコナラなどの落葉広葉樹が茂り、秋にはドングリが実る。森に足を踏み入れると、卵のような形をした不思議な物体が並んでいて、まるで異空間に迷い込んだかのよう。銀色に輝く物体は、人が揺らすとピンクや紫、黄や緑などに変化し、美しい音色を響かせながら次から次へと色が伝播していく。春から夏にかけては緑、秋は紅葉へと移り変わる木々の葉も、色とりどりの光に染まる。「どんぐりの森の呼応する生命」は、空間を1つのアート作品として表現し、人と物体が相互に作用するインタラクティブな展示。ただ見るだけでなく、自分自身も作品のなかに入り込んで、幻想的な世界で遊んでみよう。
    自然をそのまま生かしたアート空間。人の動きにあわせて光と音が変化する
  • spot 21
    うどきち
    モチモチの麺にびっくり! 武蔵野うどんの進化形
    所沢市がある武蔵野では、稲作に適さない土地だったため古くから小麦が多く作られてきた。そのため各家庭でうどんを打つ習慣があり、「うどんが打てて一人前」ともいわれていたそうだ。いわゆる「武蔵野うどん」は、一般的なうどんよりも太く、強いコシが特徴。そして麺を豚肉やネギが入った醤油味の温かいつゆにつけて食べる。所沢名物の肉汁うどんを提供する店のなかでユニークなのが「うどきち」。とにかく麺にこだわっており、定番5種類と日替わり1種類を毎日店で仕込む。それぞれ小麦粉の種類や産地、配合を変えた麺は食感も驚くほど異なる。これらの麺と数種類のつけ汁から好きなものを選んで組み合わせるのが、この店のスタイルだ。麺のいちばん人気は、三重県産のあやひかりを使い、コシがあるのにモッチリとした「新もち麺」。さらに幻の小麦・もち姫を使った「ウルトラもち麺」は、まるで生麩のようなモチモチ感で、うどんの概念がくつがえること間違いなし。ほかに極カタのハナマンテン麺、小麦の味と香りが強い田舎麺、開業時より変わらず続く「もち麺」があり、つけ汁は「肉汁」や「揚茄子」、唐辛子入りの「赤肉汁」など。何度も通って、全部制覇する常連さんもいるそうだ。
    武蔵野うどんの代名詞「肉汁うどん」(並1050円)。麺は「新もち麺」。つけ汁もすべて自家製
  • spot 22
    能仁寺
    江戸時代に禅道場として栄華を誇った奥武蔵の名刹
    飯能(はんのう)市にある曹洞宗の寺院。幕末には旧幕府軍と新政府軍の間で勃発した飯能戦争の舞台にもなった。「日本名園百選」に選ばれている庭園があり、春はツツジ、秋はモミジなど四季折々の情景を楽しめる。
    美しく整えられた境内。本堂を中心にして数多くの伽藍が立ち並ぶ
  • spot 23
    天覧山
    眺望がよく、初心者でも気軽に登れるハイキングコース
    埼玉県飯能(はんのう)市の市街地近くにそびえる標高197mの山。山頂の展望台からは天気に恵まれれば東京スカイツリーや富士山も一望できる。天覧山の北西に位置する多峯主山(とうのすやま)とあわせて歩くのがおすすめ。
    1922年(大正11)に埼玉県で第1号の名勝に指定された天覧山(てんらんざん)。山頂には展望台がある
  • spot 24
    OH!!! 発酵、健康、食の魔法!!!
    食の魔法を味わって体感できる「発酵のテーマパーク」
    「発酵食品が身近にある暮らし」をコンセプトに、2020年(令和2)にオープン。ショップ、カフェ、レストラン、ワークショップの施設があり、糀(こうじ)を使ったスイーツを味わったり、オリジナルのキムチ作りやぬか床作りを学んだり、「OH!!!」と驚く発酵体験ができる。「八幡屋(やわたや)」は漬け物をはじめ、全国から厳選した発酵食品を取りそろえるセレクトショップ。国産・無添加にこだわったぬか漬けやキムチは、自宅用としてはもちろん、ギフトにもおすすめ。味噌や醤油、かつお節、ドレッシングなど日々の食卓を豊かにしてくれる「ちょっといいモノ」が満載で、見るだけでも楽しくなる。また糀ソフトクリームやキムチコロッケといったワンハンドフードも販売していて、テラス席で気軽に味わえるのがうれしい。さらに「OH!!!」を楽しみたいなら、隣の「Piene Café(ピーネカフェ)」へ。糀を使った自家製スイーツが人気で、さっぱりとした甘さの「糀を使ったさくさくクッキーのシュークリーム」は何個でも食べられそう。このほか、発酵や熟成の伝統技法と最先端の調理法を融合し、美味しいだけではなく身体にも優しい料理を提供するレストラン「Femy(フェミー)」、発酵ワークショップなどを開催する「パリシャキ研究所」があり、おいしくて体にいい発酵食品の魅力を発信している。※現在ワークショップは10名以上の団体予約のみ受付。
    自然豊かな天覧山のふもとに位置する。左が「八幡屋(やわたや)」、右が「Piene Cafe(ぴーねかふぇ)」
  • spot 25
    メッツァビレッジ
    森と湖に囲まれた北欧空間で、心地よいひとときを過ごす
    埼玉県飯能市にある「メッツァ」は、北欧のライフスタイルがテーマの「メッツァビレッジ」と、フィンランド発祥のムーミンの物語を追体験できる「ムーミンバレーパーク」の2つのエリアで構成された商業施設。「メッツァビレッジ」は入園無料なので、気軽に北欧気分を楽しめるのがうれしい。駐車場やバス停から木々に囲まれたエントランスロードを進むと、まず最初に現れるのが「market HALL(マーケットホール)」。1階には埼玉の地産品など食を中心としたショップ、2階には北欧雑貨やフィンランド発のライフスタイルショップなどが並ぶ。また隣の「viking HALL(ヴァイキングホール)」にはビュッフェスタイルのレストランなどがあり、湖を眺めながら食事やカフェタイムを楽しめる。豊かな自然のなかで、北欧に流れているようなゆったりとした時間を過ごせるのも魅力。湖のほとりを散歩したり、ベンチに座って読書をしたり。アイランドボートやカヤック、湖を望む丘の上の「ヒュッゲテラス」でBBQといったアクティビティも充実しているので、週末は非日常な体験でリフレッシュしてみては?
    宮沢湖のほとりにある北欧をテーマにした複合施設。メッツァはフィンランド語で「森」
  • spot 26
    長寿庵
    地元野菜を使ったB級ご当地グルメ「飯能すいーとん」
    「第11回埼玉B級ご当地グルメ王決定戦」で優勝した実績をもつ「飯能すいーとん」。かつて飯能では養蚕が盛んだったことから、まゆ玉に模した団子を枝に刺して飾る風習があり、また地場産の小麦粉を使ったすいとんやうどんが食べられてきた。そのような背景から考案された「飯能すいーとん」は、具材として飯能産の旬野菜を詰めた団子を入れること、団子の生地には飯能産のマカ(南米アンデス地方原産のアブラナ科の植物)を練り込むことが条件。店舗によって趣の異なる「すいーとん」を味わうことができるが、そのなかの1軒が西武池袋線飯能駅から徒歩約5分、飯能銀座商店街にある「長寿庵(ちょうじゅあん)」だ。土鍋にぐつぐつと煮込まれて提供される「すいーとん」は、かぼちゃ、さつまいも、大根、椎茸、ギンナンなどの野菜と鴨肉やうずら卵が団子に練り込まれボリューム満点。滋養強壮によいとされるマカの効果で、食べると体がポカポカとしてくる。また、飯能で採れた在来固定種の野菜を10種類以上盛り合わせた「野菜3倍肉汁せいろ」もおすすめ。野菜は有機または無農薬のものを使用しており、ヘルシーな味わいが女性客にも好評だ。
    秋・冬・春限定の「飯能すいーとん」(800円)。具だくさんの大きな団子が入っている
  • spot 27
    新井園本店
    創業から約100年間お茶作りひと筋。狭山茶の逸品を味わう
    埼玉県西部の狭山丘陵地域でおもに生産されている狭山茶。鎌倉・室町時代から「日本銘園五場」のひとつに数えられ、「色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす」とうたわれるように、味のよいことで知られている。主要な茶産地のなかで最北限に位置する狭山茶は、寒い冬を乗り越えることで甘く濃厚なお茶になり、また「狭山火入れ」と呼ばれる独自の製造法によってより深い味わいが生まれる。この狭山の地で1924年(大正13)に創業し、生産から加工、販売までを一貫して行っているのが新井園本店だ。自社茶園と製茶工場をもち、特に有機肥料を使った土づくりに力を入れている。活力の高い土壌で育つ茶葉は、芳醇な味わいと香りが特徴。なかでも「天の露」はていねいに手摘みされた茶葉を、数々の受賞歴を誇る茶師が滋味、香り、色にいたるまでいっさいの妥協をせず仕上げた逸品だ。また金粉抹茶入りの粉末緑茶「天照(あまてらす)」は、日本茶の歴史上初めてローマ法王に献上されたことで知られる。店舗にはお茶カフェ「武蔵利休」が併設され、煎茶や抹茶のほか、抹茶を使ったスイーツなども味わえる。
    狭山茶として初めて国内で最も権威のある天皇杯を受賞した「天の露(てんのつゆ)」(1万800円/120g)
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旅のヒント

  1. その1

    各地に見どころが点在しているため、スポットを選んで訪れよう。電車でアクセスできるところもあるが、車があったほうが移動しやすい。

  2. その2

    狭山丘陵の中央には狭山湖、東側には「西武園ゆうえんち」があり、「トトロの森」と合わせて訪れることができる。

  3. その3

    所沢、入間、飯能へは池袋駅から西武池袋線でアクセスしよう。同一線上にあるので、1日で複数のスポットをまわることも可能。

  4. その4

    吉見町、小川町、嵐山町は車での訪問がおすすめ。小川町と嵐山町は隣接しており、車で20分ほど。

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