群馬

東部エリア

EASTERN AREA

小麦の産地で麺類の食べ歩きを楽しもう

栃木県、茨城県と接する東部エリアは独特の文化圏となっている。特筆すべきは麺類のおいしさ。良質な小麦の産地であり、水にも恵まれ、うどんをはじめ麺類が特産になっている。桐生市は「ひもかわ」という幅広のうどんを提供する店が多く、幅が10cmを超える一反木綿のような麺もある。太田市は焼きそばの街。「十店十麺」と称され、決まりがないのが特徴。真っ黒な極太麺があったり、極細麺で勝負する店もある。館林市はうどん。手打ちや乾麺、さまざまな麺がそろう。加えて、この3市は近くの栃木県佐野市の影響で手打ちラーメンの名店も多い。桐生が丘公園(桐生)、金山城址(太田)、つつじが岡公園(館林)など観光スポットも多くあるが、麺類を食べ歩きしながら歴史ある街を散策したい。桐生から足尾町を結ぶ「わたらせ渓谷鉄道」はトロッコ列車を走らせる。

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エリアの見どころ

  • spot 01
    岩宿博物館
    旧石器時代にタイムスリップ! 太古のロマンが詰まった博物館
    日本に旧石器時代が存在した――その事実を初めて証明したのがみどり市笠懸町(かさかけまち)にある岩宿遺跡(いわじゅくいせき)だ。遺跡に隣接する岩宿博物館は、旧石器時代(岩宿時代)に特化した常設展示で、訪れた人を太古の世界へと誘ってくれる。
    展示室には迫力満点のマンモスゾウの全身骨格が鎮座する
  • spot 02
    わたらせ渓谷鐵道
    100年以上の歴史を誇るローカル線でレトロな鉄道旅を楽しむ
    「わ鐵(わてつ)」の愛称で知られる「わたらせ渓谷鐵道」は、群馬県の桐生(きりゅう)駅と栃木県の間藤(まとう)駅を結ぶ全長44.1kmのローカル線。渡良瀬川の渓谷美を楽しめる観光路線として人気を集めている。
    あかがね色の普通列車「わ89形」。ツートンカラーの新型車両もある
  • spot 03
    富弘美術館
    やさしくも力強い詩画作家・星野富弘の世界を堪能
    わたらせ渓谷鐵道「神戸(ごうど)駅」から路線バスで約10分。草木湖に面したモダンなたたずまいが目をひく富弘美術館。24歳のときに不慮の事故で手足の自由を失いながらも、口に筆をくわえて絵と詩を制作し続けている、みどり市出身の詩画作家・星野富弘さんの作品を展示している。シャボン玉をイメージしたという館内は、ロビーや展示室などすべて円形の部屋が連なる珍しい造り。やわらかな曲面の壁が、やさしく作品を包み込む。身近な植物や動物を繊細に描いた絵には、生きる喜びや幸せが言葉で添えられており、作品と向き合ううちにじんわりと心が温かくなってくる。ガラス張りの休憩室やカフェからは草木湖の豊かな自然を望むことができ、美術館の周辺には遊歩道も整備されている。詩画を鑑賞したあとは、のんびり散策を楽しみたい。
    美しい山並みをバックに建つ
  • spot 04
    小平の里
    洞窟探検に水遊び。家族で自然を満喫!
    みどり市の天然記念物に指定されている鍾乳洞(しょうにゅうどう)をはじめ、親水公園、キャンプ場、植物園とさまざまな顔を持つ「小平の里」。大人から子どもまで満足できる自然体験スポットだ。親水公園の西側には小平川(おだいらがわ)が流れ、夏場は水遊びを楽しむファミリーで大賑わい。園内には人工の小川も整備されているので、小さい子どもの水遊びデビューにぴったりだ。鍾乳洞エリアは親水公園から歩いて5分ほど。1874年(明治7)に発見されたのち10年ほどで入り口が埋まり幻の鍾乳洞といわれていたが、1984年(昭和59)に再発見された。洞窟内は1年を通して16-17℃に保たれ、夏は涼しく冬は暖かい。全長93mと短いものの学術的に貴重で、天井から格子状に垂れ下がる「ボックスワーク」は日本では非常に珍しい鍾乳石だそう。音声ガイドを聞きながら自然の神秘をじっくりと観察しよう。
    浅瀬が多いが少し深くなっている箇所もある。年齢に応じて遊ぶ場所を選ぼう
  • spot 05
    アースケア桐生が岡遊園地
    入園無料! 遊園地と動物園を一度に楽しめる魅惑のスポット
    桐生市街地の自然豊かな丘陵地に建つ「アースケア桐生が岡遊園地」。「未来へはばたけ 山田製作所桐生が岡動物園」が隣接し、ともに入園料、駐車料金は無料。一日たっぷり遊べて財布にやさしい、ファミリーにはたまらないスポットだ。
    小さな子ども連れが多くほのぼのとした雰囲気が漂う
  • spot 06
    ふる川の「ひもかわうどん」
    これがうどん? インパクト抜群の幅広麺
    インパクト抜群の幅広麺がメディアで話題を呼び、桐生を代表するご当地グルメとなった「ひもかわうどん」。名前の由来は諸説あるが、きしめんのルーツである愛知県の「芋川(いもかわ)うどん」がなまったとする説が有力だ。「絹織物の産地として栄えた桐生において、機屋で忙しく働く女性に、時間がなくても食べられる幅広のうどんが重宝されたそうです」と話すのは、週末には行列ができる人気店「ふる川」の3代目店主・古川聡(さとし)さん。麺の幅はお店によってさまざまだが、「ふる川」のひもかわうどんは約12㎝と圧倒的な存在感を放つ。厚みは2〜3㎜。つるりとなめらかな舌触りと、もっちりと食べごたえのある食感が共存する。豚肉のうまみがつゆに溶け込んだ「肉なすつけ汁」などバラエティ豊かなつけ汁も同店の魅力。食べる際には汁がはねないように注意が必要。心配ならば紙エプロンが用意されているのでリクエストしよう。
    反物のようにていねいに折りたたんで供される
  • spot 07
    志多美屋本店の「ソースかつ丼」
    大正時代から受け継ぐ秘伝のタレ
    甘辛いタレをまとったヒレかつが、ホカホカのご飯の上に鎮座する。桐生で「かつ丼」といえば、「ソースかつ丼」のこと。2018年(平成30)にはソースかつ丼を提供する店が集まって「桐生ソースかつ丼会」が発足。名物グルメとして町の活性化にひと役買っている。定義は、豚ヒレ肉を使用することと、ご飯の上にキャベツを載せないこと。ソースは各店のオリジナルだ。\桐生ソースかつ丼の元祖といわれる「志多美屋本店」は、大正時代から伝統の味を守る。ルーツはウナギ屋で、ウナギのタレにウスターソースを合わせ、カツをくぐらせて丼として提供したのが始まりなんだそう。「飽きのこない味で手軽に食べられることから、昔は織物工場によく出前をしていたそうです」と3代目店主・針谷(はりがい)智之さん。かつはやわらかくジューシー。衣には乾燥度の高い特製パン粉を使っているため、タレにくぐらせてもカリカリ感が残る。ソースが染みたご飯も格別のおいしさだ。
    創業から変わらぬ味が愛されている「ソースかつ丼」
  • spot 08
    桐生市有鄰館
    町歩きの拠点に歴史と文化が香る11の蔵群
    江戸時代から大正時代に建築され、酒や味噌、醤油の醸造・保管に使われていた蔵が立ち並ぶ「有鄰館」。桐生の歴史と文化が紡ぎ出した魅力あふれるスポットだ。
    重伝建地区のシンボル的存在
  • spot 09
    ぐんまこどもの国 群馬県立金山総合公園
    一日中遊んでも飽きない! 子どもの夢が詰まった総合公園
    金山城址の西側に位置する「ぐんまこどもの国」。18万7000平方メートルの敷地に、一日では遊びきれないほどの遊具や施設がそろい、子どもにとってはまさに夢の国。入園・駐車無料と財布にもやさしいスポットだ。
    公園のシンボル、からくり時計。1時間ごとに演奏隊が飛び出す
  • spot 10
    群馬県立ぐんま昆虫の森
    里山の魅力を再発見。昆虫との触れ合いにワクワクが止まらない
    東京ドーム約10個分の広大な敷地に、雑木林や畑などの里山を再現した「ぐんま昆虫の森」。自然のなかで生きる昆虫を手にとって観察できる貴重な施設だ。世界の昆虫や里山の生き物を展示した「昆虫観察館」もあり天候が悪くても楽しめる。
    世界的な建築家・安藤忠雄氏が設計したことでも有名
  • spot 11
    カリビアンビーチ
    関東最大級の屋内温水プールで常夏気分を満喫!
    カリブ海の高級リゾート地をイメージした全天候型室内プール。2階層のプールエリアには、波の出るプールやウォータースライダーなどアトラクションが充実。市営の施設なのでリーズナブルな料金も魅力だ。
    室温・水温ともに32-35℃に保たれている
  • spot 12
    向井千秋記念子ども科学館
    知的好奇心を刺激、宇宙への夢が広がる科学館
    館林市出身の女性宇宙飛行士・向井千秋さんが名誉館長を務める科学館。宇宙や科学の不思議を楽しく学べる展示が充実しており、子どもはもちろん大人の知的好奇心も存分に満たしてくれるスポットだ。
    子ども連れに大人気。中学生以下は入館無料
  • spot 13
    群馬県立館林美術館
    自然の風景とアートが織りなす豊かな時間
    2001年(平成13)、群馬県で2つ目の県立美術館として誕生した「群馬県立館林美術館」。展示作品もさることながら、周囲の自然と調和した建物自体も見ごたえがある。時間をかけて楽しみたい美術館だ。
    カスケードと芝生に挟まれたアプローチを進むにつれ美術館への期待が高まる
  • spot 14
    つつじが岡公園
    江戸時代から続くツツジの名所。時代を超えた古木の魅力に酔いしれる
    「日本の歴史公園100選」にも選出されている「つつじが岡公園」。ツツジのシーズンには燃えるような真っ赤な花で園内が埋め尽くされる。ツツジ以外にも梅、花ハス、十月桜など四季折々の花が咲き、訪れる人を楽しませてくれる。
    通常は入園無料だが、「つつじまつり」の期間中は入園料が必要
  • spot 15
    冠稲荷神社
    森の緑と四季折々の花々に癒やされるお社で良縁を願う
    日本七社に数えられる冠稲荷神社。太田市の重要文化財に指定されている本殿や拝殿をはじめ、多くの貴重なお社が、緑豊かな森のなかに鎮座する。縁結びや子どもの成長を願う人々の思いをやさしく受け止める。
    木々の緑と木漏れ日に映える美しい拝殿は、市重要文化財。1746年(延享3)建築、1799年(寛政11)改築
  • spot 16
    貴船神社
    国土を潤し人々の暮らしを豊かにする水の神様が鎮座する御社
    関東平野の最北端・渡良瀬川流域の断崖の上、赤城山を仰ぎ見る風光明媚な場所にある貴船神社は、関東地方を干ばつから守り、五穀豊穣をもたらす水の神様を祀る。広く信仰を集め、初詣の人出は県内でも屈指。
    鳥居をくぐると静寂な雰囲気に満ちた参道が、神様のもとへと誘ってくれる
  • spot 17
    小平鍾乳洞
    自然がつくり出した造形美。神秘の空間が広がる洞窟へGO!
    わずか93mの洞窟に珍しい鍾乳石が次々に姿を現す「小平鍾乳洞」。静謐な空間で、気が遠くなるような時間をかけて形作られた神秘的な造形美はまさに圧巻!みどり市の天然記念物にも指定されている、その迫力ある美しさに魅せられよう。
    天井や壁から幕のように垂れ下がる「カーテン」と呼ばれる鍾乳石
  • spot 18
    やぶ塚温泉郷
    新田義貞の隠し湯に浸かり、自然や歴史遺産を巡ろう
    群馬県の東部にある代表的な温泉といえば、やぶ塚温泉。飛鳥時代、天智天皇が統治していた時期に開かれた湯で、新田義貞の隠し湯とも呼ばれている。周辺の神社や古墳など歴史遺産を散策しながら、名湯を楽しもう。
    やぶ塚温泉の入り口にある「なつめの里」
  • spot 19
    ジャパンスネークセンター
    生きた大蛇や毒蛇を温室で観察できる
    ジャパンスネークセンターは日本蛇族学術研究所が運営する施設。5万平方メートルの巨大な敷地のなかに、大蛇温室、毒蛇温室、シマヘビを自然に近い形で放し飼いにした野外生体実験場、研修センターなどがある。研修センターではヘビの飼育や管理についての研修をしたり、ヘビに嚙まれたときの問い合わせを受け付けている。園内の入り口は2か所。広い駐車場を構える観音口から入場し、散策してみた。まず現れるのは白蛇観音像。これは研究や料理で犠牲になったヘビを供養するために建てられたもの。続いて大蛇温室へ。大型のニシキヘビやボアなどが生息する様子をガラス越しに見られる。写真撮影は可能だがストロボは禁止だ。隣には毒蛇温室がある。世界中の珍しい毒ヘビが展示されているが、色や形が美しいヘビが多いことに驚かされる。土・日曜には「ハブの採毒実演」「は虫類ふれあい体験教室」など子どもも楽しめるイベントを実施している。
    南アフリカ大陸に生息するキイロアナコンダ
  • spot 20
    三日月村
    江戸時代にタイムスリップ。木枯し紋次郎の世界を楽しもう
    作家・笹沢左保(ささざわさほ)氏が書いた時代小説『木枯し紋次郎』の舞台は上州新田郡(じょうしゅうにったごおり)三日月村。それを再現したテーマパークだ。村内では現代のお金は使えない。出入り口にある関所で、1000円札を11文銭10枚に替えてから江戸の村へいざ出発。アカマツやヤマザクラなどの木々に囲まれた街道を行くと、茶屋や旅籠(はたご)、炭焼き小屋などが次々と現れる。江戸時代の旅籠には馬で訪れる人が多かったため、馬小屋が設置されていたそうだ。人気のアトラクションも体験しよう。地底へと続く謎の洞窟を探検する「怪異現洞」、各部屋に複雑な仕掛けが施され、忍者になった気分を味わえる「絡繰(からくり)屋敷」、平衡感覚を保てず斜め歩きになる「不可思議土蔵」がある。木枯し紋次郎記念館「かかわりーな」も見逃せない。映像と展示で笹沢氏と紋次郎について紹介。笹沢氏の書斎を再現したコーナーも興味深い。売店では昔のオモチャが4~7文(400~700円)ほどで販売されている。
    平衡感覚が狂う不可思議土蔵
  • spot 21
    大川美術館
    山の中腹にたたずむ美術館でアートとともに過ごす時間を満喫
    桐生市内を一望できる水道山の中腹に、ひっそりとたたずむ美術館。館内には、大小さまざまな展示室が連なり、日本近代洋画を中心としたコレクションのほか、年数回の企画展など、多彩な絵画作品を周遊しながら鑑賞できる。
    一見、平屋に見える建物は実は5階建て。エントランスは最上階にある
  • spot 22
    正田醤油
    館林を代表する醤油の老舗メーカー、歴史と文化を伝える記念館
    1873年(明治6)創業の老舗醤油メーカー「正田醤油」。醤油の仕込み蔵を改装した本社屋をはじめ、敷地内には歴史的価値の高い建造物が残る。一般公開されている正田記念館では正田醤油の歩みを詳しく知ることができる。
    正田醤油の歴史を学べる「正田記念館」
  • spot 23
    絹遊塾 工房 風花
    織物の街・桐生で体験する心豊かな手織りストール作り
    国の登録有形文化財などに指定されている「のこぎり屋根工場」の一角で、生糸づくりから草木染め、織りまでを行っている絹の工房。桐生で生まれ育った女性オーナーが絹文化を伝えようと開いている店内には、手袋や靴下、レッグウォーマーなどの絹製品が並ぶ。ここでは草木染めや手織り体験もできる。織物の街・桐生といえども、本格的な織物体験ができるのは、ここだけだという。初めてでもストールを1日で織り上げられると聞き、早速体験。よく見る機織り機とは違う「フラミンゴ織り機」という道具で、簡単に織ることができるという。数十種類の糸から好きな5色を選び、織り機に縦糸を巻き付ける。そこに横糸を左右交互に重ねていくのだが、この作業がなんとも楽しい。地道な作業を無心に進めていくと、いつしか雑念を忘れ去り、集中している。気づけば、ストールが数十cmも織り上がっていた。好きな色で織り上げた、世界でたった1枚の自分だけのストール。絹のやさしい肌触りが心地よい、宝物ができあがった。
    ストール1枚を織り上げるのにかかる時間は4~5時間。お昼ご飯を挟んで1日使うつもりで、じっくり取り組もう
  • spot 24
    ベーカリーカフェ レンガ
    国登録有形文化財のこぎり屋根のパン屋さん
    大正時代に建てられた、のこぎり屋根工場を改装したベーカリーカフェ。一歩、足を踏み入れると、焼きたてパンの香ばしい香りに包まれる。やさしい光が降り注ぐ開放的な店内には、食パンや調理パン、菓子パンなど、多種多様なパンが並ぶ。トレイを持って見てまわると、どれもおいしそうで迷う。「これは明日、食べよう」「これはお土産にしよう」と、ついついたくさん買ってしまった。ショップエリアの隣は、広いカフェスペース。買ったパンをさっそく味わってみる。人気&おすすめと聞いて選んだ「ビスロール」は、桐生発祥のパン。パン生地にビスケットが織り込まれていて、ほのかな甘さと食感は懐かしくもあり、初めての味で新鮮だ。「のこぎり屋根のフレンチトースト」は、その名のとおりのこぎり屋根の形をしたパン。サクッと軽い食感のあとに、もちっとやわらかい口あたりで、嚙むほどにおいしさをじわじわと感じられる逸品だ。ポテトサラダロールは総菜もおいしくて、やわらかいロールパンとの相性バッチリ!
    イギリス積みのレンガが異国情緒を漂わせる伝統的建造物
  • spot 25
    岩崎屋
    シンプルだからこそ奥が深い、上州太田焼きそば
    「富士宮やきそば」(静岡県富士宮市)、「横手やきそば」(秋田県横手市)と並び、「日本三大焼きそば」と称される「上州太田焼きそば」。モチモチの太麺にこだわりのソースがからむ、太田市民のソウルフードだ。
    具はキャベツのみとシンプル。どこか懐かしく、あとを引くおいしさ
  • spot 26
    かわとみ
    アイデアマンの店主が作る太田焼きそば
    のどかな田園地帯にたたずむ太田焼きそばの店。「太田焼きそばはシンプルだからこそ、素材の一つひとつにこだわっておいしさを追求している」と話すのは店主の川田富勇(とみお)さん。モチモチの中太麺にまろやかなソースがからんだ焼きそばは、素朴でどこか懐かしさを感じる味わい。ボリュームたっぷりの「肉ロース」や「ポテト」、食感が楽しい「もち揚げ」や「いか」などバラエティ豊かなトッピングがそろい、好みに応じて楽しめるのがうれしい。川田さんのアイデアが光るこの店のもう1つの名物が「なすの蒲焼き重」だ。新聞社主催の県産食材を使った料理コンテストをきっかけに開発し、見事入選。多くのメディアで取り上げられ、こちらを目当てに遠方から訪れる客も多いという。香ばしく焼き上げた肉厚のナスに甘辛いタレがかかり、見た目はうな重そのもの。味はうなぎとは異なるが、ナスの新しいおいしさに驚く。ナスの下には鶏肉が敷き詰められており食べごたえも十分だ。
    ほくほくのじゃがいもがおいしい「ポテト焼きそば」462円
  • spot 27
    清水屋本店
    太田焼きそばのイメージを覆すコシのある極細麺
    「太田焼きそば」といえば太麺に濃厚ソースが主流だが、こちらのお店は珍しい極細麺。二度蒸しした麺は細麺ながらコシがあり、さらりとしたウスターソースがよくからむ。肉屋から仕入れているという良質なラードのコクとキャベツの甘みが、味に深みを醸し出しており、肉なしでも大満足だ。プラス70円で肉のトッピングもできる。1966年(昭和41)創業。3世代で通うファンも多く、「この味がいいと来てくださるお客様がいる限り、先代の味を守り続ける」と2代目店主・清水宏さんは胸を張る。シンプルだからこそ材料の質にはとことんこだわり、火加減には細心の注意を払って焼き上げているという。しょっぱいものを食べたら甘いものが欲しくなる。そんな欲望を満たしてくれるのが、焼きそばと並ぶ看板メニューの「たい焼き」。外はカリッと、中はふんわりとした生地に北海道産あずきを使用した自家製餡がぎっしり詰まっている。夏場は山のように盛られたかき氷も登場する。
    「焼きそば中盛り」460円(持ち帰りは450円)。サイズは小盛りから特盛りまで4段階
  • spot 28
    赤岩渡船
    県道として唯一。群馬と埼玉を結ぶ利根川の渡し船
    「鶴舞う形の群馬県」の嘴(くちばし)のほうに位置する「千代田町」は、利根川を挟んで埼玉県熊谷市と接している。千代田町と熊谷市を結ぶ渡し船「赤岩渡船」の歴史は古く、戦国時代にまで遡るといわれる。江戸時代には物流の拠点として賑わい、赤岩は宿場町として栄えた。今でも千代田町と熊谷市を結ぶ県道として、地域住民に利用されている。船着き場に着くと、近代的な船が待っていた。船頭さんの案内で、救命胴衣を着て船に乗り込む。心地よいそよ風が吹く青空の下、さえぎるもののない雄大な景色を眺めながら5分間の船旅を楽しんだ。「赤岩渡船」に時刻表はなく、乗客が来れば運航してくれる。県道なので無料で乗船できるが、あくまでも交通機関であり観光船ではないので、乗船の際はほかの乗客に配慮を。また、船着き場の近くには、「ぐんま名所百選」に数えられる「光恩寺(こうおんじ)」がある。国の登録文化財「荻野吟子女史生家長屋門」など、数々の文化財が鎮座する名所だ。ぜひ立ち寄ろう。
    土手から見下ろす船着き場。穏やかな利根川の流れが美しい
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旅のヒント

  1. その1

    都心からは東武伊勢崎線が通っている。特急の「りょうもう号」を使えば、館林市まで1時間強、太田市や桐生市まで1時間半前後で着く。

  2. その2

    桐生市は東武線のほか、JR両毛線、わたらせ渓谷鉄道の駅がある。栃木県からのアクセスもいい。

  3. その3

    高速道は東北道の館林IC、北関東道の太田藪塚、太田強戸、太田桐生の各ICを使う。

  4. その4

    館林市に近い千代田町と利根川を挟んだ対岸の埼玉県熊谷市を結ぶ「赤岩渡船」がある。主要地方道熊谷・館林線の一部で毎日運航している。料金は無料。時間に余裕があれば乗ってみては。

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